( 236669 )  2024/12/20 23:59:55  
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国民民主党の榛葉賀津也幹事長は所得税の「年収103万円の壁」に関する協議を自民、公明両党と続けることを引き出し、引き上げ幅の拡大を目指す方針を強調した。

自民は維新とも交渉し、維新に接近する姿勢を見せたが、国民民主と維新を同時に扱うことで双方から拒絶されるリスクもある。

結局、国民民主との協議を重視する方針に傾いている。

(要約)

( 236671 )  2024/12/20 23:59:55  
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記者会見する国民民主党の榛葉賀津也幹事長=20日午後、国会内 

 

国民民主党は20日の自民、公明両党との3党幹事長会談で、所得税が生じる「年収103万円の壁」に関する継続協議を引き出した。自民は国民民主と引き上げ幅で折り合えず、日本維新の会にも触手を伸ばして揺さぶったが、国民民主が令和7年度予算案への反対をちらつかせるチキンレースに持ち込み、自民も決裂回避を選んだ。 

 

■「調子に乗りすぎている」 

 

「国民の皆さんにしっかりと(引き上げ額を)178万円に近づける形でお示しする」 

 

国民民主の榛葉賀津也幹事長は、協議の再開が決まった自民の森山裕、公明の西田実仁両幹事長との国会内での会談後、記者団にこう語り、改めて引き上げ幅の拡大を目指す方針を強調した。 

 

3党の幹事長は11日の会談で「178万円を目指して来年から引き上げる」と合意した。だが、13日に自公側は引き上げ額として国民民主の要望とは程遠い123万円を提示し、お互い一歩も譲らなかったため、国民民主が17日に協議を打ち切った。自民内からは国民民主の振る舞いについて「あまりにも調子に乗りすぎている」(幹部)との声が上がった。 

 

■両方から拒絶のリスクも 

 

国民民主との交渉が行き詰まる中、自民は維新にも触手を伸ばした。自民は維新を取り込むため、19日に教育無償化に関する協議を始めた。前原誠司共同代表は7年度予算案に「賛成することも選択肢だ」と含みを持たせた。自維接近について国民民主幹部は「それなら維新とやればいい」と突き放し、7年度予算案への反対論も浮上した。 

 

ただ、自民には維新への不信も根強い。先の通常国会で成立した改正政治資金規正法を巡り、衆院では賛成したが、参院では反対に回ったためだ。12月に発足したばかりの維新新執行部とのパイプも細い。 

 

国民民主と維新を両てんびんにかけるような態度をとり続ければ、双方から拒絶されるリスクを負う。最終的に、これまで協議を重ねてきた国民民主をつなぎ留める方針に傾いた。 

 

「20日以降も協議を続けてほしい」 

 

 

19日夜、森山氏が榛葉氏に連絡し、3党協議の再開が固まった。24日には3党の政調会長、税調会長の枠組みでの協議が行われるが、与党側からさらなる引き上げ額が提示される可能性もある。 

 

国民民主幹部は「自民は数がないんだから。これが現実だ」と強気の表情を浮かべた。(永原慎吾) 

 

 

 
 

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