( 244054 )  2025/01/04 04:55:14  
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2024年12月20日、内閣府が世論調査結果を発表。

政府への要望では、社会保障の整備が64.6%で上昇傾向。

老後不安を抱える人も多く、公的年金の受給額についても関心が高まっている。

国民年金と厚生年金の仕組みや平均受給額についても説明。

具体的な年金額をシミュレーションし、老後の収支を考えることが重要とされている。

(要約)

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chaponta/shutterstock.com 

 

2024年12月20日、内閣府は「国民生活に関する世論調査」(令和6年8月調査)を公表しました。 

 

この中で、政府に対する要望を聞いた問において、「医療・年金などの社会保障の整備」と答えた割合が64.6%となっています。 

 

前年の割合が62.8%であることから、上昇していることがわかります。 

 

多くの人が「老後不安」を抱える現代ですが、今のシニアは厚生年金と国民年金を平均でいくら受給しているのでしょうか。 

 

年金制度や受給額について、改めて考えていきましょう。 

 

※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。 

 

まずは、日本の公的年金の仕組みを押えておきましょう。 

 

公的年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」から成り立っています。 

 

●国民年金とは 

日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務があるのが、1階部分に位置する国民年金です。 

 

 ・第1号被保険者:自営業や無職など 

 ・第2号被保険者:公務員や会社員など 

 ・第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者 

上記のように3種類にわかれ、このうち第1号被保険者は国民年金保険料を支払います。 

 

保険料は誰でも一律なので、未納期間や免除期間が無い限り、将来の年金額に大きな差がつくことはありません。 

 

支給される年金には、老齢基礎年金、遺族基礎年金、障害基礎年金があります。 

 

●厚生年金保険とは 

国民年金加入者のうち、第2号被保険者は2階部分である厚生年金にも加入します。 

 

 ・第1号厚生年金被保険者:民間の事業所に使用される者 

 ・第2号厚生年金被保険者:国家公務員共済の加入者 

 ・第3号厚生年金被保険者:地方公務員共済の加入者 

 ・第4号厚生年金被保険者:私立学校共済の加入者 

保険料は報酬に基づいて決定されるため、個人差が大きいです。そのため、年金額も個人差が大きいという点を押えておきましょう。 

 

支給される年金には、老齢厚生年金、遺族厚生年金、障害厚生年金があります。 

 

 

2024年12月20日、内閣府は「国民生活に関する世論調査」(令和6年8月調査)を公表しました。 

 

この中で、政府に対する要望を聞いた問において、「医療・年金などの社会保障の整備」と答えた割合が64.6%となっています。 

 

老後不安を抱える人は少なくないとうかがえます。 

 

実際、悩みや不安の内容を問う項目では「老後の生活設計について」と答えた人が62.8%となっています。 

 

公的な年金は、どれほど受け取れるものなのでしょうか。 

 

ここでは「老齢年金」に着目して、実際に受給されているシニアの平均月額を見ていきます。 

 

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、今のシニアが受給する年金の平均額を見ていきましょう。 

 

●国民年金の平均月額 

 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 

 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 

 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 

国民年金の平均月額は5万円台で、男女差は大きくないようです。 

 

ただし、未納期間や免除期間がある方はその分金額が少なくなるので注意しましょう。 

 

●厚生年金の平均月額 

 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 

 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 

 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 

※国民年金部分を含む 

 

男女の差は約6万円となっていますね。 

 

これは女性の方が男性に比べて賃金が低いこと、育児や介護などライフイベントで働き方が変わりやすいことなどが理由として考えられます。 

 

前述のとおり、実際の厚生年金額には大きな個人差があるものです。 

 

例えば、厚生労働省が運営する「公的年金シミュレーター」などを活用すると、働き方ごとに年金額がシミュレーションできます。 

 

例えば、年収400万円の人の例で将来の年金額をシミュレーションしてみます。 

 

●会社員として年収400万円で働き続けた場合 

 ・1974年生まれ 

 ・20歳~21歳まで国民年金に加入 

 ・22歳~59歳まで厚生年金に加入(年収400万円) 

 ・65歳から受け取り開始 

上記の条件にてシミュレーションしたところ、年金年額の見込みは約158万円となりました。 

 

※国民年金も含まれます。 

 

月額にすると約13万円となります。 

 

もし年金が少ないと感じる場合は、(1)貯蓄を増やす(2)年金を増やす(3)働き続ける などの対策が必要ですね。(2)の年金を増やすことを考えるのであれば、年収の上昇が重要です。 

 

例えば22歳~40歳は年収400万円、41歳~59歳は年収600万円として年金をシミュレーションしてみましょう。 

 

●年収400万円が年収600万円にアップした場合 

 ・1974年生まれ 

 ・20歳~21歳まで国民年金に加入 

 ・22歳~40歳まで厚生年金に加入(年収400万円) 

 ・41歳~59歳まで厚生年金に加入(年収600万円) 

 ・65歳から受け取り開始 

上記の条件にてシミュレーションしたところ、年額の見込みは約179万円となりました。 

 

月額約14万8000円まで増加しました。 

 

どれほどの年金があれば老後を過ごせるのかについては、個人の状況によって異なります。シミュレーションを活用しながら、老後の収支を考えてみましょう。 

 

 

年金や社会保障に対する不安を抱える人は多いです。 

 

一方で、どれほどの人が具体的な年金額をシミュレーションできているのでしょうか。 

 

わかってはいるけど時間がない…という方は、冬休みの時間を利用してみてはいかがでしょうか。 

 

明確な数字が出ることで、漠然とした不安からモチベーションに転換できる可能性もあります。 

 

年金について深く知ってから、老後について考えてみましょう。 

 

 ・厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 

 ・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」 

 ・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」 

 ・厚生労働省「公的年金シミュレーター」 

 ・内閣府「国民生活に関する世論調査」 

 

太田 彩子 

 

 

 
 

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