( 245049 )  2025/01/06 04:43:53  
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2024年は大きな波乱の年となった。

ウォーレン・バフェット氏が株を売却し、世界中のトップ投資家たちが手仕舞いをしている。

商業不動産も価格が下落し、新たな不動産取引は減少している。

トランプ氏の率いるアメリカ政権には不確実性があり、日本も影響を受ける可能性がある。

不動産業界だけでなく、建設業や家具メーカーなども需要が減少している。

2025年も世界経済は不安定なままであり、リスクを伴う投資は避けるべきだと指摘されている。

(要約)

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(c) Adobe Stock 

 

「資本主義のパーティが終わる」。不朽の名著『ユダヤ人大富豪の教え』著者の作家、本田健氏は昨年冒頭「2024年はめちゃくちゃな年になる」と予言した。そしてその通り、大波乱の1年となってしまった。そして2025年もまだまだ大波乱が起きるという。本田氏は「すでに世界中のトップ投資家たちは手仕舞いしている」と指摘している。世界経済の崩壊はもうすぐそこだ。その時われわれはどうやって生活を守ればいいのか、どうやって幸せを掴めばいいのか。みんかぶプレミアム特集「スーパー投資家の教え」第5回は本田氏が世界経済を解説するーー。 

 

――本田さんは2024年冒頭、みんかぶマガジンの取材に「2024年は大変な年になる」とおっしゃっていました。株価だけを見ても、日経平均が過去最高を更新した一方で8月に過去最大の下げ幅が出るなどたしかに波乱の一年でした。 

 

 8月に日経平均が一時的落ちたのは事実ですが、僕の中では「本当の意味での暴落」はまだ起きていません。少なくともドナルド・トランプ次期米国大統領の就任式までは、今の状態が続くと思います。それ以降は、これまでだましだましやってきたことが、一気に進むと思っています。 

 

 例えば投資の神様であるウォーレン・バフェット氏が今なぜ株を売却しているのか。今、投資家のトップたちは一旦「手仕舞い」をしています。アフターコロナバブルはもう終わりかけています。大局的にずっと右肩上がりと考えないことは常識です。昨年はなんだかんだ大きく株価を上げた年です。やっぱりある程度「高み」にきたのではないかと危惧しています。 

 

 今の状態で株をするのはかなりのリスクが伴います。例えばロスカットできる技術があればいいのですが、ほとんどの人たちは株価が崩壊した時にすぐ売ってしまいます。あるネットインフルエンサーも8月の大暴落ですぐに売ってしまい話題になりました。もしあそこでホールドしていればそこまで大変になりませんでした。仮想通貨も下がった時から放置していれば、今頃には大きく利益が出ているはずです。 

 

 商業不動産も相当落ち込んでいます。私も先日はアメリカのダラスやフェニックスに行って現地を見てきましたが、値段が3割落ちているものもあります。これは世界中の都市で起きています。金利が上がったというのもあるのですが、今「新しく不動産を買う」という人が世界中でほとんどいません。 

 

 

 不動産とは「値段が上がる」という確証がある時に買われます。「もう値段が上がらないかも」となった途端、急に誰も買わなくなるのです。だから誰も買わなくなった時点で資本主義のパーティーは終わるのです。たった1週間や2週間で、この世界の経済が一気に崩れる可能性が今あります。 

 

 だからこそお金のIQやEQが低い人は今年、投資をすることはおすすめしません。 

 

――トランプ次期大統領の就任後、トランプ氏はどんなことをするのでしょうか。 

 

 トランプさんって、何を言い出すかわからない人ですよね。何するかわからない人は、資本主義にとっては困る人です。ジョー・バイデン現大統領は失言が多かったですが、めちゃくちゃなことはしなかったですよね。 

 

 ところが、トランプさんはすでに中国からのほぼすべての輸入品に追加で10%、カナダやメキシコについては全ての輸入品に25%の追加関税を課すとしています。トランプさんはカナダのジャスティン・トルドー首相を「州知事」と呼びながら「カナダが米国の51番目の州となるのが良い」と強烈な皮肉を込めた発言をし、話題を呼びました。 

 

 今現在、日本はアメリカにとって優先度が低いのであまり話題にはのぼってきていません。しかし、ちょっと何かあったら矛先が日本に向かう可能性は十分にあります。例えば「関税をかけてほしくなければ、在米アメリカ軍の経費は日本で持ってね」とか。何かしらのディールを仕掛けてくることでしょう。 

 

 常識では「そんなことはあり得ないだろう」と思うことが、これからドンドン出てくるのではないでしょうか。 

 

――不動産業界の雲行きの怪しさ以外に、危なさそうな業界はありますか  

 

 例えば新規の案件が止まっているので、デベロッパーは急速に仕事が減っています。商業ビルを建てるという需要が世界的に下がっています。そうなると鉄鋼の需要も下がります。 

 

 コンクリートや建設機器も下がり、そしてそういったものに対する投資も減ることになります。家具メーカーも、内装業者も全て需要が吹き飛ぶ可能性があります。 

 

 

 これは新しい時代の幕開けとなります。私たちはそこから再びスタートすることが求められているのです 

 

 世界的には戦争が起きたり、混乱に陥ったりしている国もすでにいますが、そういう意味で日本はいい意味でも悪い意味でも遅れています。海外にいればなんとなくこれから起きることが予感できても、社会的な大混乱があるわけでもない日本ではなかなかその感覚はつかめません。 

 

 しかし日本がイスラエルとアラブの間にはさまれて、「イスラエルの味方は、敵だ!」と日本のタンカーにミサイルを撃ち込まれるかもしれません。そんなことが起きれば日経平均は大暴落するでしょう。他にも「台湾有事が起きた際には、アメリカは軍を出さない」みたいなことをトランプさんは平気で言うかもしれない。そうしたら日本はパニックに陥るでしょう。 

 

 トランプさんの発言はブラフかもしれません。しかしブラフでもトランプさんの一言で株価はドンっと下がる可能性が十分ある。そのたった一言やひとつの事件で世界大恐慌を引き起こすかもしれない。たったひとつの銀行が倒産することで連鎖倒産が起きるかもしれない。 

 

 ここから何が起きても本当におかしくないのです。2024年12月19日にはNY株式市場でダウ平均株価が1100ドル以上急落、50年ぶりに10営業日続落となりました。こんなネガティブなことばかり言いたくはありませんが、いつ経済が崩壊してもおかしくない状況です。今のうちにできることから、ちゃんと準備しておいたほうがいいでしょう。 

 

本田健 

 

 

 
 

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