( 252239 )  2025/01/20 05:51:22  
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日本で人気の軽自動車は、以前とは異なり、今や広い室内空間や豊富な装備、高い走行性能を備えた車種が存在しています。

スーパーハイト系軽自動車は、ファミリーカーやコンパクトカーとしても高い利便性を提供し、ターボモデルでは高速道路でも乗り心地が良いです。

ホンダの「N‐BOX」とスズキの「スペーシア」は、3種類の車種が登場しており、各車には快適性や実用性、先進運転支援機能が備わっています。

さらに、三菱の「デリカミニ」も広い室内空間と高い走行性能を提供しています。

これら下克上的な軽自動車は、走行性能や居住性において優れており、多くの人に支持されています。

スーパーハイト系軽自動車の魅力は、広い室内空間、柔軟なシートアレンジ、豊富な装備、先進運転支援機能、燃費性能の高さなどが挙げられ、その商品力は非常に高いと言えます。

(要約)

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スズキ スペーシア ギア(左)とスペーシア カスタム 

 

今や日本で一番売れているクルマの上位につけているのが軽自動車です。かつての軽自動車は安い・小さい・走りも装備もそれなり……というものでしたが、そんな古い常識は見事に覆されています。スーパーハイト系と呼ばれる軽自動車は一家に1台のファミリーカーとしても十二分な、コンパクトカーも真っ青な大空間によるゆとりある居住性と多彩なシートアレンジ性を備え、ターボモデルを選べば定員4人乗車で高速道路を使ったロングドライブをするのも楽々なのです。 

 

スーパーハイト系軽自動車であれば、両側スライドドアによる乗降性の良さも、子育て世代、シニア、愛犬家を含めたすべての乗員に多大なるメリットをもたらしてくれる。 

さらに上級車に負けない電子パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能、先進運転支援機能、SOSコールを含むコネクティッド機能、ほかにない悪路走破性、超便利な実用性や快適機能を持ち合わせている車種も出現しているのだから、軽自動車に対する概念を上書きするべき時代なのである。 

 

その筆頭が、3年連続国内販売台数ナンバー1、2024年度上半期国内販売台数ナンバー1(「フィット」や「ステップワゴン」などの登録車を含む)を誇るホンダ「N‐BOX」だ。つい最近にはクロスオーバーテイストをちりばめ、N‐BOX、N‐BOXカスタムにないシートアレンジを実現したN‐BOX JOYが加わり、ますます魅力を高めている。 

エクステリア、インテリアともに上質感にあふれ、まるでミニステップワゴンのような佇まいを見せるN‐BOXだが、その下克上的商品力のひとつが、軽自動車最大級どころじゃない室内空間の広さだ。身長172cmの筆者のドライビングポジション(以下同)を基準にすれば、後席頭上に235mm、膝まわりに最大420mmという広すぎるほどのスペースが確保されている。 

2024年9月に登場したN‐BOX JOYはエクステリアだけでなく、インテリアにもアウトドアテイストがちりばめられ、撥水ファブリックを用いたチェック柄となるシートの後席を格納したときのラゲッジルームフロアに続くフラットフロア化をより一層強化。 

限りなくフラットになり、大きなバックドアを開けることで明るく開放感あるテラスのような空間を実現。どこでもピクニック気分が味わえる、他にない使い勝手を提案してくれるのだ。もちろん、N‐BOXカスタムにはもちろん、N‐BOX JOYにもターボモデルが用意され、下手なコンパクトカーを凌ぐ動力性能、上質な乗り心地を示してくれるほど。N‐BOXカスタムと並び、下克上的軽自動車の筆頭の1台となる。 

 

 

そんなN‐BOXにない快適性、実用性を備えている、これまた下克上的軽自動車がスズキ「スペーシア」。2024年5月に軽乗用車販売台数1位に輝き、2024年上半期国産車販売台数でN‐BOXに次ぐ第2位につけた大ヒット作だ。こちらもスーパーハイト系軽自動車だが、標準車、カスタムに加え、今では軽クロスオーバーモデルのパイオニアと言えるスペーシア ギアの最新モデルをラインナップ。 

その室内空間は前席頭上に335mm、後席頭上に270mm、後席膝まわりに最大325mmものスペースを備え、なおかつN‐BOXにない後席オットマン機能を備えた、フラップの位置や角度を調整するだけで3種類のモードに対応するマルチユースフラップを始め、後席の空調環境を整える天井に設置されたスリムサーキュレーターを用意。 

そして14種類もの衝突軽減ブレーキはもちろんとして、全車速追従機能・停止保持機能付きのACC(アダプティブクルーズコントロール)、ヘッドアップディスプレイなどを含む先進運転支援=スズキセーフティサポート、運転席助手席エアバッグ、前席サイドエアバッグ、カーテンエアバッグなどの安全・機能装備も充実。 

特筆すべきは上級車にもめったにないACCの機能で、カーブ速度抑制機能(メーカーオプションナビ使用時)、車線変更時の補助機能(具体的には約80km/h以上で走行中に追い越し車線へ⾞線変更する場合、⽅向指⽰レバーの操作と連動し、自動で加速することで、スムーズな追い越しを補助。また、自車より遅い⾞両の後⽅へ⾞線変更する場合、⽅向指⽰レバーの操作と連動し、自動で減速することで、安全な合流を補助)まで備わっているのだから驚きを隠せない。軽自動車の下克上的先進運転支援機能満載! ということになる。 

ちなみにスペーシア ギアのマイルドハイブリッドターボモデルで東京~南房総を疲れ知らずで往復した時の実燃費は、カタログ上のWLTCモード21.9km/Lに迫る20.6km/Lを叩き出してくれたのだから、燃費性能もまた下克上的なのである。 

暑い時期のドライブでも、後席の空調環境が整うスリムサーキュレーター装着車であれば、暑がりの人や愛犬が後席に乗っても、快適にドライブを楽しむことができるだろう。 

 

 

オールラウンダーな下克上的軽自動車の筆頭が、三菱「デリカミニ」だ。ベースは「ekクロススペース」。つまり、今、軽自動車でもっとも人気のスーパーハイト系軽自動車である。ライバルと異なるのは、エクステリアを「デリカ」の名を語るのにふさわしいデザインに仕上げるとともに、4WDモデルに関しては専用チューニングサスペンションが奢られ、軽自動車最大級となる165/60R15サイズの大径タイヤの装着によって最低地上高160mmを確保。 

ライバルのスーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデルのほとんどが、最低地上高は標準車と変わらない設定であるのに対して、さすが三菱、デリカを名乗ることだけはあるデリカミニなのである。 

こちらも前席頭上に260mm、後席頭上に250mm、膝まわりに最大400mmものスペースがあるのだから、最後端位置にスライドさせた後席に座れば、前席は遥か遠い……と感じるほどである。 

高速走行では1830mmもの全高を感じさせない直進性の良さとフラットな乗り心地、マイルドハイブリッドのターボエンジンによるフル乗車でもまったく不足ない加速性能、巡航性能を味わわせてくれるし、高速レーンチェンジ時を含めた安定感の高さもなかなかと言っていい。そしてもちろん、悪路の走破性もバッチリだ。 

 

そんな最新の下克上的軽自動車3台を紹介してきたが、ほかにも軽自動車のEV、日産「サクラ」も電気自動車の入門車、シティコミューターとして新鮮な運転感覚、乗車感覚を味わわせてくれること間違いなしの1台となりうるはずだ。 

ところで、ここで紹介したスーパーハイト系軽自動車の3台についてだが、たしかに前後席ともに驚くほど広々。しかし軽自動車規格の限られたボディ寸法ゆえ、キャビン優先パッケージのしわ寄せとしてラゲッジルームは狭くて使えなさそう……と思うのも当然だ。 

たしかにN‐BOXを例に挙げれば、後席後端位置でのラゲッジルームの寸法は奥行き410mm×幅900mm×天井高1170mm。荷物の積載性に大きくかかわる奥行きにそれほど余裕はない。が、後席に人が座れる前方までスライドさせれば、奥行きは最大570mmまで拡大。かなりの荷物が積めることになる。 

アウトドアに適し、アウトドアの大荷物を積む機会も多いであろう、後席用サーキュレーターを用意するデリカミニにしても、後席後端位置でのラゲッジルームの寸法は奥行き290mm×幅885mm×天井高1070mmでしかない。しかし後席のスライド量がたっぷりあり、なんと奥行きは最大675mmまで拡大可能。 

実際、愛犬とともに宿泊を伴うドライブ旅行に出かけた経験があるのだが、機内持ち込みサイズのキャリーケース2個とペットカートを余裕で積み込めたほど。2~3名乗車であれば、5:5分割の後席を両側、または片側倒すことで、こうしたスーパーハイト系軽自動車は荷物の積載力も下克上的になるのである。 

 

 

ゆえに、走りも居住性も問題なし! 4人フル乗車も余裕でOKの下克上的軽自動車と結論することができるというわけだ。わが家の愛車はVW「ゴルフ7.5ヴァリアント」で、軽自動車より遥かに大きいものの、後席スペースに余裕があるとは決して言えず(頭上150mm、膝まわり160mm)、後席乗員から「狭い」とクレームが出ることも。が、そんな乗員もスーパーハイト系軽自動車の後席に乗ってもらうと大満足。「広すぎる」という声まで聞こえてくるのである(後席に乗車した犬も!)。 

スーパーハイト系軽自動車の下克上ポイントを整理すれば、室内空間の広さ、シートアレンジによる人と荷物の自在なフォーメーション、充実した装備、機能、上級車に負けない先進運転支援機能、コネクティッド機能の装備など、盛りだくさん。それで車両価格が割安で、車種によっては走破性もバッチリ、ターボなら動力性能も余裕の余裕。さらに燃費性能もいいのだから、なるほど売れに売れて当然の、下克上的商品力の塊と言えるのではないだろうか。 

軽ターボの動力性能について補足すると、筆者はこれまで軽ターボモデル(N‐BOXやハスラー)に3名乗車で上信越道・碓氷軽井沢ICからプリンス通りに至るバイパスの長い上り坂を走った経験が何度もあるが、トルキーにグイグイと登っていく実力に感心しきりだったほどである。 

 

青山尚暉(AOYAMA Naoki) 

 

 

 
 

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