( 251039 ) 2025/01/17 19:50:00 1 00 巨人がFA移籍した甲斐拓也の代わりに指名した伊藤優輔についての記事を紹介しています。 |
( 251041 ) 2025/01/17 19:50:00 0 00 伊藤優輔(C)日刊ゲンダイ
阿部慎之助監督の心境は複雑だろう。
昨16日、ソフトバンクが巨人にFA移籍した甲斐拓也の人的補償選手を発表。5年目右腕の伊藤優輔(28)を指名した。
都立の小山台高から中大、三菱パワー(現三菱重工East)を経て、2020年のドラフト4位で巨人に入団。1年目の秋に右肘のトミー・ジョン手術を受けた影響で育成契約となったものの、昨夏に支配下復帰すると、リリーフとして8試合に登板し、防御率1.04。復活への足がかりをつかんだ。社会人時代にマークしたMAX156キロの直球はチームでもトップクラスの球威を誇り、昨年の秋季練習で阿部監督から直々に先発転向を命じられたばかりだった。
「阿部監督の中大の後輩で、先発転向を指示したのは、メジャー移籍の決まった菅野の穴埋め候補として期待してのものだった。いわば、秘密兵器的な存在でした。にもかかわらず、28人のプロテクトリストから漏れたのは、甲斐の移籍決定が遅れたことも原因のひとつでしょう。オフの人員整理が済んでいた巨人の保留者名簿には菅野を除いて52人しかいなくて、有望な若手・中堅選手を守るには限界があった。巨人にはトミー・ジョン手術明けの伊藤は指名されないという判断もあったのでしょう」(球界関係者)
東京・荒川区の出身で親子2代にわたる熱烈なG党。小学生時からファンクラブに入り、年に10回は東京ドームで巨人戦を観戦した。
地元で手作りのパン店を経営する父の康之さんは、ドラフト後の本紙の取材に、
「松井秀喜さんが巨人最後の年の最終戦(02年10月10日)も、まだ小さかった優輔と2人で観戦しました。49、50号を打った試合で、あれを見たら野球をやりますよね。上原(浩治)さんや(高橋)由伸さん、イチローさんのモノマネが本当にうまい。よく観察していて、それを取り入れるのが得意なんです」
と、意中球団からの指名を自分のことのように喜んでいた。
甲斐拓也(C)共同通信社
巨人OBの評論家、高橋善正氏がこう言う。
「FAで甲斐を獲得した時点で、若手有望株の流出リスクは考えられた。余剰戦力となってしまうベテラン捕手の小林誠司が指名されるのならば、出場機会が増えるかもしれない本人のためにもベストだと思っていましたが、ソフトバンクはプロテクトリストに有望株の伊藤の名前がないのを見て、飛びついたのでしょう。巨人にとっては大きな損失。そもそも、そういうリスクが生じると分かっていながら、本当に甲斐を取る必要があったのか。甲斐は経験も実績も豊富な捕手でその実力も認めますが、巨人には昨季88試合に出場してレギュラー奪取の足がかりをつかんだ岸田、23年までの正捕手で打撃のいい大城、そのバックアップに小林と、他球団でもスタメンマスクをかぶれるレベルの捕手が3人もいる。二軍にだって期待の山瀬ら若手もいる中での補強ですからね。こうして伊藤の流出が現実のものになると、補強への疑問は拭えません」
巨人では、原辰徳前監督が在任17年間で16人ものFA選手を獲得した。計9度のリーグ優勝を果たしたものの、その副作用も小さくなかった。第1次政権では退任後も含めて03年から4年連続V逸、第2次政権でも最終年の15年から4年連続で優勝を逃した。補強による育成の遅れが表面化し、後を引き継いだ堀内恒夫、高橋由伸両監督がその尻拭いをさせられ、優勝を果たすことなく志半ばでユニホームを脱がされた。
「第3次政権でも復帰後の連覇を最後に3年連続のV逸となり、巨人史上2度目の2年連続Bクラスで原監督も退任に追い込まれた。本当に必要な補強なら否定はしませんが、目先の安易なチーム強化策は育成を滞らせ、チーム内の正常な血の循環を狂わせるのは自明の理。優先起用される補強選手によって、数年後を見据えてチャンスを与えられるべき若手の出番が減り、成長の芽を摘む。それを補うためにまた補強をせざるを得ない悪循環。ツギハギを繰り返すことになるわけですから、当然、歪みが生じますよ」(前出の高橋氏)
原前監督は在任中、「FAの人的補償は悪しきルール。今すぐ廃止した方がいい」と言っていたものだが、その前に安易なFA補強を見直すという発想はなかった。この先も阿部監督も同じことを繰り返すのか。
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そんな巨人だが、他にも看過しがたい不安のタネがある。優勝に貢献した有能スコアラーが「人間関係が原因」でひっそりとライバル球団に移籍したのだ。つまり、「頭脳&膨大なデータが丸ごと流出した」と言っても過言ではない。どこの球団へ移ったのか。いったい巨人で何が起きているのか。
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