( 247764 )  2025/01/11 15:52:49  
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2025年問題は、VHSや他の磁気テープに記録された映像が再生できなくなる可能性を指しています。

VHSテープは長年家庭で映像を記録するために使われ、今では再生機が製造終了しており、2025年には再生困難になるとされています。

この問題に関するサービスや取り組みもあり、デジタル化やDVD化などが推奨されています。

また、一般家庭や個人は、大切な記録を保存するためにデジタルファイル化やDVD化などの方法を検討すべきです。

(要約)

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デジタル化にも“注意点”思い出の映像が見られなくなる?VHSテープ『2025年問題』 

 

VHSなどに記録された“思い出の映像”が見られなくなるかもしれない『磁気テープの2025年問題』とは、一体どのようなものなのでしょうか。 

 

ダビングサービスを手掛ける会社を訪ねると、問題の大きさは一目瞭然でした。山積みになった段ボールとVHSテープは全て依頼品だといいます。 

 

ダビングコピー革命 丸山裕二店長 

「もうほとんどホームビデオ。いわゆる思い出の映像。2025年の話は広まっているので、それを知ってだいぶ増えた」 

 

依頼の多くは家族旅行や子どもの入学式などを記録したもの。件数は去年の同じ月の2倍になっているといいます。 

 

日本では昭和51年(1976年)に誕生したVHSテープとビデオデッキ。劇場でしか見ることができなかった映画を家庭で楽しめたり、手軽に録画と再生を繰り返すことができたりすることから広く普及し、映像を日常生活に身近な存在にしました。 

 

なかにはこんなものも。 

 

「チラシ代わりに配られているんです。チラシがビデオになったというわけで、名付けて『チラビデオ』」 

 

しかし平成以降、記録メディアがDVDやデータに取って代わられるようになり、デッキの生産は次々と終了。令和に入り、ユネスコなどがこう警鐘を鳴らしました。 

 

ユネスコ『マグネティック・テープ・アラート』(2019) 

「過去60年間、人類の多様な文化遺産は磁気テープに記録されてきた。それらの映像と音声を後世に伝える唯一の方法はデジタル化だ」 

 

背景にあるのは、再生機の製造終了などにより再生自体が困難になることや技術者の減少、長くて50年とも言われるVHSテープそのものの劣化などです。そして、消失の期限が2025年、今年とされています。 

 

失われてしまうかもしれない家族の思い出や大切な記録の数々。それを懸命に守ろうとする人がいます。 

 

三重県四日市市にある博物館。ここでもデジタル化の取り組みが行われています。 

 

四日市市立博物館学芸員 森拓也さん 

「6年ぐらい前から取り組み始めている。一気にできるものではないから、博物館としては地道にやっていかないと」 

 

ここには1993年の開館以降に集めた、ビデオテープやカセットテープなどの磁気テープが大量に保存されています。その内容は、戦前のお祭りの映像や伊勢湾台風で被害を受けた市内の記録。昭和30年代に撮影された車窓からの風景など貴重な映像ばかりです。 

 

四日市市立博物館学芸員 森拓也さん 

「当時の山車がどういう動きをしていたか、どれくらいの大きさだったのかが分かるのは大変貴重」 

 

デジタル化できる期間を少しでも伸ばすためには、使える再生機を廃棄したりすることなく、現存する全ての再生機を大事に有効活用していく意識が必要です。 

 

この博物館では森さんの私物のほか、市民から寄贈された機器など8台の再生機器を使用しています。故障した場合は森さん自ら修理しているといいます。 

 

四日市市立博物館学芸員 森拓也さん 

「博物館の使命として、稼働状態にある機械を1台でも残しておかないといけない」 

(Q.DVDも見られなくなるが) 

「記録で一番良いのは和紙に墨。源氏物語だって枕草子だって、みんな和紙に墨で書いているから1000年も残ってる。また20年後か30年後かに僕みたいなのが出てきて、このDVDを古い機械使ってこうするんですよなんていう時代が来ると思いますよ」 

 

 

一般家庭や個人がVHSや8ミリなどの磁気テープに保存した大切な記録を残すにはどうしたら良いのでしょうか。映画の保存・復元・公開などを手掛ける、国立映画アーカイブの冨田美香主任研究員に聞きました。 

 

国立映画アーカイブ 冨田美香主任研究員 

「まずは『デジタルファイル化』することが大事。ご家庭で楽しむホームムービーなら、例えばMPEG-4などのファイル形式で同じものを複数作って保存する。その複数のデジタルファイルを、保存メディアが使えなくなる場合に備え、ハードディスクやDVDなど違うメディアにそれぞれ保存する必要がある」 

 

映像を簡単に見られる方法は、例えば『DVD保存』です。多くの家電量販店や専門業者で、VHSや8ミリなどの磁気テープからDVDに移すサービスを行っています。 

 

例えば、VHSテープ1本(60分)からDVDに移す場合、料金は1000円~3000円前後。期間は約1~2カ月かかるということです。また、別料金で二次元コードを使ってスマホで映像を再生するサービスもあるということです。 

 

ハードディスクに保存などのサービスを行っているところもありますが、業者に依頼する際、映画やテレビ番組は著作権が生じる場合もあるので注意が必要です。 

 

より長く見られるために必要なことは何なのでしょうか。 

 

国立映画アーカイブ 冨田美香主任研究員 

「パソコンのOSやバージョンが変わるとデジタルファイルが開けなくなる可能性もある。ファイル形式も定期的に更新することが大事。さらに、DVDなどに保存しても、DVDそのものが劣化したり、再生機が使えなくなる可能性が高い。3~5年ごとに保存メディアを移す必要がある」 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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