( 235621 ) 2024/12/19 03:31:04 0 00 映画館での外国人マナーに困惑(写真:イメージマート)
いつでもどこでもスマホを開く時代になり、あらためて映画館内での鑑賞マナーの徹底が叫ばれる昨今だが、そこに “外国人の鑑賞マナー問題”が新たに浮上している。
日本に長期滞在や居住する外国人も増え、映画館を利用することも増えてきている。日本では誰もが快適に鑑賞できるよう、 “上映中はお静かに”というマナーが浸透しているが、鑑賞スタイルは国によって異なる面もあるのかもしれないが、映画館で“外国人のマナー”に困惑した人たちに話を聞いた。
「洋画は吹き替えではなく字幕派」というこだわりがあるKさん(40代/女性)は、六本木の映画館での経験を語る。
「字幕上映では、以前から外国人客をよく見かけました。リアクションが大きかったり、日本人と笑うポイントが違ったりするのは構わないのですが……上映中の雑談はさすがに気になります。
先日も映画館で洋画の字幕版を観ていたのですが、隣の席の外国人カップルがポップコーンを食べながらずーっとボソボソ喋っているんです。ポップコーンをつかむ手の音も大きくて、まるで自宅のリビングにいるかのよう。気が散って映画に集中できませんでした。上映マナーに文化の違いもあるのかもしれませんが、ここは日本。映画館では静かにしてほしかったです」(Kさん)
Sさん(30代/男性)が有楽町の映画館で見かけたのは、スマホの“マナー違反”だ。
「上映中にスマホが鳴って『マジか』と思っていたら、そのまま電話に出たので開いた口が塞がりませんでした。何語かわかりませんが、聞こえてきた言葉で外国人だとわかりました。さすがに近くの人が注意していましたが、声のボリュームは落としたものの喋るのはやめない。
しかも本編が終わったらすぐに立ち上がり、会話をしながら映画館を出ていく。僕はエンドロールを見ながら余韻に浸るのが好きなのですが、その日はそんな気持ちになれませんでした。途中退場は自由ですが、話しながらはどうなのか」(Sさん)
北海道在住のNさん(20代/男性)も、札幌の映画館で外国人客の“スマホ操作”に遭遇したという。
「上映中、左隣に座っていた海外の方のスマホが鳴ったんです。どうやらマナーモードにしていなかったらしく……。『やべっ』という雰囲気で、慌てて電話に出るために退席していきました。それで一時はホッとしたんですけど、数分後にまさかの通話しながら劇場内に戻ってきたんです。
その日はデートで映画館に来ていたのですが、彼女が外国人客のマナーの悪さでかなり 神経を逆撫でされたみたいで、上映後もずっと機嫌が悪かったです」(Nさん)
Tさん(50代/男性)が新宿の映画館で居合わせたのは、外国人客の集団だ。「比較的空いている夜の回に行ったのですが、とても落ち着いて鑑賞できる雰囲気じゃなく……」とTさんは振り返る。
「自分は後ろから2列目の座席をとっていたのですが、最後列に6人組の若い男女グループがやってきて座りました。韓国語で会話していたので、韓国人グループだったと思います。
本編が始まる前、予告編の段階でもまだ男性の何人かが普通に喋っていて、女性が『シー』みたいな感じでたしなめていました。前方の席の人が振り向いて、眉をひそめていましたね。それだけならまだしも、上映が始まってからも小さな話し声が延々続いていました」
地味なストレスを抱えながらスクリーンを見ていたTさんのイライラが爆発しそうになったのは、頭の横に伸びてきた「足」だった。
「そのうち、ひとりが靴を脱いで、空席になっている私の隣の椅子に足を上げたのです。本気で注意したくなりましたが、上映中に声を上げるのも嫌で……。そんなストレスを抱えながら観ていたのですが、映画が中盤に差し掛かったあたりで、その集団全員がぞろぞろと退出していきました。上映終了後にその席をみたら、スナック類を食べ散らかしたゴミもそのままになっていて、終始気分が悪かったです」(Tさん)
一方、国が変われば文化も変わる。Yさん(20代/女性)は、留学先のハワイで映画館に行った際、鑑賞スタイルの違いに驚いたという。
「まず、日本ではおなじみの“鑑賞マナームービー”が流れなかったのに驚きました。どうもハワイでは、鑑賞中の笑い声や歓声は、ある程度大丈夫のようです。日本でいう“応援上映”のような雰囲気といいますか」
Yさんは、ハワイでの思い出として「映画館は恋人同士がイチャイチャする場所でもあった」ことを明かすが、同様の体験を述懐するのは、Mさん(30代/女性)だ。
「フィリピンで映画を見に行ったら、“ワーオ!”みたいに、映画の内容に反応する声は当たり前だし、暗闇の中で露骨にラブラブなカップルがいるのも驚きでした。現地の子に話を聞いたら、そのほうが同じエンタメを共有している感じがして楽しいとのこと。むしろシーンとしてるほうが考えにくいそうです」
大手シネコン・TOHOシネマズでは今年、本編上映前の鑑賞マナームービーを約10年ぶりにリニューアルした。これまで通り英語の音声でも注意事項が流れるうえ、字幕には日本語・英語に加えて中国語が採用された。
映像制作に携わったFRONTAGEの公式ホームページによると、「パーソナルデバイスの変化やインバウンド等、時代の変化により、求められる劇場マナーにも変化があり、今回、全面リニューアルする運びに」とのこと。
ところ変われば、映画の鑑賞方法も変わるもののようだが、最低限のマナーは守りたいものだ。
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