( 253484 )  2025/01/22 16:05:41  
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東京の六本木の「お食事会」に参加した経験を持つ「港区女子」の体験が語られている。

その中で、夜職系と昼職系の港区女子の違いや、高学歴港区女子の実態が描かれている。

ミス東大として活躍する大学生が、「お食事会」での体験やお金への憧れ、その環境に染まっていく過程が綴られている。

お金の価値や自己決定の重要性について考えさせられるエッセイであり、学生時代からの自立と自己決定が重要であることが強調されている。

(要約)

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実際に六本木の「お食事会」行っていた時の服装(本人提供) 

 

「港区女子」 

 

皆さんも一度は耳にしたことのある言葉であろう。近年急激に耳にするようになった言葉だ。東京都の港区で毎晩のようにエリートサラリーマンや経営者と「お食事会」に勤しむ。奢り奢られ論争のトップに君臨する彼女らは、SNSでは憎悪の対象にすらなっている。 

 

そんな港区女子は、大きく二種類に分けることができる。一つは、ラウンジやキャバクラなどに勤めている「夜職系港区女子」。もう一つは、日中は社会人や学生として活動し、夜に「お食事会」に行く「昼職系港区女子」である。今回のエッセイではそんな昼職系港区女子の中でも、有名大学に通いながら港区に夜な夜な集う「高学歴港区女子」についてお話ししたいと思う。 

 

なぜなら、私もその1人だったから。 

 

◆ミス東大が六本木の「お食事会」に通った日々 

 

「東大卒の外銀がいるから飲みに行かない? 勉強になると思うよ」 

 

このお誘いで私は人生で初めて夜の六本木に足を踏み入れた。東大に入ってから、就職活動を少しずつ意識し始めていた私にとって魅力的な誘いであった。行ってみたら、いわゆる3Kはもちろん、顔もかっこいい、気遣いができる、さらにはトークまで面白い男性ばかり。 

 

なんだこの完全無欠な人間は。 

 

六本木のこぢんまりとした和食店のテーブルには、小さくて上品な小鉢、分厚いお刺身、のどぐろの炊き込み御飯と、食べたことないような美味しそうな料理が次々と運ばれてきた。お米とお味噌汁のことをお食事って呼ぶことを初めて知った。もちろんお会計は男性持ちだ。男性たちは高級な料理をご馳走してくれた上、気前よくお仕事の話や就活の話をしてくれた。こんなの同世代とじゃ絶対に経験できない。これが大人かぁと感じた。 

 

完全無欠の男性陣と同じくらい気になったのは、卓を囲む綺麗な女性たちである。芸能人と比べても見劣りしない彼女たちは、日中は働いているという。まさに「昼職系港区女子」であった。よくよく話を聞いてみると40近い方もいた。 

 

大人の合コンとはこういうものなのかと思いつつも、今まで遭遇したことのない生き方の女性たちに違和感を覚えた。 

 

その後、その会で知り合った男性の一人から複数回同じような食事会に誘われ、港区に何度か足を運んだ。しかし、その度に違和感は大きくなっていった。本当にこの会に行くことがキャリアの足しになるのであろうか。この人脈は本当に活きるのか? 若い女の子の飲み会要員にされているだけなのだろうか。この延々と続く大したことのない恋愛話と自慢話、猫なで声の女性に「かっこいい」といわれてまんざらでもない顔をする、社会的地位のある男性たち。もう得たい情報は十分得たかな。 

 

そう感じた私は、その後「お食事会」に行くことはなくなった。 

 

 

 

◆お金への憧れ。それは本物の「港区女子」に化ける瞬間 

 

ミス東大にエントリーし、グランプリを獲った私が断言しよう。有名大学のミスコンに出場した女子は全員、このような「お食事会」を少なくとも一度は経験している。 

 

港区女子には皆、何かを得るという目的がある。私の場合はキャリアが目的であった。多くの高学歴港区女子もキャリアのためだろう。 

 

しかし、その界隈で夜を過ごすたび当初の目的は徐々に曖昧になっていく。そして「お食事会」に参加する目的が金銭へと変わった瞬間、本物の「港区女子」に化ける。グランプリを獲っていないのに「ミス○○」を自称し、何で稼いでいるのかわからないのに、少しずつ身なりが派手になっていく人が毎年一定数いるのだ。 

 

これは、拝金主義が染み付いたその場所に溺れていくからだろう。そこではすべての価値がお金という物差しで否応なく測られる。モンクレールにエルメスの男女が道端に無数にいる街。そこでは、私が頑張って買ったあこがれのブランドバッグは安物の部類に入る。言いようのない惨めさを感じてしまい、傷ついたこともあった。 

 

◆「お食事会」に参加してお金を得て、高学歴港区女子が失うモノ 

 

他人と比較しがちな若い女性が港区に足を踏み入れると、お金という絶対的な物差しに取りつかれてしまう。その気持ちは理解できる。まだ学生の金銭感覚を持つ高学歴港区女子なら尚更だ。ブランド品に身を包んだ先輩の港区女子も、別世界を経験させてくれる港区の男性も、全てが魅力的に映ることだろう。 

 

正直、私だってお金が大好きだ。でも、お金に取りつかれて、悪魔に魂を奪われると、自己決定という自由を失う。 

 

デートで男女のどちらがどれだけ食事代を負担すべきか、という「奢り奢られ論争」。奢る、奢られるなんて、正直、そんなの自由にしたらいいと思う。でも奢った側は奢られた側より優位に立ち、人間関係の力学が少し変化する。高学歴港区女子よ、それだけは忘れてはいけない。 

 

自分の人生を他人に委ねてはならない。 

 

Kamiya Asa T161 2000年4月19日生まれ。埼玉県出身。 

 

「ミス東大」グランプリを2020年に受賞。現役東大生ながら「CanCam it girl」として活動。バラエティー番組などでも幅広く活躍している。在学中に低糖質なスイーツを専門に取り扱うブランドを展開する株式会社SASAを起業した。最新情報は本人X(@AsaKamiya)、Instagram(@asa_kamiya)まで 

 

FRIDAYデジタル 

 

 

 
 

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