( 239474 )  2024/12/26 03:27:37  
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羽田空港で発生した航空機衝突事故について、運輸安全委員会が25日に公表した経過報告において、海上保安庁(海保)機の機長が状況に追われる中で判断力が鈍った可能性が指摘されている。

元日航機長の土井氏は、急いで出発した海保機に関して「ハリーアップ症候群」が原因の可能性があると述べている。

一方、航空評論家の青木氏は、管制官も一定の責任があると指摘しており、再発防止策が示されるべきだとも話している。

運輸安全委が国土交通省の外局に位置づけられる日本のケースについても問題提起がなされている。

(要約)

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羽田空港で炎上する日本航空機=1月2日午後(松井英幸撮影) 

 

運輸安全委員会が25日に公表した羽田航空機衝突事故の経過報告について、パイロット経験者らは海保機の機長が時間的余裕がない状況で判断力が鈍る「ハリーアップ症候群」に陥った可能性を指摘する。 

 

海保機は機材変更などで出発時間が遅れた上、滑走路の途中から離陸する「インターセクション・デパーチャー」を行うなど離陸準備を急いでいた。元日航機長の土井厚氏は「原因はそれだけとはいえないが、世界の事故にはハリーアップ症候群が原因とみられる事例は多々ある」と話す。 

 

その上で土井氏はインターセクション・デパーチャーを決定した経緯が不透明と指摘し、「機長の確認があいまいなまま、副操縦士が管制に応答するなど手順に違和感もある。書き起こしでなく音声自体を聞けば、こうした疑問が解消するのではないか」と述べた。 

 

一方、航空評論家の青木謙知氏は「離陸順位1位と言われて進入の許可を得たと思ったのがおかしいが、海保機の動きを追えていない管制官にも責任がある」とする。 

 

米国の国家運輸安全委が独立組織なのに対し、日本の運輸安全委は国土交通省の外局に位置付けられる点を踏まえ、青木氏は「経過報告とはいえ、一定の再発防止策は示せたはず。海保機長も管制官も身内の職員だからか、歯切れが悪い印象も受ける」と話した。(市岡豊大) 

 

 

 
 

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