( 248874 )  2025/01/13 18:06:57  
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2025年1月12日から13日に全国各地で行われた成人式において、「成人」という言葉を避ける自治体が増えています。

こうした変化により、成人式での暴走行為が減少し、不正改造車両も少なくなっています。

特に沖縄県では、成人式での不正改造車両の暴走行為が減少しており、警察の取り締まりなど様々な取り組みが功を奏しているとされています。

(要約)

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 2025年1月12日から13日(成人の日)にかけて、全国で式典が行われました。 

 

 民法改正に伴い、令和4年(2022年)4月から成人年齢が引き下げられています。 

 

 これに伴い現在では全国各地で式典の名称に「成人」という言葉を使わない自治体が増えています。 

 

2025年はうるま市で赤い屋根切りプリウスが出現(画像提供:アドベンチャーオキナワ) 

 

 たとえば、「はたちの集い」「二十歳の市民を祝うつどい」「二十歳の門出を祝う式典」など、「成人」が「はたち」に変更されている例が多く見られます。 

 

 それが関係しているのかどうか不明ですが、近年は成人式で毎年話題となる「改造車で暴走する」という行為もかなり減ってきています。 

 

 もちろん、この傾向は若い世代の暴走族が全国的に激減していることにも大きく関係しているでしょう。 

 

 さて、成人式で暴走や違法行為を繰り返す車両と言えば、その多くが勝手に屋根を切った仕上げたオープンカーです。 

 

 記憶に新しいところでは2022年1月9日、神奈川県横須賀市の横須賀駅周辺で発生したオデッセイによる暴走事件があります。首都圏の都市部でこのような改造車が出現したことで大きな話題となりました。 

 

 屋根を切るなど不正な改造を各所に施したオデッセイやバイクが式典会場である横須賀芸術劇場周辺の道路を約3km以上にわたって暴走。 

 

 オデッセイには乗車定員を大幅に上回る新成人が乗っており誰一人シートベルトの着用もなく信号無視や蛇行運転、進路妨害などの違法行為を繰り返しました。 

 

 この事件では発生から約2か月後の3月7日に神奈川県警交通捜査課が道路交通法違反(共同危険行為)の疑いで横須賀市内に住む18歳と20歳の土木作業員を逮捕しています。 

 

 また興味深いのはこのオデッセイには仮ナンバーがつけられていました。 

 

 筆者が横須賀市役所に確認したところ、仮ナンバーは正規の手続きを経て貸し出されており、返却も行われていたということです。このようなところはルールを守っていたようです。 

 

 

 また成人式+屋根を切った不正改造車が毎年出現することで知られる沖縄県ですが、2025年はうるま市で赤い屋根切りプリウスが出現しました。 

 

 このプリウスをはじめ、長年沖縄での成人式で改造車両の撮影を続けている沖縄県在住の「オキナワアドベンチャー」さんに話を聞きました。 

 

―― 沖縄の成人式で頻繁に出現する改造車両は近年減っているのでしょうか? 

 

 かなり減っていると感じます。20歳を中心とするいわゆる『Z世代』はクルマに興味がある人がそもそも激減しています。 

 

 成人式の日に『改造車で暴走してやろう!』という発想を持つ若者も減っていると思います。 

 

 成人年齢が18歳に引き下げられたことや外出自粛が呼びかけられていたコロナの時期も相まって昔ほど盛り上がらないのも要因だと思います。 

 

―― 赤いプリウスはキャリアカー載せられていましたが、その後、おろされて公道を走ったのでしょうか? 

 

 私が撮影したあと、キャリアカーから下ろしている光景は確認できましたが、走行しているのは確認できませんでした。 

 

 走行した可能性もありますが、私が別の地区に移動した為、実際に公道を走行したところまでは確認できませんでした。 

 

―― うるま市をはじめ沖縄県内はとくに成人式暴走への取り締まりを警察が厳しく行っていますね。どのような変化を感じますか? 

 

 警察による取り締まりはとても厳しくなりました。 

 

 成人式当日だけではなく、事前に道路に暴走行為を抑制する看板が立てられていたり、当日には白バイやパトカーが巡回する他に若者が暴走しそうな地区を封鎖したりしています。 

 

―― 改造車両の車種に変化はありますか? 

 

 かなりの変化があると感じます。屋根を切らず荷台に人が乗せられることもあって軽トラは相変わらず多いのですがセダン型の車種がだいぶ変わっていると思います。 

 

 10年以上前はカローラやハチロクの使用が多かったですね。 

 

 その後、一昨年くらいまではマークX を使用することが多くありました。 

 

 そして現在、この1-2年は20系や30系のプリウスの屋根を切ってパレード用?の暴走車として使用する例が少なくないようです。 

 

―― ところで地元の方々は沖縄の成人式で不正改造のクルマで暴走したり迷惑走行することをどう思っているのでしょうか? 

 

 地元の人は、成人式の暴走についてとても恥ずかしいと思っている人が多いです。 

 

 しかし、かつて暴走をしたことがある人も一定数おり、バカだなと思いつつ『自分もやったことがあり懐かしい』と思う人もいるようです。 

 

 

赤いプリウスはキャリアカー載せられてきたという(画像提供:アドベンチャーオキナワ) 

 

※ ※ ※ 

 

 なお、沖縄県では暴走車両の減少について「さまざまな取り組みが奏功し、近年は落ち着いている」(県警担当者)とみています。 

 

 うるま市以外にも沖縄市や那覇市の式典会場周辺では屋根を切ったクラウンの改造車や改造原付バイクなどが爆音をとどろかせて暴走する行為が見られたとのこと。 

 

 しかし、沖縄県警では式典会場前の道路で車線規制を行い、繁華街などでも厳戒態勢を敷いていたため、不正改造車による暴走行為は警察によって瞬時に取り押さえられたようです。 

 

 なお、沖縄県では10年以上前から成人式に関連する企業や自動車整備工場、レンタカー店、貸衣装会社などに「迷惑行為が及ばないよう、不穏な動きがあれば通報するようお願いする文書」を事前に送付しており、県警や教育委員会も含めて対策を講じてきました。 

 

 暴走族自体が減り、クルマに興味を持つ若者たちが減ったことに加え、このような取り組みも功を奏してかつて沖縄名物だった「改造車で荒れる成人式」は激減したとみられます。 

 

加藤久美子 

 

 

 
 

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