( 240984 )  2024/12/29 02:55:47  
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兵庫県知事選で元県民局長のプライベートな情報が拡散され、選挙期間中に情報漏えい疑惑が浮上した。

元県民局長を告発した立花孝志氏が選挙参加し、選挙活動を展開。

また、支持者の中には立花氏のポスターを貼る行動も見られた。

しかし、立花氏のポスターには根拠のない内容が含まれており、物的証拠がないということが明らかになった。

そして、元局長のプライベートな情報の漏えいに、前総務部長が関与している疑いも浮上している。

(要約)

( 240986 )  2024/12/29 02:55:47  
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県職員のプライベートな情報が拡散された兵庫県知事選挙。取材で見えてきた2馬力選挙の実態と情報漏えい疑惑をめぐる新証言とは。 

 

■兵庫県知事選“2馬力選挙”の実態 

 

25日に開かれた兵庫県議会の百条委員会。斎藤元彦知事の再選後、最初で最後の証人尋問となった。 

 

焦点のひとつが公益通報のあり方だが、もうひとつの重要な問題となったのが、選挙期間中に告発者である元県民局長のプライベートな情報が拡散されたことだ。 

 

北上哲仁 県議 

「一連の調査の中で、県が保持した個人情報が漏えいしたということがあります。このことについては、いまも拡散が続いているということであります。刑事告発されるべきだと思いますが、いかがですか」 

 

 兵庫県 斎藤元彦 知事 

「文書の同一性を含めて弁護士など客観的に調査・確認をしてもらう必要がありますので、早急に第三者委員会の立ち上げに向けて準備をしているところです。そこでしっかりと調査をして適切に対応していきたいと考えています」 

 

選挙期間中、プライベートな情報を特に拡散したのが立花孝志氏だ。 

 

立花孝志 氏 

「今回、自殺された方がいらっしゃって、元県民局長、美化されている部分があると思います。斎藤は悪い奴だと思い込まされているのです」 

 

立花氏は兵庫県知事選に出馬するも自身の当選は目指さず、斎藤知事をサポートする選挙活動を展開した。 

 

立花氏を長年にわたり取材し続けている、選挙ウォッチャーちだい氏は、兵庫県知事選で「2馬力選挙」とも言うべき現場を目撃したという。 

 

選挙ウォッチャー ちだい氏 

「基本的には斎藤元彦知事がやった演説の後に、その同じ場所で、立花孝志氏は演説をしていました。これはね、聴衆を共有しているんです。 

 

だから斎藤元彦さんは、普通にそのやりたいこととか、実績とか、これからどうしていくっていうキラキラしたプラスのポジティブなことだけを言うんです。 

 

その後に立花孝志がやってきて、同じ人たちに、スキャンダラスな話を言っていく。そういう意味では、2馬力選挙なんです」 

 

 

2馬力選挙については12月3日、村上総務大臣が「公選法違反の恐れがある」と懸念を示した。 

 

村上誠一郎 総務大臣 

「一般論で申し上げますと、選挙運動は公職選挙法で認められている範囲内で行われる必要があり、公職の候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合には、その態様によっては、公職選挙法上の数量制限などに違反する恐れがあると考えています」 

 

■「斎藤支持者にとって県民局長は悪」支援者の証言 

 

『チームさいとう』と名づけられた、斎藤知事の支持者があつまるチャットに参加していた女性。知事選における二馬力選挙の実態を証言する。  

 

『チームさいとう』に参加していた女性 

「斎藤支持者にとって県民局長は悪なんですよ、敵なんですよね。県民局長の告発によって、斎藤さんははめられた、知事をやめさせられることになった。その県民局長のことを悪しざまに言ってくれる立花さんは斎藤支持者にとっては、援軍なわけですよ。 

 

立花さんが真実を話してくれた、立花さんを応援することによって、本当は斎藤さんは正しかったということを兵庫県民に知らせる、知らしめる」 

 

一部の斉藤支持者がとった方法は、立花氏のポスターを貼ることだった。 

 

『チームさいとう』に参加していた女性 

「斎藤さんの街宣場所にいれば、立花候補がその場所に来て、立花候補のポスターをもらえるということは、このグループチャット内でみんな知ってたんです。 

 

だったら立花さんのポスターを貼るお手伝いをしましょうみたいな。そういった議論がなされて、かなりのメンバーが(ポスター貼りを)していました」 

 

チャットの履歴にも… 

 

『立花さんのを貼りまくります!』 

『立花孝志様ポスター貼付、下記を達成』 

『立花さんが準備くださった1枠を無駄にできません』 

 

選挙戦中盤には、立花氏が選挙ポスターの第二弾を発表。「元県民局長 自殺の真相」と題し、内容もさらに過激になった。 

 

その頃『チームさいとう』のチャットでは、こんな投稿が… 

 

『第二弾は明日から配られるそうです』 

『来られない方は、NHK党のポスター関係者へ下記の情報お送りいただければ、ご郵送いたします』 

『第一弾以上に盛り上げていこうじゃありませんか?』 

 

 

この投稿をみて、ポスターについて立花氏側に問い合わせた男性は… 

 

『チームさいとう』に参加していた男性 

「今回立花さんが来ていただいて助かっているのでポスターを貼らせて下さいと、自分の名前・電話番号・住所を送りました」 

 

すると立花氏の事務所から返信があり、二日後、自宅にポスターが届いたという。 

 

『チームさいとう』に参加していた男性 

「僕は10枚貰いました。9枚貼って、1枚は友人が欲しいというので残している」 

 

――斎藤候補の支持者として、『チームさいとう』というチャットに入られていたわけですけれども、どういう気持ちでこれを張っていたんですか? 

 

『チームさいとう』に参加していた男性 

「本当のことを真相を知ってもらえれば、稲村さんではなく斎藤さんに入れることになるという予想がつくというか。正直、僕らが何とかしないといけない、という気持ちが強かったですね。斎藤さんがダメになってしまったら、兵庫県がダメになってしまう。それで正しい情報を拡散して、斎藤さんを当選させようっていうところですね」 

 

■「物的証拠はない」拡散された元県民局長の“ウワサ話” 

 

しかし、ポスターの中身は、根拠のないものだった。 

 

元県民局長が10名以上の県職員と不適切な関係を結んでおり、不同意性交等罪が発覚することを恐れて自殺したと思われる、という文言。 

 

知事選のあと、ちだい氏が問いただしたところ、立花氏はこう答えた。 

 

――物的証拠がある? 

立花孝志氏「物的証拠っていうのはなんや」 

 

――なんかパソコン上に証拠があることを目視してるとか 

立花孝志氏「目視はしてない。複数の人から聞いているって」 

 

――だから聞いた話があるってことですね 

立花孝志氏「そうそう。複数の人から聞いたと」 

 

――複数の人から聞いたということですね 

立花孝志氏「はい」 

 

――それが証拠だってことですね 

立花孝志氏「もちろん、はい」 

 

選挙ウォッチャー ちだい氏 

「『どういう証拠なんですか』っていう押し問答というか、やっていくと、最終的には聞いただけだったっていう話なんです。だから、物的な何か証拠があるわけではなくて、ただ聞いた話をそのまま言っちゃった。だからほとんど噂話なんですね」 

 

 

さらに追及すると、立花氏は話を大きくしたと言い出した。 

 

立花孝志氏 

「そこを尾びれ背びれつけたって言ってるやん。でもゼロのものを10って言ったらあかんけど、3のものを10って言っても、それは犯罪にならないと思う。それは今まさに流行の盛っただけ。その盛ったことが嘘やって言うんだったら、それはしゃあないよね」 

 

選挙ウォッチャー ちだい氏 

「事実かどうかもわからないものを、『そんなに?』ってなるように大きく話をして、それで伝えていたということを認めてるんです。これを堂々とまかり通らせて、そして支持者たちもそれに納得している」 

 

ポスターを貼っていた斎藤支持者の男性は。 

 

――不同意性交罪って文言が何度も出てきます 

 

『チームさいとう』に参加していた男性 

「これはただ単にそのインパクトを狙っただけだ、と僕は感じてましたけど。要はこういった方がみんな目を引きやすいだろうっていう。 

 

で、実際いま、違ったっていうふうに言われてると思うんですよね。不純異性…不同意性交等罪ではなかったですよね、って今言われていますけど」 

 

――そこの事実関係はどうでもいい? 

「えーっと、いまになっては、ですね」 

 

■元局長のプライベートな情報の漏えい 前総務部長が関与か 

 

そもそも誹謗中傷が広がる発端となった元局長のプライベートな情報は、斎藤知事が命じた告発者探しの過程ででてきたものだ。 

 

25日の百条委員会で、この対応が適切だったのか問われた斎藤知事はこれまでの主張を繰り返した。 

 

斎藤知事 

「真実相当性を満たす供述証拠、それから噂話を集めたものではないというところが欠けてましたので、外部通報としての保護要件には当たらないというのが私の認識です」 

 

さらに、こんなやりとりも… 

 

増山誠 県議 

「誹謗中傷文書の流布した者が、何らかの文書を内部公益通報を行った旨発表すれば、永遠に処分されないという事態を招きかねないというふうに思っております。この認識についてどういうふうに思われますか」 

 

 

 
 

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