( 235389 )  2024/12/18 19:41:00  
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日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられた小型ロケット「カイロス」2号機が、ミッション達成困難と判断され、飛行中断措置が取られました。

ロケットには5基の人工衛星が搭載されており、打ち上げ後50分後に順次、衛星を切り離す予定でした。

和歌山県の岸本知事は、ミッションの達成ができなかったことを残念に思いつつも、スペースワン社の進歩を称賛し、今後の打ち上げを期待しています。

スペースワン社は原因究明を進め、将来の3号機打ち上げに向けて準備を進めていると述べています。

(要約)

( 235391 )  2024/12/18 19:41:00  
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MBSニュース 

 

小型ロケット「カイロス」の2号機が、午前11時に日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられました。スペースワンによりますと、ミッション達成困難と判断し、飛行中断措置を行ったということです。現在、詳細について調査中としていて、午後2時半から会見を行い、状況を説明するとしています。 

 

 全長およそ18メートルの東京の宇宙ベンチャー企業「スペースワン」が開発したものです。ロケットには5基の人工衛星を搭載していて、打ち上げからおよそ50分後に高度500キロ付近の軌道で順次、衛星を切り離すことになります。 

 

 人工衛星の軌道への投入が成功すれば民間単独の打ち上げとしては国内で初めてとなります。カイロス2号機は当初、14日に打ち上げ予定でしたが、予定時刻のおよそ30分前に「発射場上空の風が強くロケットの打ち上げに適さない」として延期に。15日に予定していましたが同じ理由で延期となっていました。 

 

カイロスは和歌山県串本町の発射場から打ち上げられた後、次の流れでカイロスのロケットや衛星が切り離される予定でした。 

 

▼約2分28秒後、ロケットの1段目が燃焼を終え切り離し 

▼約2分55秒後、「フェアリング(人工衛星を覆うカバー)」を切り離し 

▼約4分40秒後、ロケットの2段目が燃焼を終え切り離し 

▼約7分50秒後に、ロケットの3段目が切り離し 

▼約53分35秒後、1つ目の衛星を高度500キロ付近で分離し順次他の衛星も切り離し 

▼約54分1秒後、京都のベンチャー企業が開発した人工衛星を最後に分離予定 

 

 きょう午後2時半から「スペースワン」による会見が予定されていて、詳しい状況が明らかになると思われます。 

 

和歌山県の岸本周平知事は「衛星を軌道にのせるミッションが達成されなかったという意味では、少し残念ですが、かなり進歩したと。一歩前進二歩前進ぐらいの感じで、今日は和歌山県にとりまして記念すべき日になったと考えています。相当進んでいると思います。スペースワン社は3月に1号機が失敗して、わずか9カ月で2号機の打ち上げまでいたりました。青空に向かってロケットが飛んでいる姿を見て感動いたしましたし、ぜひ次のチャレンジをしていただきたいと思います。この会見の前に、豊田社長から連絡をいただきまして、今回の飛行中断の原因究明とそれに対する対策本部を作ったと聞きましたので、スペースワン社は原因究明をして対策を立てて3号機の打ち上げを近い将来、楽しみにお待ちしております」などと話しました。 

 

 そのうえで岸本知事は「これは負け惜しみではありませんが、民間で初めて衛星を軌道に乗せるということについては和歌山県の子どもたちに非常に良い教育効果をもたらしていただいていると思っています。これで5回うまくいかなかった。失敗して延期になっても大人たちが何度も挑戦する。人生はうまくいかない、でも、めげずに大人たちが挑戦する姿を見ている子どもたちへの教育的効果は非常に良いと思っています」などと話しました。 

 

 

 
 

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