( 236619 )  2024/12/20 19:59:06  
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柏木由紀さんは、AKB48を卒業した後、テレビ番組や歌手活動だけでなく、メイク本の出版など精力的に活動している。

コンプレックスを持っている自身のメイクの取り組みや向き合い方、そしてAKB卒業後の現在地について語っている。

彼女はメイクを通じてコンプレックスを克服しようという前向きな姿勢を示し、メイクを楽しむことで自信をつけている。

AKB時代の選抜総選挙での経験から、他人と比べずに自分を大切にする考え方を大切にしており、メイクを通じて自分を認めることが大切だと語っている。

(要約)

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今年4月に17年所属していたアイドルグループ・AKB48を卒業した柏木由紀さん。卒業後は、テレビのバラエティ番組や歌手活動のほか、自身初となるメイク本を11月に出版するなど精力的に活動している。「AKB時代から人と比べないようにしてきた」という柏木さんに、メイクを通してどのように自分と向き合ってきたのか、そしてAKB卒業後の現在地を聞いた。(ジャーナリスト・中村竜太郎/Yahoo!ニュース Voice) 

 

柏木由紀さんからの質問 

 

私は見た目や性格などコンプレックスがたくさんあるのですが、皆さんの「コンプレックスと向き合う方法」を教えてください。 

 

メイクについて語る柏木由紀さん 

 

――読者への質問が意外でした。芸能人であっても外見的コンプレックスをお持ちなんですね。 

 

柏木由紀: コンプレックスはありますね。挙げたらきりがないくらいいっぱいあります。それこそ女の子ばかりのグループにいたので、右も左も前も後ろもかわいい女の子に囲まれて、どうしても比べられてしまうこともありました。でも、「こういう顔になりたい」って思っても、もともと造りが違うわけだし、顔で人と比べるのは、もうどうにもならない。だから意識的に人と比べないようにしていましたね。 

 

――コンプレックスがあるとはいえ、ご自身のYouTubeチャンネルで“すっぴん”を公開されています。なぜ、そうしたのでしょうか。 

 

柏木由紀: もともとAKBのときはメンバーの人数が多いので、なるべくメイクさんに頼らず全部自分でメイクをしていました。私は自分の顔にコンプレックスがたくさんあって、それをメイクで隠せればいいなというのもありましたし、メイクをすることで気持ちが前向きになる面もあったので、YouTubeを始めるときにメイク術を動画で伝えるというアイデアが浮かびました。それで、メイクでこの顔がこんなに変わりますよっていうのを伝えるには、すっぴんから見せないと意味がないなって思ったんです。実はAKB時代、10年以上すっぴんをNGにしていたんですけど、自分が伝えたいこととすっぴんを出すことを天秤にかけたときに、みんなにきちんと伝わるほうがいいなと考えて、自分で決断しました。 

 

――もともと抵抗はあったんですね。 

 

柏木由紀: まず、アイドルのキラキラとは違う姿を見せるのはファンの方ががっかりするだろうなと。YouTubeでやるって決めたとき、誰も見ないだろう、憧れられる対象じゃないというのは分かっていて…。女の子のファンもほとんどいない、女性に支持されていないということはメイク動画を発信するうえで不安でした。けれど、私の研究した方法を誰かに教えたい。それを見てもらうには、素顔を出してコンプレックスを克服するメイク方法を紹介したら女性が見てくれるんじゃないかなと考えたんです。私の場合、「鼻がコンプレックスで、こうすると高く見せられます」ということを伝えるため思い切ってやってみました。 

 

――反響はどうでしたか。 

 

柏木由紀: 賛否両論です。心ない言葉がたくさんくるだろうなと想定していたんですけど、私の想像よりは、割りと好印象なコメントが多かった気がします。「本当に分かりやすい」とか「メイクでこんな変われるなんて知らなかった」とか。一方でアイドルファンの方から「なんか残念です」「がっかりしました」というのもたくさんありましたけど、それよりもメイク動画をきっかけに、同性の女性の方がたくさん見てくださるようになったし、伝えたいことが伝わっているので、プラスのほうが大きかったかなと思います。 

 

――10代でAKBに加入され、仕事上メイクをする状況になりました。当時を振り返ってどうですか。 

 

柏木由紀: 当時はまだ中学生でしたし、メイクにまったく興味がなくて、母の使っているものを借りて見よう見まね。正直なところ20代半ばまでメイクは何のためにするのかということも分からずやっていました。仕事が忙しくなると毎日のメイクはルーティン化していて、足せば足すほど華やかに見えるのかなと勘違いして、どんどん濃くしていったり。メイク直しも厚塗り状態。昔の写真を見ると、なんでこんなメイクをしていたんだろうって恥ずかしくなります(笑)。 

 

でも25歳ぐらいからメイクやコスメ紹介のSNSにハマるようになって、それこそバズっている商品など全部買って試してみたんです。そしたら、みんながいいと言っているものって本当にいいことが多くて、それ以来メイクが趣味みたいになっちゃいました。 

 

 

――メイクを積極的に楽しむようになって、自分自身に変化はありましたか。 

 

柏木由紀: 私は「面長が気になる」「鼻を小さく細く見せたい」というコンプレックスがあったんですけど、それをプロのメイクさんに相談したら、「じゃあ、鼻細く見せるよ」と言ってくれて、そんなことできるのかととても驚きました。鼻はサイドに、茶色などで影を作って細く見せるとか、まったく知らなかったテクニックがたくさんあって、もうさらにメイクのとりこ。こんなに変わるんだっていうのを知りました。 

 

ただメイクが義務みたいになっちゃうと、面倒くさいし時間もかかるし、結構しんどくなっちゃう。だから、自分のテンションを上げてくれるようなメイクを研究して、そこにたどり着くことは大事だなと思います。いまはメイクしてすごく戦闘力が上がる感じというか、メイクしてない状態はHP(※生命力を表す指標のゲーム用語)がゼロな感じ(笑)。だけどメイクをちょっとずつしていくことで、どんどんHPが上がっていって、完成したらすごい元気が出てくる、そんな感覚ですね。 

 

――メイクによってコンプレックスと向き合うことができているんですね。今年の4月でAKB48を卒業されましたが、AKB時代には選抜総選挙などもありました。 

 

柏木由紀: どうしても総選挙は否が応でも、自分がそう思ってなくても勝手に比べられたり、勝手に順位が付いてしまう。特殊な経験なのかもしれないけど、それでいちいち落ち込んでいたら本当にきりがないんです。だから、自分が落ち込むことをそもそも考えないというか、自分はダメだって思うことをしない。すごい人は最初からスペックが違う人なんだと思い、比べないようにしています。外見的コンプレックスも含め、落ち込まないための考え方を自分の中で少しずつ考えていき、それを実行するようにしていきました。 

 

同じことでも考え方や捉え方で前向きになったりするじゃないですか。人と比べて落ち込むのはすごくしんどいことだというのはAKBを続けていて実感していたので、なるべくテンションが下がらないよう心がけています。その方法のひとつにメイクがあって、それがいま私の中で大きなウエイトを占めています。 

 

――そしてAKBを卒業された現在ではメイク術を発信して、多くの女性から支持されるように。単にテクニック的なことだけじゃなく、コンプレックスを克服しようという思いや前向きな姿勢が伝わっている気がします。 

 

柏木由紀: “憧れの存在”じゃなくても、普通に悩んでいる同性の方の“仲間”になりたかったのかもしれません。私自身、「AKBと本当の自分はかけ離れているな」「こんなに毎日キラキラしているわけじゃない」と思っていて、どこかうそをついている感覚が長い間ありました。実際の私は、「芸能人」「すごい」と思われるのは苦手だし、おしゃれなインスタを見ても1ミリも憧れないタイプ。だから全部自分の素を出してしまえば楽になるというのがあって(笑)。いまはありのまま自然体でやれたほうが楽しい。メイクでテンションアップするのもそうですけど、そうやってせめて自分で自分を認めてあげたいなと思います。 

 

 

 

=== 

柏木由紀 

1991年、鹿児島県出身。2007年にアイドルグループ・AKB48のメンバーとしてデビュー。“ゆきりん”の愛称で活躍し、2024年4月に歴代最長となる17年在籍したAKB48を卒業。卒業後も、デジタルシングル曲「I’m not alone」を発売するほか、テレビのバラエティ番組などにも数多く出演。2024年11月には自身初となるメイク本「メイクで見つける可愛いの法則」を出版。 

 

 

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