( 240784 )  2024/12/28 16:02:04  
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日本維新の会の吉村洋文代表が政局のキーマンであるとされる。

国民民主党が主張する「年収103万円の壁」の引き上げに対し、与党側が「123万円」を提案しており、両党の対立が生まれている。

吉村代表は「178万円」への引き上げを支持し、さらに教育無償化も推進する考えを示した。

一方で与党は、「117万円」提案を行った。

政局は維新と国民民主党の対立に重要な影響を受けている。

(要約)

( 240786 )  2024/12/28 16:02:04  
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FNNプライムオンライン 

 

政局のキーマンである日本維新の会の吉村洋文代表が関西テレビ「newsランナー」に生出演。 

 

多くの方が気になっている、注目の「年収103万円の壁」について、維新はどのような対応をとっていくのか、吉村代表に聞いた。 

 

国民民主党 玉木雄一郎代表(ことし10月・当時):国民の、皆さんの、あなたの手取りを増やす! 

 

今、世間から最も熱い注目を集めている政策「103万円の壁」の撤廃。 

 

現在、年収が103万円を超えれば、所得税がかかり始めるが、国民民主党はこれを「178万円」に引き上げることを訴え、ことし10月の衆議院選挙で議席を4倍に増やす躍進を遂げた。 

 

過半数割れした与党は、予算成立などで協力を得るためにこの政策を飲むかと思われたが、自民党・公明が打ち出したのは、「123万円」。 

 

国民民主党 玉木雄一郎衆院議員:「123万円」では全く足りない。予算案に賛成することはありえない」 

 

国民民主は反発し、協議は来年へ持ち越しとなった。 

 

いったいなぜ与党は強気なのか…。 その背景にいると指摘されているのが、日本維新の会だ。 

 

日本維新の会 前原誠司共同代表:教育無償化について、3党の会議体ができた 

 

自民、公明両党と日本維新の会が、所得制限のない高校授業料の無償化を「優先的に」議論することなどで、一致したのだ。 

 

 「103万円の壁撤廃」の国民民主党か、「教育無償化」の日本維新の会か、を与党が両天秤にかけているとも言われる今の状況。 本当に、道は2つに1つなのだろうか? 

 

「103万円の壁」が変われば、年間の手取りはどうなるのだろうか。 

 

国民民主党の玉木衆院議員のXから年収ごとにまとめてある表を引用した。 

 

これによると、例えば、年収500万円の人が与党案の123万円まで引き上がるとなれば、年間で1万円手取りがアップする。 

 

一方で、国民民主案の178万円まで引き上げることになれば、年間の手取りは13万2000円アップすることになるということだ。 

 

 

この議論について、日本維新の会の吉村洋文代表を直撃した。 

 

(Q.「103万円の壁」の引き上げについてどういうふうに考えている?) 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:僕、これは賛成です。大賛成。よく(この問題のニュースなどで)前原さんの写真が出てくるんですけど、前原さんと玉木さんがぶつかったことがあるので、よく出されるんですけど、僕自身は当然、日本維新の会の代表ですし、『103万円の壁』の突破して178万円、これは絶対やるべきだと思います。 

 

できると思いますよ。国の税収は2020年で60兆だったのが今、78兆の予算ですから。ということは、20兆円弱ぐらい国税で増えてるわけです。 

 

僕はそれに加えて、予算も大きくなってるので、歳出改革も一緒にやったらいいと思うんですけど、でもこれは僕、絶対やるべきだと思う。 

 

 (Q. 「103万円の壁」撤廃も、「教育無償化」も2つとも実現する?) 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:高校無償化は、ぜひ僕は本当にやりたい。本気なんです。大阪府知事として大阪府でやってますから。増税することなく、大阪の財政立て直して、改革で財源を生み出しててやってるので、大阪府民だけじゃなくて、全国やりたい。これはもう、偽りざる気持ちなんです 

 

与党は日本維新の会と国民民主党を「天秤にかけている」とも言われている。 

 

日本維新の会は、高校無償化を4月から始めることを条件に予算に賛成するとしている。 

 

これに必要な予算は6000億円。 

 

一方で、国民民主党が訴える年収の壁を178万円にした場合、税収が約7.8兆円が地方税も含めて減ってしまうことになる。 

 

与党とすると、政策実現のためにかかるお金を考えると、「維新と組む方がいいんじゃないか」という発想にもなるが、そのあたりは吉村代表としてはどう考えているのだろうか。 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:今の説明でちょっと間違いがあったので、訂正させていただきたいんですけど、「これをすれば予算に賛成する」とは言ってないし、そのつもりも特にないです。だから予算に賛成しますという話じゃない。もちろん心の底から実現したいです。だけれども、だから本予算に賛成しますかがイコールの話じゃないと思ってます。 

 

(Q.反対する可能性も?) 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:もちろんです 

 

 

「与党から天秤にかけられている」という表現について、吉村代表は「国民民主と維新が一緒にやったらいい」と訴える。 

 

(Q.国民民主と協力するつもりがある?) 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:ありますよ。なぜかメディアでは『ぶつかっている』とか、維新が予算に賛成するから、それで玉木さん・国民民主の『103万の壁』ができなくなっているという話に持って行くんですけど、僕は全然、違うと思ってます。一緒にやったらいいと思います。 

 

 (Q.なぜ今はできてないのか?) 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:僕は政治家で、コメンテーターじゃありませんし、評論家でもないです。だから政策は本気で実行したいと思ってます。政治の世界って、よくはしごが外れる場合が多いんです 

 

実は吉村代表、Xで「103万円の壁」問題を巡って、国民民主党側に対して「地獄の底まで本気で腹くくってやる、一緒に178万円目指してやろう、というなら協議しましょう」と発信している。 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:だから僕は、本気で腹くくってある意味、自民党とバーンと対峙して、最後までやるっていう覚悟。国民民主党から「178万円目指して、維新さん一緒にやりましょうよ」と言われたら、ここまで覚悟を持って玉木さんに言っていただけるんだったら、僕は一緒にやるべきだと思います。途中ではしごを外すのはなし。そうするとどちらも実現できなくなる可能性もある。中途半端な気持ちだったらやらない。 

 

「103万円の壁」の引き上げ額について、国民民主党は「178万円」と譲っていない。 

 

では維新としての落とし所はどうなるのか、聞いた。 

 

吉村代表が即座に答えたのは、“178万円”。国民民主と同じだ。 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:だまされてます。国に。皆さんが。178万できる。 

 

(Q.財源は7兆から8兆かかるが?) 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:でも税収20兆円増えてるんですよ、国税だけで。僕は歳出改革も一緒にやるべきだと思ってます。ここは玉木さんと考え方が違うかもしれません。でも僕は大阪でも歳出改革もやりながら、増税に頼らず財源を生み出すことをやってました。 

 

国の予算も10年ぐらい前まで9兆円でしたけど、今もう115兆円です。やっぱり国の予算の支出でおかしいとこがないか。そういうところもやるべきだと思うんです。だから歳出改革と一緒にやったら今、税収これだけ上がってるから、この7兆円とか8兆円ぐらいは、生み出せますよ。だからこれ本気でやったらいいと思う 

 

 

番組コメンテーターの京都大学大学院の藤井聡教授は「政治評論家などの間では、石破首相にも近いと言われる、前原誠司共同代表の影響で、天秤にかけられるような状況になるのでは、と危惧、懸念している人が多い」と指摘した。 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:日本維新の会の代表は私ですから。決定権は私にありますから、最後の判断は私がやります。もちろん国会での活動はできないんですけれども、でも前原さんもそれは分かってくださってますので。 

 

経験のある方なのでやっていただいてますけど、前原さんも選挙で選ばれた代表じゃないっていうのは分かっていらっしゃいますから。メディアが面白おかしく(かつて同じ党で対立していた)前原さんと玉木さん(の写真などイメージ)を掲げますが、日本維新の会の代表は私です。 

 

さらに、関西テレビの神崎博報道デスクは次のように指摘した。 

 

神崎報道デスク:自民や公明の立場からすると、過半数には十数人の議員の数が足りないだけです。過半数を取るために協力するのは維新か国民のどちらかでいいのです。自民党的な考え方で行くと。両方の協力を取り付ける必要は、全くないので、与党側から見ると、(教育無償化の)6000億なのか、(103万円の壁の)7.8兆なのか、というと、言葉が悪いのですが、お安く済む6000億の方だけ飲んで、なるべく維新を自分の近くに近づけたい。うまくいけば予算にも賛成してもらいたいという思惑があると思う 

 

こうした指摘もある中、吉村代表は「年収の壁」も「高校無償化」も実現するのであれば、国民と維新でがっちりタッグを組み、ここから政局を変えていくというスタンスなのか聞いてみると。 

 

日本維新の会 吉村洋文代表:もうこの改革については塊になるのはありだと思います。僕も高校無償化について一言言わせていただきたいのは、よく「お安く済む」とか言われるんですけど、本気でやりたいんですよ、これを。 

 

どんな家庭に生まれても、どんな家庭環境だったとしても、この学校、高校行きたいなと思えば、僕はその道が開けてる社会を作りたいと思ってる。 

 

だからこそ僕は、大阪で増税じゃなくて改革で財源を生み出して、財政立て直して実際やってるので。全国の子供たちの『自分の行きたい学校に行けるような社会に』という思いはあります。 

 

だから政局じゃないんです。ただ本気でやるんだったら、確かに一緒にやった方が難易度は上がると思います。それでも本気でやるなら、僕はやりますよ。賛成だから。 

 

 

 
 

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