( 248839 )  2025/01/13 17:29:51  
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改札を出ていない場合でも、引き返した駅までの往復運賃が必要であり、これは鉄道会社の規則に基づいています。

運賃は実際に乗車した距離によって決まり、改札を通った2つの駅の距離だけでなく、乗車した経路や順序によっても計算されます。

不正な乗車を避けるためには、鉄道運賃のルールや注意点を理解しておく必要があります。

(要約)

( 248841 )  2025/01/13 17:29:51  
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「秋葉原駅」での用事が急きょキャンセル! 駅員さんに「田端駅→南浦和駅」まで引き返したと言ったら往復分の運賃がかかったけど、改札を出てないなら「入場料」だけ払えばいいのでは? 往復運賃が必要な理由を解説 

 

電車の運賃は改札を通った2つの駅の距離で決まると思っている人は多いでしょう。電車移動中に予定が急に変更となり、自宅の最寄り駅に引き返した場合、「入った改札と出た改札が同じだから入場券と同じ料金でいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。 

 

実際には改札を出ていなくても、引き返した駅までの往復の運賃が必要ですが、これは鉄道会社の規則に基づくものです。これを知らないと、意図せず「不正乗車」をすることになってしまいます。 

 

トラブルを防ぐためにも、こうした鉄道運賃のルールや注意点を見ていきましょう。 

 

原則鉄道の運賃は「実際に乗車した距離」に基づいて計算されています(「大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例」など例外あり)。改札口を通って入った駅と出た駅の距離で運賃が決まるわけではないのです。 

 

例えばJR東日本は、「旅客連絡運輸規則」第42条に「旅客運賃・料金は、旅客の実際乗車船する経路および発着の順序によって計算する」と明記しています。 

 

秋葉原駅までの待ち合わせのために、南浦和駅から電車に乗って田端駅にいた時点で約束がキャンセルになり、南浦和駅に戻ってきた場合は、南浦和駅と田端駅の往復の運賃が必要というわけです。 

 

なお、ICカードを使って入場し、2時間以内に同じ駅で出場しようとした場合は入場券分の料金だけ引かれて改札を通れてしまいますが、これは不正乗車となってしまいます。 

 

JR東日本が「列車に乗車し、出場せずに入場駅にお戻りになった場合は、実際にご乗車になった区間について所定の運賃を頂戴しますので、係員のいる改札窓口にお申し出ください」としている通り、正しい料金を支払う必要があるのです。 

 

ここからはこれまで説明してきたことに関連して、鉄道運賃のルールを整理します。知らないうちに不正乗車にならないよう、ルールを理解しておきましょう。 

 

■入場券で電車に乗れない 

入場券は駅構内に入るためのもので、電車に乗ることはできません。最近は駅構内にレストランやショップ、さらにはクリニックまであり、電車に乗る以外の目的で改札内に入りたいと思う人は少なくないでしょう。 

 

当然、その駅の入場券を買って駅ナカ施設を利用することは問題ありませんが、ほかの駅の入場券を使っての利用はできません。 

 

例えば、浜松町駅の入場券を購入して電車に乗り、東京駅の駅ナカ施設を利用して戻ることは不正乗車にあたります。この場合は浜松町駅と東京駅の往復の運賃が必要です。 

 

■折り返し乗車の禁止 

購入した乗車券や定期券の範囲を超えた移動も禁止されています。 

 

例えば、JR京葉線で東京駅から舞浜駅の乗車券を購入したのに、終点の蘇我駅まで行って戻る場合や、都営新宿線で篠崎から新宿までの定期券なのに、座るために篠崎から本八幡駅まで戻る行為も不正乗車です。 

 

■乗り過ごしや乗り間違いの場合は免責されることも 

一方で、乗り過ごしや乗り間違いの場合、駅員に申し出ると対応してもらえるケースがあります。JR東日本の「旅客営業規則」第291条には「乗車券面に表示された区間外に誤って乗車した場合において、係員がその事実を認定したとき、別に旅客運賃・料金を収受しない」と明記されているからです。 

 

間違えて違う駅に行ってしまった場合や、疲れて寝過ごした場合は駅員に相談するようにしましょう。 

 

鉄道運賃のルールは、改札を出ていない場合でも乗車した距離に基づいて計算されるなど、意外と知られていないものがあります。ルールを知らずに利用すると、不正乗車と見なされ、場合によっては通常の3倍の運賃を請求されたり、定期券を回収されたりするので注意が必要です。 

 

今回紹介したポイントを理解し、正しく電車を利用しましょう。 

 

出典 

東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則 

東日本旅客鉄道株式会社 運賃計算の特例 

東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 

 

執筆者:浜崎遥翔 

2級ファイナンシャル・プランニング技能士 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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