( 250129 )  2025/01/16 05:28:11  
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三重県と茨城県で救急車を利用した際の料金が7000円から1万円程度請求される有料化制度が始まりました。

これは救急車の適正な利用を促すためである。

具体的には、松阪市では基幹病院に搬送されて入院せずに診察を受けた場合に7700円が請求され、茨城県では22病院で救急車により搬送された際に緊急性がない場合に金額が異なるが請求される。

救急車の有料化の影響として、救急出動・搬送件数が減少し、相談ダイヤルの利用率が増加するなどの変化が見られている。

(要約)

( 250131 )  2025/01/16 05:28:11  
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救急車で搬送されても、軽症なら「7000円」請求に!? 三重県に続き「茨城県」でも一部で有料化が開始。その背景は? 

 

昼夜問わず出動し、救命活動を支える救急車は、私たちが安心して暮らしていくために重要な存在です。 

 

これまで救急車を利用したときの費用は患者に請求されませんでした。しかし2024年夏から三重県松阪市で、同年12月からは茨城県内の22病院で、救急車で搬送されて軽症だった場合に7000円~1万円程度の請求を行う制度が始まりました。 

 

本記事ではどんな時に請求されるのか、導入した自治体による請求基準や金額などを紹介します。 

 

まず、急な病気や事故などで、救急車で医療機関に搬送された人はどのくらいいるのでしょうか? 総務省消防庁「令和5年消防白書」によると、令和4年中の全国の救急出動件数は約723万件で、このうち搬送された人数は約622万人でした。 

 

1日平均では約4.4秒に1回救急出動し、年間では国民20人に1人が医療機関に搬送されています。救急車で医療機関に搬送された約622万人のうち、約47%が入院を必要としない「軽症」でした。 

 

救急出動件数と搬送者人数は前年比で10%以上増えていて、119番通報から医療機関に搬送して医師に引き継ぐまでにかかった平均時間は約47分です(2012年と比べて約8.5分のびています)。 

 

以上のデータから救急車が適正に利用されていないケースもあるといえそうです。そこで生命への危険度が高く、急いで医療を受ける必要がある人を優先して搬送するために、救急車の有料化を導入した自治体が出てきました。 

 

救急車の有料化を導入した自治体では、どのような人にいくら請求されるのでしょうか。 

 

(1)三重県松阪市 

2024年6月から、救急患者を受け入れている3つの基幹病院に搬送された人を対象に有料化制度が導入されました。 

 

対象である3つの基幹病院に救急車で搬送されて診察を受けた人のうち、入院にならなかった場合には選定療養費として7700円(税込)が請求されます。入院にならなかった人すべてに請求されるわけではなく、交通事故や労災事故にあった人、他院からの紹介状を持参している人などは請求されません。 

 

(2)茨城県 

2024年12月から、茨城県内での対象病院(22病院)で救急車により搬送されて緊急性が認められなかった人や、初診時に他院からの紹介状がなかった人に選定療養費が請求される制度が始まりました。 

 

選定療養費は病院によって金額が違い、白十字総合病院(神栖市)では1100円、水戸赤十字病院(水戸市)・筑波記念病院(筑波市)など18病院で7700円、土浦協同病院(土浦市)と筑波メディカルセンター病院(つくば市)で1万1000円、筑波大学附属病院(つくば市)で1万3200円です。 

 

茨城県内の対象病院では、入院にならなかった人や軽症と診断されたかどうかではなく、救急車を呼んだ時に緊急性があったと認められなかった場合に選定療養費が請求されます。 

 

緊急性が認められない症状とは「軽い切り傷・すり傷のみ」や「なんとなく体調が悪い」など緊急性が低いものと基準が決められており、救急車を呼ぼうか迷うときには救急電話相談に相談することがすすめられています。 

 

 

先がけて救急車の有料化制度を導入した三重県松阪市は、2024年6月の制度導入から8月までの追跡調査結果を24年10月に公表しました。 

 

前年と比べて救急出動・搬送件数は約20%減少し、1日50件以上救急出動があった日は78.7%減少しました。救急相談ダイヤルの利用率は42.8%増加し、休日夜間診療所を受診した人は68.2%増加しました。この結果をみると、救急車の有料化は大きな影響があったと言えるでしょう。 

 

総務省消防庁によると令和4年中の救急出動件数は約723万件で、このうち搬送された人数は約622万人でした。1日平均では約4.4秒に1回救急出動し、年間では国民20人に1人が医療機関に搬送されています。 

 

救急車を呼ぼうか迷うような軽症時は、まずは自治体の救急電話相談に相談する、かかりつけ医の診察を受けるなどしてください。救える命が救えなくなる事態が起こらぬよう、救急車の適正利用に努めましょう。 

 

出典 

総務省消防庁 令和5年版 消防白書 

三重県松阪市 三基幹病院における選定療養費について 

茨城県 救急搬送における選定療養費の徴収について 

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 

ファイナンシャルプランナー 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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