( 237984 )  2024/12/23 04:57:41  
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飲食チェーンの値上げが続く中、牛丼チェーンの松屋でも1000円を超えるメニューが増えており、特に期間限定メニューで1000円超えの商品が多く提供されている。

一方で、価格の上昇や変化に対して受け入れがたい声もあるが、松屋のファンからは新しいバリエーションを楽しみにする声もある。

松屋は世界各国の料理をアレンジした個性的なメニューを提供しており、価格の高さについては、他の飲食店に比べればまだ安いとの意見もある。

(要約)

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松屋で「1000円超えメニュー」が続々登場している 

 

 原材料費や輸送費、人件費などの高騰にともない、飲食チェーンも値上げを避けられない状況が続いている。かつては“安さ”の象徴のような存在だった牛丼チェーンも徐々に値上げ。ワンコインで食べられるメニューは減り、その一方で1000円以上のメニューも珍しくなくなっている。 

 

 なかでも、1000円以上の期間限定メニューを多く提供するのが松屋だ。2024年冬には、11月26日から『煮込みビーフシチュー(ライス・みそ汁付)』1130円、『煮込みビーフシチュー定食(ライス・みそ汁・生野菜付き)』1190円、12月10日から『カットヒレステーキ丼』1180円という2種類の1000円超えのメニューが販売されている。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。 

 

「松屋では、毎シーズンさまざまな期間限定メニューが発売されています。レギュラーメニューよりは少々価格が高く、定食系であれば800円台のメニューが多いです。2023年11月には『ビーフ100%ハンバーグ定食』が1090円で発売され、“松屋の1000円超えメニュー”として話題にもなりましたが、2024年は複数の1000円超えメニューが販売されています」 

 

 2024年に松屋で販売された期間限定メニューのうち、主な“900円以上の商品”は以下の通りだ。 

 

『シュクメルリ鍋定食』930円(2月6日発売) 

『ポーランド風ミエロニィハンバーグ定食 (ライス・みそ汁・生野菜付き)』930円(4月23日発売) 

『極厚200gトンテキ定食』1090円(6月11日発売) 

『うな丼』980円(6月18日発売) 

『カルビホルモン丼』980円(6月25日発売) 

『柔厚炙りチャーシューエッグ定食2枚盛』1390円(8月13日発売) 

『炙り十勝豚丼』930円(11月19日発売) 

『煮込みビーフシチュー定食(ライス・みそ汁・生野菜付き)』1190円(11月26日発売) 

『カットヒレステーキ丼』1180円(12月10日発売) 

『いくら丼 ※ライス小盛』980円(12月17日発売) 

 

 また、過去に販売されていた時より価格が上がっている商品もある。たとえば『シュクメルリ鍋定食』は、2021年1月時は790円だったが、2024年2月には930円となった。『炙り十勝豚丼』も2023年12月時点で830円だったが、2024年11月には100円高い930円となった。 

 

 

 商品のクオリティーを保つためには、値上げは避けられない。とはいえ、松屋で1000円超えのメニューが増えていることを受け入れがたいユーザーも少なくないようで、SNSには〈松屋で1000円オーバーはめちゃくちゃ高く感じる〉と嘆く声が多数投稿されている。その一方で、松屋の1000円超えメニューを楽しみにしている愛好家もいる。都内の会社員・Aさん(30代男性)はこう話す。 

 

「学生時代から牛丼チェーンは松屋派で、特に定食系のメニューが好きです。期間限定メニューは毎回食べますね。1000円超えのメニューは確かにちょっと高いとは思いますが、バリエーションも豊かになって、これまであまり食べたことがないようなメニューが増えているのはうれしいです。 

 

 最近の個人的なお気に入りは『煮込みビーフシチュー定食』。デミグラス系の味付けは松屋らしい濃厚さで、柔らかく煮込んだ牛肉によく合うんです。松屋のメニューの幅広さを楽しんでいます」 

 

 1000円超えメニューが増えたといっても、「他の飲食チェーンに比べれば、松屋はまだ安い」という声も。神奈川県の自営業Bさん(40代男性)は、「松屋はガッツリ食べられるのでいい」と話す。 

 

「ファミレスに行ったら1人2000円くらいかかってしまうし、定食屋さんでも1000円超えのメニューが当たり前。ラーメンだって余裕で1000円くらいする。松屋の場合、定食メニューならごはんの大盛りが無料だし、おかずも味が濃くてガツガツ行ける。同じようなボリュームの定食をほかのお店で食べたら、1000円前後では無理でしょう。ガッツリごはんを1000円前後で食べられるという点で、松屋はまだ高くはないような気もしますね。あと、節約をしたい時は牛めしという選択肢があるのも嬉しいポイントです」 

 

 近年の松屋のメニューには、ジョージア料理のシュクメルリ鍋を筆頭に、マレーシア風牛肉煮込みのルンダン、リトアニア風ホワイトソースハンバーグなど、世界各国の料理を松屋風にアレンジしたものも増えている。前出の小浦氏が解説する。 

 

「松屋は、牛丼チェーンの中でも特に個性的なメニューが多い。基本的には和食がベースですが、ごはんに合う料理であれば、どこの国のものでも取り入れる。同じ牛肉やハンバーグを異なるソース、味付けで提供するというメニューも多く、上手く工夫してバリエーションを増やしています。 

 

 ただ、最近ではビーフシチューの牛肉、ホルモン、炙りチャーシューなど、定番メニューでは使っていない素材を提供する限定メニューも増えている。その分、価格が高くなることも多く、だからこそ1000円超えのメニューが増えているわけですが、個性的でおいしいメニューも多い。ユーザーを飽きさせることなく、選択肢の幅の広さで戦う松屋の姿勢が見えていると思います。 

 

 もちろん、定番メニューの多くが1000円前後まで値上がりすれば、さすがに高いというイメージになるでしょう。しかし現状では、430円の『牛めし』や480円の『オリジナルカレー』というリーズナブルな定番メニューがあったうえで、800円台の定番定食メニューや1000円前後の期間限定メニューがある。予算に合わせてメニューを選べるのは、松屋の大きな魅力です」 

 

 牛丼チェーンに“安さ”を求めるユーザーが多いのは事実だが、そこではない魅力を求めるユーザーもいる。松屋の1000円超えメニューは、牛丼チェーンの新たな魅力を切り開くものとなっていくのかもしれない。 

 

 

 
 

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