( 248059 )  2025/01/12 04:50:35  
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日本ではジェット旅客機が主流だが、一部地域や短距離路線ではプロペラ機が使用されている。

プロペラ機はターボプロップ機が主流で、滑走路が短くても運用でき、燃費効率もよいため地域航空会社や離島路線で重宝されている。

また、近距離路線では飛行時間や運航コストがジェット機とほぼ同等であることも特徴として挙げられる。

(要約)

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琉球エアーコミューターのプロペラ機(乗りものニュース編集部撮影)。 

 

 日本の航空会社では2025年現在、ジェットエンジンの一種である「ターボファンエンジン」を積んだジェット旅客機が主流です。その一方で往年の旅客機では一般的だった「プロペラ機」も、ごく短い距離を飛ぶ地方路線や、地域航空会社などでまだまだ重宝されている存在です。なぜプロペラ機は、ジェット機全盛の現代でも使用され続けているのでしょうか。 

 

 現在のプロペラ機は「ターボプロップ機」と呼ばれるものが大多数を占めます。これはターボファンエンジンのエンジンカバー(カウル)を取り払ったような構造をしていて、旧来のプロペラ旅客機で採用されていた「レシプロエンジン」とは根本的に構造が異なります。 

 

 とはいえ、「ターボプロップ機」と「ターボファンエンジン機」の巡航速度は圧倒的な差が。JAL(日本航空)グループが使用しているターボプロップ機、ATR42-600の巡航速度は556km/hと公表されているのに対し、多くの乗客を乗せる国内幹線向けのジェット機、エアバスA350-900は916km/hと公表されています。 

 

 速度こそジェット機に劣るターボプロップ機ですが、実は地方・離島路線にピッタリの強みが存在します。 

 

 それは離着陸に必要な滑走路の長さが、ジェット機と比べて短くて済むこと。国内で運航されているジェット機のほとんどは、一般的に滑走路の長さは1500mが下限とされています。しかしターボプロップ機は、それより短い滑走路の空港にも発着できるという特徴を持ちます。 

 

 それゆえターボプロップ機は、短い滑走路しかない離島空港などにも発着でき、これが地域航空会社や地方路線で現在も重宝されている理由のひとつです。 

 

 また、ターボプロップ機は、ジェット機よりも燃費効率が優れているのも特徴です。 

 

 そもそもごく近距離の路線では、ジェット機とターボプロップ機運航便の時刻上の飛行時間が、さほど変わらないことも珍しくありません。例えば現在運航されている定期便のなかで「日本一短いジェット機路線」とされる「那覇~久米島線」は、ジェット機運航便が1日1往復、プロペラ機運航便が1日5往復飛んでいますが、運航高度やスピードの違いによる大回り旋回の影響で、時刻表上はジェット機便のほうが5分長く設定されています。 

 

 こうした近距離便では、ターボプロップ機はジェット機と同じくらいのフライト時間で飛ぶことができ、さらに運航コストがジェット旅客機よりも低く抑えられるというメリットがあります。こうしたところも、ターボプロップ機が現在も重用されている一因でしょう。 

 

乗りものニュース編集部 

 

 

 
 

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