( 250254 )  2025/01/16 15:06:30  
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読売新聞によるアンケート調査によると、全国の小中校長188人のうち、95%がデジタル教科書と紙の教科書を併用することを望んでいることが分かった。

紙の教科書には見返しや理解のメリットがあるという声があり、デジタル教科書には通信トラブルや端末の問題が懸念されている。

文科省は2022年に紙とデジタル教科書の併用を決定しており、デジタルの使用拡大に向けた議論が進められている。

(要約)

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小学校で使用されている英語のデジタル教科書 

 

 小中学校で使用されているデジタル教科書について、読売新聞は全国の小中校長188人にアンケートを実施した。デジタル教科書の今後のあり方を尋ねたところ、回答した校長の95%が「紙の教科書と併用する」ことを望んだ。文部科学省がデジタル教科書の使用拡大を目指す一方、学校現場では紙を支持する声が根強い現状が浮かんだ。 

 

 調査は昨年11月下旬~12月上旬、インターネットを通じて行った。47都道府県の小学校、中学校の校長会から各2人ずつ抽出した計188人を対象とし、162人から回答を得た。回収率は86・2%。 

 

 現在は併用されている紙とデジタル教科書について、今後どうあるべきかを尋ねたところ、「併用する」が95・1%(154人)と大半を占めた。「紙を廃止し、デジタルのみを使用」は4・3%(7人)だった。 

 

 その理由についての自由記述では、「紙の教科書はいつでも見返すことができ、理解や(学習の)定着にメリットがある」「深く思考するには紙の方が有効だ」など、紙の教科書の利点を挙げる声が目立った。 

 

 紙の教科書を配布せず、デジタル教科書に全面移行することに懸念があるかとの質問に、「ある」「どちらかといえばある」と答えた割合は、合わせて90・1%(146人)に上った。 

 

 デジタル教科書の懸念(複数回答)としては、「フリーズなどの通信トラブル」(59・9%)が最も多く、「学習用端末の紛失や破損時の対応」(48・1%)と続いた。利点では「動画や音声を利用できる」(93・8%)が多かった。 

 

 文科省は2022年8月、紙とデジタル教科書を当面併用することを決めたが、昨年秋から中央教育審議会でデジタルの使用拡大に向けた議論を進めている。 

 

 東北大の大森不二雄教授(教育政策)は「教科書は紙をメインに使い、デジタルを補助的に利用するのが妥当だ。国は現場の実態や科学的根拠を踏まえて慎重に判断するべきだ」と話している。 

 

 ◆デジタル教科書=紙の教科書の「代替教材」との位置付けで、紙と同じ内容をデジタル化したもの。1人1台の学習用端末で見られる。文部科学省が2021年度に配布を始め、現在は小5~中3の英語と、算数・数学の一部で使える環境になっている。 

 

 

 
 

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