( 250196 ) 2025/01/16 06:36:19 0 00 山陰放送
物価高が続き、野菜の値段も上がっている中、身近な「キャベツ」の値上がりが大きな話題となっています。食卓に大きな打撃を与えていますが、野菜などを山盛りにトッピングするのがウリの人気ラーメン店も悲鳴を上げています。
醤油ベースのこってりとしたラーメンに…これでもかとのせる野菜のボリューム。 鳥取県米子市と島根県安来市の県境に位置するラーメン店「笑福」で味わえるこちらのラーメンは、これだけ野菜を盛っても、価格は通常と変わりません。
小林健和キャスター 「これがラーメンの全増し。すさまじい量ですね。いただきます…ガツンときますね。こってりとしたスープに太麺がしっかりとよく絡むんですね。キャベツやもやしをたくさん盛る『野菜増し』というのがこちらの店のウリなんですけど、実は今これが店を苦しめているというんです」
「野菜増し」が店を苦しめる…店の人に話を聞くと。
笑福米子陰田店 遠藤和明さん 「色んなものも上がっているし、『キャベツ』も高くなってきて、なかなか最近は特に大変。ちょっと厳しいですね」
キャベツ価格の高騰です。こちらのラーメン店では1日にキャベツをおよそ8玉使用しているということで、日々、店の経費を圧迫しています。
笑福米子陰田店 遠藤和明さん 「いま1ケース(8玉)4800円ですね。安い時だと1000円から1200円なので、4倍になっています」
農林水産省が今月7日に発表した食品価格動向調査によりますと、キャベツは全国平均で1キロ当たり453円となっていて、平年と比べると3・36倍に。 米子市内のスーパーでも、1玉あたりの価格が例年と比べて4倍ほどに上がっているといい、1玉500円に迫る勢いとなっていました。
客は 「よく使うんですけど、やっぱり高いからね。買わなくなるか、別の献立に代えたりします」
全国では1玉1000円を超える店も出ていると言います。なぜキャベツがこんなに高いのでしょうか?
スーパーの担当者 「12月中旬くらいからかなり値段が上がってきていて、秋冬にかけての生育不良ということででなかなか値段が安くなりません。 キャベツの今のシーズンの主な産地というのが、関東ですと愛知県が中心になります。当店では鳥取県産を使用しているのでその分安くはなりますが、鳥取県も雪が降ったりしますので、この先については見通しがつかない状況ですので、今後どうなるのか私たちも非常に不安です」
少量のカット野菜を購入して価格を抑える客も増えているということで、店では通常の物より日持ちのする、袋に入った野菜をうまく活用してほしいとアドバイスしています。
再び市内のラーメン店。こちらでは店のウリである「野菜増し」、そしてさらに増量した「野菜増し増し」も無料です。
Q(増し増し)頼まれたら結構厳しくないですか? 「厳しいですけど…はい。なんとか」
他にも原材料費が高騰していますが、それでも値上げに舵を切りにくいのが、ラーメンのいわゆる「1000円の壁」です。
笑福米子陰田店 遠藤和明さん 「なかなかラーメンで1000円は世の中の人がまだ許してくれないというところがあって、たぶん自分の所だけではなくて、ほかのラーメン屋さんもそこで苦しんでいると思います。 通常飲食店は(原価率)30~35%なんですけど、うちはもう40%超えていて、なかなか1杯あたりの利益がないので年々厳しくなってきています」
しかし、あまりのキャベツの値上げに、店では、ある対応で乗り切ろうとしています。
笑福米子陰田店 遠藤和明さん 「前までは(もやしとキャベツの割合を)7:3くらいでやっていましたが、いま8:2くらいにちょっとそこは申し訳ないですけど、そういう風にしてやっています。まだ無料。無料は無料です」
食卓でも年中通して大活躍する「キャベツ」の高騰。価格に気をもむ日々がまだしばらく続きそうです。
山陰放送
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