( 234934 )  2024/12/18 02:02:04  
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小児がんを経験した14歳の少女が「レモネードスタンド」を立ち上げ、売上を病院に寄付しているニュース。

彼女は余命2週間と宣告されたが、家族や医師のサポートを受け、1年半の闘病の末に治癒し、学校に復帰。

復帰後も体育の授業などで支障があるが、友人や学校がサポートしている。

レモネードスタンドは小児がん患者や家族の交流の場にもなっている。

(要約)

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 小児がんやその患者を支援しようと、レモネードの売上を病院などに寄付する「レモネードスタンド」の活動が広がっている。一時は余命2週間と診断された14歳の少女も闘病生活を乗り越え、同じ病と闘う子供たちのために「恩返し」を始めた。 

 

 2024年11月10日、愛知県西尾市で開かれた祭り会場の一角で、ほんのり甘いレモネードが販売されていた。「こっちゃんのレモネードスタンド」だ。 

 

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“こっちゃん”とは蒲郡市に住む中学2年生、尾崎このかさん(14)のこと。このかさんは小児がんを経験した「がんサバイバー」で、治療薬などの開発を支援するため月に1~2回、イベント会場などでレモネードを販売し、売上を病院に寄付している。 

 

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尾崎このかさん: 

「合併症とかになっちゃって、亡くなっちゃった友達がいたんですけど、少しでもそういう子がいなくなるといいなって」 

 

「レモネードスタンド」はアメリカで小児がん患者の少女が、同じ病気の子供を支援しようと始めたといわれている。 

 

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小児がんは日本でも1年間に2000人から2500人が発症するとされているが、成人のがんに比べて治療や研究は、まだまだ遅れているのが現状だ。 

 

 このかさんは、両親と姉、妹の5人家族だ。 

 

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ちょっと恥ずかしがり屋だけど活発な女の子、趣味のヒップホップダンスは保育園の時から続けている。 

 

しかし2年前、小学6年の時、病魔がこのかさんを襲った。2022年8月、頭の右側にピンポン玉ほどの腫瘍が見つかった。 

 

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腫瘍は日に日に大きくなり脳を圧迫したため、緊急手術を行い、頭蓋骨の右半分を失った。 

 

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正式な病名が分からないまま2カ月後には腫瘍が全身に転移し、抗がん剤治療で髪は抜け、食欲もなくなった。 

 

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このかさん: 

「痛み止め飲んでも治らないし、何をしていても痛かったから結構辛かった。あんまりちゃんと寝られなかった」 

 

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発症から5カ月、このかさんの腫瘍は乳幼児の眼球にできるがん『網膜芽細胞腫』(もうまくがさいぼうしゅ)によく似ていることがわかった。世界的にも珍しいケースだった。 

 

このかさんの「がん」はこの時既に、ステージ4まで進行していて、医師からは「余命2週間」と宣告された。 

 

 

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このかさんの母: 

「薬の効果が無くて、がん細胞がどんどん成長しちゃって、その後の治療もないということで緩和ケアに入ったんですね」 

 

生存率はわずか10%だったという。 

 

 それでもこのかさんは弱音を吐かなかった。 

 

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このかさんの母: 

「髪の毛抜けちゃうってため息ついたら『落ち込まないでよ、髪の毛が抜けるのはそれだけ薬が効いているんだからいいことなんだよ』って言われて『あ、そうだね』って私の方が」 

 

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このかさん: 

「家族とかお母さんが、何かあってもずっと支えていると励ましてくれていたから」 

 

母親は仕事をやめ、病院に泊まり込んで、このかさんに寄り添い、主治医もあらゆる症例を探し、ついに、このかさんにあった抗がん剤が見つかった。 

 

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1年半にわたる闘病の末、腫瘍はすべてなくなり、治療が必要ない「寛解」の状態になった。 

 

 2024年4月、中学2年生になったこのかさんは、再び学校に元気に通えるようになった。 

 

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しかし体育の授業では、人工の頭蓋骨が入っていて衝撃を受けると危険なため、球技のときは見学するなど、できないこともある。 

 

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聴覚にも障害が残り、チャイムも苦手だ。 

 

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抗がん剤治療の後遺症に加え、再発のリスクもあるが、学校生活で困ったときは友達がサポートしてくれる。 

 

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学校では、保健室に行きやすいように席を教室の一番後ろにする配慮や、友達も廊下を走ってぶつからないように注意をしてくれているという。 

 

「多くの人に支えられてきた、恩返しをしたい。」そう考えるようになったこのかさんは、2024年3月、「こっちゃんのレモネードスタンド」を始めた。 

 

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1本200円でレモネードを販売し、仕入れ値を除いた利益を小児がんの研究などに活かしてほしいと、自分も入院していた藤田医科大学病院などに寄付している。 

 

また、レモネードスタンドは、小児がん患者の親子が訪れて情報交換をするなど、孤独になりがちな家族の交流の場にもなっている。 

 

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11月に西尾市で行われた「きらまつり」でも、このかさんの姉が通う高校のブースを借りてレモネードスタンドを出店した。 

 

 

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いつしか、このかさんの周りには笑顔があふれていた。 

 

この日も小児がんを経験した男の子が訪れていた。1人でも多くの命を救いたい、挑戦はまだ始まったばかりだ。 

 

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このかさんの母: 

「小児がんになっても大丈夫、完治できる病気になってくれれば、そんなうれしいことはないし、このかがつなげていく役目なのかなって思うので、これからも続けていきたいなと思います」 

 

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売上は2日間で、およそ5万5千円となった。このかさんは病院で闘病を続ける小児がんの子供たちに、クリスマスプレゼントを届けるつもりだ。 

 

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このかさん: 

「1人でも多くの子を日常生活に戻していけたり、笑顔とかをレモネードスタンドでつくれたらいいなと思います」 

 

2024年11月21日放送 

 

 

 
 

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