( 246086 ) 2025/01/08 06:02:37 0 00 Astronaut Images/istockphoto.com
「資産1億円の富裕層」と聞くとどのような方をイメージされますか。
プロスポーツ選手や売れっ子芸能人、医者、家が先祖代々のお金持ちなど、一般的な家庭とはかけ離れているケースが多く、自分の周りにはなかなかいないと考える方も多いのではないかと思います。
プロスポーツ界に目を向けると、今年ロサンゼルスドジャースに移籍した大谷翔平選手は、今年度の総収入が約100億円と言われており、日本中が驚いたことは記憶に新しいですね。
確かに遠くを見渡せばキリがないのですが、実はあなたの身近な人の中にも資産1億円を超える富裕層がいるかもしれません。
また、ここ最近、日本において富裕層が増えていると言われています。資産1億円超の世帯は全体で何パーセントいるのかと共に確認していきたいと思います。
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出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
野村総合研究所は、2021年の日本における純金融資産保有額の「世帯数」と「資産規模」を各種統計などから推計しています。このデータから、日本にどれくらいの富裕層がいるのか見ていきましょう。
●純金融資産5億円以上は「超富裕層」 同リリースでは、富裕層を純金融資産の保有額別に2つに分類。純金融資産が5億円以上ある世帯を「超富裕層」、1億円以上5億円未満の世帯は「富裕層」となっています。
日本の「富裕層」と「超富裕層」の世帯数を合わせると、148万5000世帯に。割合としては、全世帯の約2.7%となります。
次では、富裕層たちを含む、保有資産規模別の世帯数を見ていきましょう。
●【保有資産規模別】超富裕層~マス層までの「世帯数・合計資産額」 ・超富裕層(5億円以上):「9万世帯」合計:105兆円 ・富裕層(1億円以上5億円未満):「139万5000世帯」合計:259兆円 ・準富裕層(5000万円以上1億円未満):「325万4000世帯」合計:258兆円 ・アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):「726万3000世帯」合計:332兆円 ・マス層(3000万円未満):「4213万2000世帯」合計:678兆円 「富裕層」と「超富裕層」の合計世帯数は、調査開始以来最高だった前回調査(2019年)の132万7000世帯を、さらに15万8000世帯上回る結果になりました。
ここからは、Mastercard最上位カードとなる「ラグジュアリーカード」の利用動向を読み解いた「2023年 新富裕層の消費動向」を見ていきます。富裕層はどのようなものにお金を使っているのでしょうか。
●「ラグジュアリーカード」利用データ調査 ・調査対象期間:2023年1月1日~2023年12月31日 ・調査対象:期間中のラグジュアリーカード(チタンカード、ブラックカード、ゴールドカード、ブラックダイヤモンド)会員※人数非公開 まずは、2023年において利用金額が多かった「カテゴリーTOP10」を確認しましょう。
2023年 カード利用金額が多い加盟店カテゴリー TOP10
富裕層がラグジュアリーカードを使い、もっとも多くのお金を費やしたカテゴリーは「レストラン・飲食店」でした。2位は「バー・ナイトクラブ」となっており、外食費が上位を占めていますね。
また、2022年はランキング外だった「広告費」が、5位にランクイン。ビジネス関連の支出が増加していることがわかります。
カード利用金額比較|2022年と2023年
ラグジュアリーカードの利用額の伸び率が、前年の4倍以上となっているのは「広告・マーケティング費」です。
また、ゲーム・コミック・エンタメなどの娯楽だけでなく、スポーツジムにかける費用も増加しており、ビジネスだけでなく健康やライフスタイルを充実させるためにもお金を使っていることが見て取れます。
ここまで、富裕層がラグジュアリーカードを使い、どのようなことにお金を使っているのか見てきました。
次は、「直近1年間でどんな高額なものを買ったのか」ラグジュアリーカードのデータをもとに確認していきましょう。
●「ラグジュアリーカード会員」 ライフスタイルに関する調査 ・調査名 :「ラグジュアリーカード会員 ライフスタイルに関する調査」 ・調査期間:2024年2月21日~2月26日 ・調査方法:インターネット調査 ・対象者 :ラグジュアリーカード会員のうち世帯年収2000万円以上の方 ・調査人数:342名 富裕層が直近1年で買ったもっとも高いものは「不動産(15億円)」という回答でした。以下、2位「一棟マンション(7億円)」、3位「マンション(6億円)」、5位「ドバイの不動産(3億円)」など、上位には不動産が並んでいます。
また、項目として多かったものは以下のとおりです。
・自家用車(23.7%) ・時計(14%) ・不動産(5%) 種類や市場の動向にもよりますが、高級時計や自家用車、不動産などは、どれも再販価値が期待できるでしょう。富裕層が「資産価値」を重視している傾向が見えますね。
では、こうした富裕層の、日ごろの消費行動の傾向についても、考えてみましょう。
それぞれの価値観にもとづき「どこにお金をかけるのか」が異なりますが、なかには質素な暮らしをしながら「メリハリのあるお金の使い方」をする富裕層もいるようです。
ファイナンシャルアドバイザーとして、個人向け資産運用のサポート業務に従事している筆者の経験をもとに「富裕層の特徴」を紹介します。
●「着るモノ」の倹約 「メリハリのあるお金の使い方」をする富裕層の特徴として、「着るモノ」に関する倹約があります。
ビジネスシーンやフォーマルなシーンでは、高価なブランド服を身に着ける方もいらっしゃいますが、普段の生活ではファストファッションで過ごされる方も多いです。
お金を持っていることを周囲に悟られないように、あえてシンプルな服装で過ごす方もいらっしゃいました。
●「日常的な買い物」の倹約 富裕層の方はお金がたくさんあるから、なんでも好きなだけ買っているというわけではないようです。お金がある方ほど、どこで買ったらお得なのか、いつだと安く買えるのかなどしっかりと把握されている印象でした。
富裕層の方は自身でビジネスをされている方も多く、日常での買い物に対してもビジネススキルを発揮している方が多かったです。
●「諸会費」の倹約 富裕層の方は、日常の固定支出に対し「何にいくらかかっている」としっかり把握されている傾向にあります。
たとえば、月々の会費をもとに年間でいくら支出があるのか確認したり、家計においても経営的な目線で「経費を削減できないか」と考えている方も多かったです。
お金を湯水のように使うのではなく、必要なところに必要なだけ使う姿勢を持つことでお金持ちになれたという方もいるでしょう。
日本において、資産が1億円を超える富裕層は全体の約2%を占めています。意外と身近な人の中に富裕層の方がいるのかもしれませんね。
誰もが平等に富裕層になれるチャンスがあるのかというと、正直なところそうではないと言えるでしょう。
しかし、富裕層の方が日ごろから実践していることや考えていることを意識することで、自身にも良い影響が起こるかもしれません。
特にお金の使い方には参考になる点は多いでしょう。お金をかけるべきところは惜しみなく使い、控えるべきところは徹底的に抑える、富裕層の方にはそんな印象があります。
お金のメリハリが効いているともいえるでしょう。自分にとって今だけではなく、将来にわたってプラスに働くであろうことをしっかりと見極め、適切なお金の使い方をしていくことが大切だといえます。
少し自分自身の行動を振り返ってみるのもいいかもしれませんね。
・株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」 ・Black Card 1 株式会社「ラグジュアリーカード利用データ調査」 ・Black Card 1 株式会社「ラグジュアリーカード会員 ライフスタイルに関する調査」
荻野 樹
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