( 245664 )  2025/01/07 14:24:25  
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AIクリエーターの関口舞さんは、就活中にセクハラ被害に遭ったことを明かした。

面接官だった男性役員に連れ出され、性的な話をされるなどの不適切な行為に遭ったが、その後不採用のメールが届いた。

関口さんは当時誰に相談することもできず、セクハラが起きる状況にあったと振り返る。

また、別の会社でもセクハラに遭遇し、SNSでの告発が拒絶されるなど、不満を抱えていることを語った。

セクハラ被害をなくすためには、意識改善だけでなく、制度や仕組みによる対策が必要との指摘もある。

厚生労働省も企業に就活セクハラ防止の義務付けを目指しており、実効的な対策が求められている。

(要約)

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AIクリエーターの関口舞さん 

 

「選考を受けていた会社の役員に『面接の練習をする』とホテルの部屋に連れて行かれそうになった」 

 

 それは当時就職活動をしていた関口さんが第一志望の会社で面接を受けた後のこと。面接官でもあった男性役員から連絡があったという。 

 

「『君の面接はすごく良かった。次は“ほぼ最終”みたいなもの。ぜひ通ってほしいからちょっと話そう』と言われたが、提示されたのは夜の日程だけ。場所はカフェかと思ったらホテル高層階のバーだった。面接の相談なので酔っ払うのも不適切かなと思いアイスコーヒーを頼もうとしたが『こういう時にお酒を飲まないのは失礼だ』と怒られた」(AIクリエーターの関口舞さん、以下同) 

 

 面接官に促され、お酒を飲むことになったが、話はよからぬ方向へ。 

 

「性的な話をしてきて、明らかに仕事ではないと早い段階で気づいたが『面接の練習をする。機密情報だから部屋に行こう』と言われた。腕などを強く引っ張られ『行くぞ』と力ずくで引かれたので『本当にやめてください』と私は泣いてしまった。そして『この度はありがとうございました。失礼しました』と帰った」 

 

 間一髪のところで難を逃れたが、次の日には不採用のメールが届いたそうだ。 

 

 当時について関口さんは「『面接のアドバイスする』と面接官だった役員に誘われたため断るという選択肢はなかった。まさかセクハラされるとは思わなかった。その場では『いかにこの人の気分を害さず逃げるか』しか考えられなかった」と振り返った。 

 

就活ハラスメントで一番多いのはセクハラ 

 

 関口さんの「就活セクハラ」の被害はこれだけではない。 

 

 志望するある大手企業のFacebookの就活ページに“いいね”を押したところ、「あなたに興味がある」と社員からメッセージが届く。人事担当からのメッセージと思ったが… 

 

「嬉しかったが面談の候補日程が夜だけだった。違和感があったのでなんとなく置いておくと、その方の“共通の友人欄”に私と同世代の就活生の女性が7人ほど増えたことに気がついた。たまたまその中に仲が良い子がいたので連絡したところ、その子は既に会ってセクハラをされ、挙句の果てに『俺には人事権がある』などと言われたことが分かった」 

 

 なぜこんな不条理なことが起きてしまうのか?  

 

 関口さんは「さぞかし楽しかったのだろうな」と振り返る。 

 

「“無料キャバクラ”ではないが、本来一回り二回り年下の女性と2人きりで会い、お酒を飲みながら話を聞いて褒めてもらうことは“そういうお店”で行うようなことだ。もちろん、自由恋愛でそうなっているのであれば問題ないが…。キラキラした目で『すごいですね!』『学生時代ってどんなことされたんですか?』などと言われた相手にはおそらく“権力の上下関係”があるという自覚が足りておらず、向こうの認識としては『せっかくいい感じになった姉ちゃんにフラれちゃった』程度なのでは」 

 

 当時、誰かに相談することはできなかったのだろうか? 

 

 関口さんは「全然できなかった。まず選考が進んでいる会社に伝えることはあり得なかったし、学校も思いつかなかった。とにかく不利になりたくなかった。バーで飲んだ役員は『自分には横の繋がりが多い』と話しており、気分を害したり、事を大きくしたら他社も軒並みに落ちるのでは、と思った。また、周囲に話した時も『私はそんなすごい人に誘われたことがないから羨ましい』などと言われてしまった。どうやら“自慢”と受け取られたようだ」と話した。 

 

 さらに関口さんは別会社に内定が決まった後にも“無理解”に遭遇する。 

 

「『後輩たちに気を付けてほしい』という思いから、かなりオブラートに包んでSNSに書いたが『そんな会社を受けるのはやめなさい』『行かなければいい』という声が寄せられた。だが、セクハラ社員が1人もいない会社を見つけることは難しく、そもそもなぜ被害に遭った側が諦めないといけないのか? それは、いじめに遭った人が学校に行くなと言われることに近いのでは。さらに別の会社で人事をしている女性から『イヤなら警察に通報すればいい』と言われたことも。他にも『結局自分が得できると思って行ったんでしょ?』という声も。だが、面接官を務めた役員の誘いをどうやって断ればよかったのか」 

 

 

The HEADLINE編集長 石田健氏 

 

 就活生が声を上げにくい状況にある中、セクハラをなくす方法はあるのか? 

 

 The HEADLINE編集長 石田健氏は「被害者を『そんな服を着ていたから』『あなたが誘ったのでは?』『どうしてイヤと言わなかった?』などと責める“レイプ神話”がまだ根強いようだ。こういった被害をなくすには“一人ひとりの意識改善”だけではなく、制度や仕組みによって問題に向き合うべきだ」と指摘した。 

 

 政府も対策を講じていないわけではない。 

 

 厚生労働省は「就活セクハラ」を防止するよう企業に義務付けるため、今年の通常国会で関連法改正案の提出を目指している。 

 

 厚労省の動きについて石田氏は「このような国の動きは企業に対するメッセージになるためポジティブなもの。ただ、あくまでも“方向性の提示”に過ぎないため、実際に実効的な対策をとっていくべきは企業だ。例えば、OBOG訪問に関するレギュレーションやガイドラインを作る、あるいは就活生に限らず年下の社員とは必ず社内で会うなど、具体的で細かいルール作る必要がある」と述べた。 

 

 関口さんは石田氏に賛成しつつ「もし相談窓口を設けても学生は内定がほしいためになかなか言えない。そのため、私は『自社を受けている、志望している学生との夜の会食禁止』を設けるべきだと思う。もちろん、インターンとの打ち上げなど会社の公式イベントなどは行えばいい」と提言した。 

 

(『ABEMAヒルズ』より) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

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