( 235424 )  2024/12/18 20:21:47  
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青木裕子さんは、夫である矢部浩之さんとの違いを受け入れ、役割分担を工夫することで快適な生活を送っている。

青木さんは子育てを大切に考え、家族での体験を重要視している。

夫婦での考え方の相違や役割分担の変化を経て、夫の面倒を見ることよりもお互いの自立を尊重する関係を築いている。

家族としての愛おしさを感じ、夫を尊重する姿勢が共感を呼んでいる。

(要約)

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CHANTO WEB 

 

ナインティナイン・矢部浩之さんの妻として、小学生の息子2人を育てる青木裕子さん。夫婦の考え方の違いを理解し、快適な役割分担にたどりつきました。「夫を育てない」と言いきる青木さんの、達観した境地を聞きます。(全3回中の1回) 

 

■初めての節分で「夫婦ですべきこと」がわかった 

 

── 子育てにおいて、青木さんは親子での体験を大切に考えており、ご主人もキャンプ、稲刈り、昆虫観察など、季節行事やアウトドアに取り組んでいるそうです。ご主人も体験を楽しんでいるのですね。 

 

青木さん:はい。でも、昆虫を例にあげると、夫(ナインティナイン・矢部浩之さん)は「ヘラクレスかっこええよなー」と言いますが、世話はすべて私がします。私も彼に対して、「昆虫を世話してほしい」とはいっさい思いません。アウトドアが好きなこともあり、テントの設営などは私が担当しています。夫はもともとテレビの人だからか、すべて準備が整った状態で「はい、お肉焼き始めてください!」って感じですね。もしかすると、ロケだと思っているのかな(笑)。 

 

── 独特のスタイルですね。でも、青木さんがすべて準備するのは大変ではないですか? 

 

青木さん:登山なら「今日は2時間登山して、ここで宿泊します」と私が準備をして、夫が参加する流れで10年間くらいやっているので。これが私たちの役割分担だととらえています。そうは言っても、子どもを育て始めたころ、まわりのお父さんたちが旅行の計画を立てたり、子どもにさせたいことを考えているなどと聞くと、「あなたは、自分で計画しないの?」「子どもにこれをやってほしいという気持ちはないの?」と、夫に聞いたことがありました。ただ、私が自分でリサーチして計画するのが好きなタイプなので、夫も自分と同じタイプだったら、ものすごく面倒くさく感じるはずです。 

 

夫は夫なりに自分のできることを精一杯やってくれていて、私も決して我慢しているわけではありません。子どものためにと頑張っても、どこかでムリがきます。やりたくないことをやりたい気持ちにさせるってすごく難しいじゃないですか。自分ができて、楽しいと思えることをそれぞれしているほうがきっと効率がいいと思います。これはこの10年の積み重ねですね。 

 

── 夫婦の関係性の変化が見えてきたのはいつごろからでしょうか。 

 

 

青木さん:出産や入園など、いろんなイベントを経験して、お互いの距離感や役割分担がだんだんわかってきました。最初はお互いの意識の違いを何度も感じました。たとえば、子どもたちが1、2歳のころ、節分の日に夫が出張でいなかったことがあります。私はどうしても豆まきがやりたかったのですが、子どもたちを抱えながら、鬼役ができませんでした。困っていたら、友人がご自宅での豆まきに参加させてくれて節分行事ができました。そうしたら後日、夫が「じつは節分の日は仕事を早めて帰ることができた」と、ポロッと言って。これには私、けっこう怒りました。さらに夫は「その日、食事に行ったけど、遊んでいたわけじゃなく、健全に過ごしていたから」と言い訳したのですが、そこがポイントじゃない!と(笑)。 

 

子どもにとってほぼ初めてとなる節分の行事を、私がどれだけ家族みんなで迎えることを楽しみにしていたか、季節行事や思い出を大切にしているかを理解してほしい、と伝えました。それ以降、夫はできる限り学校行事の日は仕事よりも優先するようになりました。自分では「当たり前」と思うことも、夫婦でしっかりすりあわせしようと、思いましたね。 

 

■「夫の面倒は見ません」昼食も作らない理由とは 

 

── 意識のすり合わせは、本当に大切ですね。ご主人との関係で、決めていることはありますか? 

 

青木さん:極端な言い方になりますが、私は夫の面倒はみません。具体的には、夫のスケジュール管理や旅行の持ち物などには関与しませんし、日中、2人で家にいるときも、わざわざ夫のための昼食は作りません。彼はロケで全国を巡っていてご当地レトルトカレーを買ってきては、家で食べるのが楽しみなようですし、それぞれの食べたいタイミングもあります。私がひとりでやりたいことがあるというのも理解してくれていますし、もともと私たちはお互いひとりで平気なタイプみたいです。 

 

── それぞれのペースを尊重しているんですね。ご主人との距離感は、理想かもしれません。ほかには? 

 

青木さん:よく子育てを通して「夫も育てる」と聞くことがありますが、こんなに子育てが大変なのに、夫まで育てるなんてムリだと早々に悟り、私は夫を育てない、と決めました。 彼はちゃんと仕事ができるのだから、家庭や子育てについてもこちらがわざわざアドバイスする必要はないですし、もう50年も生きてきた人の根本的な考え方を変えるなんてできませんよ。 

 

 

■夫への「家族としての愛おしさ」が増しています! 

 

── それぞれが自立したいい関係ですね。長い目では、どんな夫婦像をイメージしていますか? 

 

青木さん:ずっと恋人同士のような関係も素敵だと思いますが、わが家は夫婦というより「『子育て』というプロジェクトに取り組むチーム」だと認識しています。だから、このプロジェクトが終わったらどんな関係性になるのか、正直、まだ想像がつきません。 

 

── 現在、ご主人に「もっと、こうしてほしい」と望む点はありますか? 

 

青木さん:夫に子育てを自分ごととしてとらえてもらうまでは、多少せめぎ合いはありましたが、彼にとって自分ごとになってからは、精一杯やってくれていると感じています。お互い100%出しきっていると信じないと、信頼関係は成り立たないじゃないですか。自分と同じように相手ができるわけではないし、私にもたりないところはたくさんあります。もっとできるはず、と期待されるのはうれしいですが、あまり期待されすぎるとつらくなります。お互い100%頑張っているという納得感を持つほうが、円滑に進みますよね。 

 

── お互い100%頑張っていると信じる、大切なことです。いま、青木さんにとってご主人はどんな存在ですか? 

 

青木さん:子どもが小さいころは子育てに関する感覚の違いを感じて、「一緒に子育てをしていくことまで想定していなかった。私は間違っていたのかも」と、よその家がうらやましく見えることもありました。 

 

でも、子どもが小学校に入って親同士の世界が広がってママ友と話をしてみると、どんなパパもそれぞれいろんな部分があるとわかり、私にとっては夫以上にいい人はいないように思えて、「私はこの人と結婚してよかった」という気持ちに変わりました。すべてを兼ね備えた理想のパパなんていません。そんなことわかっていたはずですが、子育て中だとわからなくなることもありました。最近は、こうして結婚し、家族として私みたいな人間とやっていけるのは、うちの夫くらいだなと思うようになりました。この人だからやってこられたと感謝しています。すごく好きという感じではないとしても、家族としての愛おしさは、だんだん増してきています。 

 

PROFILE 青木裕子さん 

 

あおき・ゆうこ。埼玉県出身。慶応義塾大学卒業後、TBSテレビにアナウンサーとして入社。『サンデージャポン』や『News23X』をはじめ、バラエティ・報道・スポーツ等多くの番組を担当。2012年末にTBSテレビを退職し、フリーアナウンサーとして活動をスタート。2児の母としての経験から、2024年に『3歳からの子育て歳時記』を出版。 

 

取材・文/岡本聡子 写真提供/青木裕子、株式会社レプロエンタテインメント 

 

岡本聡子 

 

 

 
 

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