( 250434 )  2025/01/16 18:22:27  
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ブルームバーグによると、日本銀行は、次週に迫ったトランプ次期大統領の就任に伴う金融市場の混乱が抑えられれば、23日と24日の金融政策会合で追加利上げを実施する方向にある。

春闘や賃上げの好調さ、為替や米国の経済政策などが影響要因とされる。

会合では物価見通しも議論し、円相場も上昇した。

トランプ氏は外国歳入庁の創設などを発表し、日銀は今後も経済状況に応じて利上げで金融政策を調整する姿勢を続ける見通し。

(要約)

( 250436 )  2025/01/16 18:22:27  
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Bloomberg 

 

(ブルームバーグ): 日本銀行は、来週予定されるトランプ米次期大統領の就任時の発言を受けて金融市場などで大きな混乱が起きなければ、23、24日の金融政策決定会合で追加利上げを決める公算が大きい。複数の関係者への取材で分かった。 

 

関係者によると、日銀が政策判断で重視している春闘をはじめとした今年の賃上げは、支店長会議での報告などを踏まえ、33年ぶりの高水準となった昨年に続く良好な内容が期待できるという。持続的な賃上げ機運の高まりから、賃金コストを価格に転嫁する動きも想定通り強まっている。 

 

20日に就任するトランプ氏の発言では、関税をはじめ経済政策の具体的内容や為替を含む日本への言及が注目される。関係者によると、金融市場にショックを与える大きな波乱や世界経済見通しを覆すようなことがない限り、0.25%程度の政策金利を0.5%程度に引き上げて金融緩和度合いを調整する環境が整いつつあるという。経済データや市場動向などを会合直前まで見極めた上で最終決定する。 

 

植田和男総裁は15日、前日の氷見野良三副総裁に続き、来週の会合で利上げを行うかどうか議論して判断すると明言した。タイミングの判断では、米新政権の経済政策を巡る状況と春闘に向けたモメンタムが重要と改めて指摘。正副総裁の発言を受け、金利スワップ市場では同会合の利上げの織り込みが8割台まで高まっている。 

 

会合では経済・物価情勢の展望(展望リポート)も議論し、変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価(コアコアCPI)は、2024年度と25年度が上方修正となる公算が大きい。関係者によると、物価見通しの引き上げも今会合での利上げ判断を後押しする要因になるという。 

 

植田総裁は経済・物価情勢の改善が続けば、それに応じて利上げで金融緩和度合いを調整していく方針を繰り返し表明してきた。日銀は見通しに沿って経済・物価が推移しており、2%の物価安定目標が持続的・安定的に実現する確度が高まっているとみていると関係者は述べた。 

 

 

ブルームバーグの報道を受けて、東京外国為替市場の円相場は上げ幅を拡大し、一時ニューヨーク終値比0.8%高の1ドル=155円21銭と昨年12月19日以来の高値を更新した。 

 

トランプ氏は14日、関税など外国からの全ての歳入を徴収する「外国歳入庁」を就任日に創設すると表明し、大統領選で掲げていた新たな関税導入を実行に移す姿勢を改めて鮮明にした。氷見野副総裁は米新政権の政策について、「来週の就任演説で政策の大きな方向は示されるのではないか」との見解を示している。 

 

--取材協力:船曳三郎. 

 

(c)2025 Bloomberg L.P. 

 

Sumio Ito, Toru Fujioka 

 

 

 
 

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