( 238814 )  2024/12/24 17:53:13  
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受験期にやってほしくないことについて解説されています。

受験生にとって「ありがた迷惑」な行動の例として、親が子どものルーティンを壊してしまうことが挙げられており、具体例として筆箱のプレゼントをめぐるエピソードが紹介されています。

子どものルーティンを無理に変えることが精神的負担になる場合や、親からの善意でもプレッシャーを感じさせることがあることが説明されています。

受験期に親が介入することもありますが、子どものルーティンを尊重し、口出しを控えることが重要であると述べられています。

(要約)

( 238816 )  2024/12/24 17:53:13  
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受験期にやってほしくないことについて解説します(写真:Graphs/PIXTA) 

 

受験が近づくにつれて、さまざまな不安や焦りを抱える受験生や親は多いと思います。それらを解消するためにはどうしたらよいのか。短期集中の毎日連載「現役東大生が解決! 受験お悩み相談室」では、偏差値35から東大合格を果たした漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡壱誠氏が率いるカルペ・ディエムのメンバーが、数多くの受験生を指導した経験を基にした解決策を伝授します。【連載第4回】 

 

■子どもにとって「ありがた迷惑」な行為とは?  

 

 僕らは、東大生に対して定期的にアンケートを行っており、その中で東大生の親御さんたちが受験期にどんなふうに接していたのかについて調べています。 

 

 そこから見えてきた、受験生にとってマイナスになる行動の1つとして「親が子どものためと思った行動が、かえって子どものルーティンを壊してしまう」というのがあります。つまり、受験期の子にとって「ありがた迷惑」な行為があるのです 

 

 具体的なケースをご紹介します。 

 

 これは僕の友だちの東大生の話なのですが、高校3年生のクリスマスに親御さんからプレゼントされたものをめぐって、親御さんと大げんかしたのです。何をプレゼントされたと思いますか。 

 

 正解は「筆箱」です。あと1カ月で受験が始まるという時期に、親御さんから「これで受験を頑張ってね!」という意図で、筆箱をプレゼントされたそうなのですが、彼はめちゃくちゃ怒ったのだそうです。そのときの彼の主張はこうです。 

 

 「自分には今まで使っていた筆箱がある。この筆箱のどこの位置にどのペンを何本入れて試験会場に向かうのか、勉強がやりやすくなるのか、今までの模試や普段の勉強でしっかり理解したうえで受験勉強をしていた。なのに、このタイミングで新しく筆箱を変えるというのは、今まで自分がやってきたルーティンをすべて壊さなければならず、今までの努力をすべて否定されることに等しい。息子の受験を失敗させたいのか!」 

 

 

 はたから聞いていると「いやいや、そんなに怒らなくても……」と思ってしまいますが、彼にとってはそれが死活問題だったわけです。 

 

 確かに考えてみると、今まで使っていた使い慣れた筆箱を直前の時期に変えるというのは抵抗感のある行為だったのでしょうし、わざわざ親からプレゼントされたら使わなければならないということも考えられますよね。 

 

■ルーティンを壊してしまうと精神的な負荷に 

 

 これは極端なエピソードですが、受験期に親御さんと子どもがけんかするパターンの1つが、この「ルーティンを壊してしまうこと」なのです。 

 

・大学受験の1カ月前から急に、「塾まで送り迎えしようか」と親が言ってきたけれど、「塾までの電車の時間でどんな勉強をするか」とかを決めていたから、正直ありがた迷惑だった。(東大法学部院生) 

・親が勝手に部屋をきれいにして「これで、部屋で勉強できるでしょ」と言われたこと。勉強場所くらい勝手に決めさせてくれよ、とうんざりした気分になった。(東大文三2年生) 

 どちらも、親の行為によって「家から塾まで電車で行くルーティン」「自分の部屋以外の場所で勉強するルーティン」を崩されて不快に感じたという意見ですね。受験生当人としては、1年以上も続けていて、ルーティンとして確立しているものも多いため、それを直前期に変えなければならないとなると精神的な負荷になってしまうこともあるわけです。 

 

 これらの行動が子どもにとってマイナスになってしまうもう1つの要因は、親からの善意であるという点にあります。 

 

 「塾まで送り迎えしようか」も「これで、部屋で勉強できるでしょ」も、完全に子どものことを思った善意100%の行為ですよね。それでも、それが子どもに対してプレッシャーを与えてしまうことがあるのです。 

 

 先ほどの筆箱の例でもそうでしたが、親が善意でしてくれることほど、子どもはそれを断ることが難しくなってしまいます。「送り迎えしようかって言ってもらったからには、お願いしないとだめかな」「部屋で勉強あんまりしたくないんだけどな」と内心思っていたとしても、筆箱でキレた例のように親に対してNOをぶつけられる受験生は少ないのです。 

 

 

 また受験の時期になって、これまであまり関わってこなかった親が「自分も何か手伝おうか」と受験に介入してくることもすごく多いです。よくあるのは、受験に関する面倒を見るのは母親の役割だったのに、受験期になって急に父親が「自分も弁当くらい作ろうか」「自分も送り迎えくらいできるぞ」と手伝おうとしてくるパターンです。 

 

 父親の気持ちは非常によく理解できます。家族が頑張っているのだから、自分も何か手伝ったほうがいいのではないかという感覚になるのは当然だといえます。 

 

 ただ大変心苦しいのですが、子どもからすると、そうやって父親が受験を手伝おうとすること自体に、自分のルーティンを壊されるような恐怖感を覚える場合があります。 

 

 1年前からずっと手伝っているというケースであれば、それはルーティンに組み込まれているでしょうから問題ないのですが、直前期になっていきなりとなると、子どもにとってはマイナスな感覚になってしまう場合も多いのです。 

 

■「口出ししない」が吉 

 

 「父親が受験に何も口出ししなかったのがよかった」と述べている受験生は案外多いです。「勉強に疲れたときに母親に話しかけるとどうしても受験の話題になってしまうけれど、父親となら受験に関係ない話ができるので、いい気晴らしになった」と言う東大生も多く、受験に介入しないというのも、親御さんの1つの役割といえるかもしれません。 

 

 いろいろお話ししてきましたが、親御さんには「子どもにとってのルーティン」を理解してあげて、それを尊重してあげることをおすすめします。 

 

・文房具はプレゼントしない 

・ルーティンが崩れてしまう行動は、善意100%でもマイナスになるので控える 

・受験期だからといって急に介入しない 

 こうしたことを意識すると、お子さんがのびのび受験に挑めるようになります。ぜひ意識してください。 

 

西岡 壱誠 :現役東大生・ドラゴン桜2編集担当 

 

 

 
 

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