( 241394 )  2024/12/29 18:22:19  
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兵庫県議会の百条委員会で斎藤元彦知事の疑惑告発文書問題に関して、片山安孝前副知事が証人尋問に臨んだ。

斎藤知事よりも攻撃的な姿勢を見せた片山氏は、「情報漏えい」について怒りを露わにし、委員会内の疑惑についても議員の名前を挙げて明かした。

片山氏は内部調査を主導し、疑惑が疑惑を呼んでいると述べながら、委員会での不正を訴え、調査を求めた。

片山氏と斎藤氏の間で委員会の雰囲気が変わり、再選されながらも批判が続く斎藤氏に対して、片山氏は民意を振り返りながら疑問を投げかけた。

(要約)

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兵庫県議会の百条委員会の証人尋問に出席した片山安孝前副知事(撮影・松浦隆司) 

 

 斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で、県議会調査特別委員会(百条委員会)の斎藤氏と片山安孝前副知事への最終の証人尋問が行われました。失職後の知事選で再選されてから初めての証人尋問。正当性を譲らない強気な姿勢を見せた斎藤氏でしたが、斎藤氏以上に攻勢を強めたのは最側近だった片山氏でした。 

 

 片山氏の尋問は異例のスタートでした。「守秘義務が必要な委員会の情報が流れて、私にプレッシャーを与えている」と憤慨し、“情報漏えい”に「委員長に対して異議を申し上げたい」とまくしたてました。 

 

 その後、片山氏が以前に委員会に異議を申し立てた「委員会の一部議員が告発文に関与している疑惑」について、意見を求められると、「大変、申し訳ないが」と背中をイスの背にもたせかけ、「私はこの場に疑惑があるから出てきている。委員さんの中には、疑惑を持たれている方もいます」と議員の名前を次々と挙げ、“疑惑”を明かしました。 

 

 片山氏は3月、告発した前県西播磨県民局長の男性職員を事情聴取し、男性は片山氏の聴取を含む内部調査の結果、停職処分を受け、7月に死亡。片山氏は男性の公用パソコンを回収するなど、県の内部調査を主導する役割を担いました。 

 

 疑惑には疑惑-。片山氏は「申し訳ない」としつつも、「私が疑惑を言われているから疑惑を言わせていただいている」と話し、右手を自らの胸に当て「疑惑」に続けて、疑惑を持たれているとする議員に右手をターンさせ「疑惑」と早口でまくしたてました。 

 

 

 

 「疑惑がある方は委員会では5人。委員会以外の方で5人。全部で10人」とぴしゃりと言い放ち、「調査をしてもらわなければいけないのではないか」と強弁しました。 

 

 斎藤氏の再選前と後では百条委の景色が変わりました。 

 

 斎藤氏が再選されたにもかかわらず、批判が収まらないことについて、片山氏は「2回も民意が示されているのに批判的なのはいかがなものか」と投げつけるように言いました。職員アンケートでは「斎藤氏のパワハラを見聞きした」とする回答が約42%に上ったことが分かっていますが、アンケートに自由記述された叱責(しっせき)場面には伝聞情報もあったため、片山氏は調査のあり方について「伝聞を優先するのか」と語気を荒らげました。 

 

 民意を受けて再選した斎藤氏への追及は、以前と比べて、「遠慮」があったようにも見えました。 

 

 百条委での最後の尋問で猛反撃した片山氏と強気を見せた斎藤氏。知事を支える副知事は、疑惑告発文書問題で県政混乱の責任を取るとして、片山氏が7月に辞職して以来、1人体制のままです。再選後の初議会では、斎藤氏自ら「2人(体制)が望ましい」としましたが、いまだ未定です。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」) 

 

 

 
 

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