( 236954 )  2024/12/21 14:51:08  
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自民党と公明党は、2025年の税制改正で所得税の課税最低限を引き上げることを決定した。

基礎控除と給与所得控除の合計が123万円になり、これまでの1.2倍になるが、他の主要国に比べてまだ低い水準である。

これまで30年間も調整が行われていなかったのに対し、他の国は物価上昇率に合わせて調整をしている。

自民党は最低賃金の指標を用いない理由や、生活必需品の物価上昇率を基に課税最低限を設定した理由を主張している。

国民民主党は最低賃金の上昇率を考慮した課税最低限の引き上げを求めていた。

日本のデフレが終わり、物価高の問題が浮上しており、今後も「壁」の適切な高さについての議論が続きそうだ。

(要約)

( 236956 )  2024/12/21 14:51:08  
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自民党の宮沢洋一税調会長(右)=20日午後、国会内 

 

 自民、公明両党は2025年度税制改正で、所得税の課税最低限「年収103万円の壁」を見直し、計20万円引き上げると決めた。 

 

 所得税の基礎控除と給与所得控除の合計額は123万円へ、これまでの1.2倍に引き上げられるとはいえ、依然として主要国に見劣りする低い水準にとどまる。 

 

 米国やドイツは、日本の課税最低限に相当する金額が物価上昇率に連動する制度を採用しており、近年の物価上昇で大きく引き上げられた。日本は現行の103万円になった1995年以降、30年間も調整してこなかったのに対し、米国は96年から2024年の間に2.23倍へ引き上げた。英国はリーマン・ショック後、低所得者に配慮して物価上昇率を大幅に超える上乗せを実施した。 

 

 今回、与党が決めた123万円は、食料や光熱費など生活必需品を中心とする「基礎的支出」の消費者物価上昇率を基にはじき出した。一方、国民民主党は、最低賃金の上昇率に合わせて178万円にするよう求めていた。 

 

 自民党の宮沢洋一税制調査会長は最低賃金について、「政策的に引き上げてきた」との理由で参考指標にするのは不適当だと指摘する。別の税調幹部も「諸外国が採用しているような恣意(しい)的ではない指標で物価上昇分を調整することが大事だ」と主張する。 

 

 日本は長らくデフレが続いてきたが、ここ数年は物価高が続き、国民民主の主張をきっかけに課題が顕在化した。「壁」の高さはどれぐらいが適当なのか、今後も議論が続きそうだ。  

 

 

 
 

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