( 255081 ) 2025/01/25 15:30:31 0 00 photo by gettyimages
「さすがに意味がわかりません。そもそもこれって公約違反じゃないですか?」
こう絶句するのは日本維新の会の番記者だ。1月23日19時、港区赤坂の居酒屋で日本維新の会の幹部と番記者によるマスコミ懇談会が行われた。
会場は衆議院赤坂宿舎にほど近い居酒屋で、出席したのは前原誠司代表代行、岩谷良平幹事長、青柳仁士政調会長、漆間譲司国対委員長など国会議員組の幹部がずらり。
番記者には事前に出欠の確認がなされていたが、その際に会費のことは書かれていなかった。ところが、前日夜になって維新の国会事務室から番記者に送られてきたメールにこう記載されていた。
〈先日ご案内させていただきました、『日本維新の会 国会議員役員幹部とマスコミ懇談会』につきまして、諸事情により会費制とさせていただきます。当日7000円の徴収をさせていただきますので、ご了承ください〉
これには番記者の間でも批判が噴出している。
「出欠の案内には会費のことなんて書いてなかった。それで前日の夜8時ごろになって突然『会費制にする』と連絡してくるなんて、やり方がひどい。しかも、7000円は吉村代表の言っていたルールに違反することになるのではないか。別に会費を払いたくないわけではないが、こういうやり方をされると気分が悪いです」
昨年11月に維新の新たな代表に選出された吉村洋文・大阪府知事。代表選出馬の際の記者会見で公約として掲げたことの一つが、「永田町の飲み食い文化を変える」だった。そして、具体的な公約として「会食費は一人5000円以内」を打ち出したのだ。
「民間であれば飲食を伴う会議費は5000円という一般的なルールもある。政務活動費では大阪府議会などでは飲食を伴う会議の上限は5000円なので、日本維新の会もこれにならって5000円にした。他の政党等々と飲食するときは一人当たり上限5000円でやっていきたい」
会場の居酒屋へ入ってゆく前原代表代行
議員たちが「自腹」で支払った可能性はあるものの、吉村氏は代表選出馬会見の際、こう念押ししていた。
「他党が維新を誘うときは5000円までだから、5000円の店にしてください。そういう店にしてください。僕が代表になればこれをオープンにしていきますから。これはルールとして定めたいと思います」
吉村氏は夜の会合で政治的な動きが出ることを「永田町文化」として忌み嫌い、それを変えると意気込んでいた。しかし、代表に選ばれた翌月に早くも「飲み食い政治」が復活してしまったことになる。
しかも会を開いたのは自らが選んだ「党幹部」たちである。出席した議員の一人はこう語る。
「なぜ急に7000円の会費になったのかは私もまったくわからないんです。聞いたときは『なんでそういうことをしたんだろう』と不思議に思いましたが…」
ちなみに、この店には「2時間飲み放題付き5000円」のコースもある。なぜあえて高いコースにしたのだろうか。別の維新所属国会議員からはため息が漏れる。
「あんなに旧執行部に対して『飲み食い政治だ』と批判しておいて、公約として掲げた『会食は1人5000円以内』を平然と無視するんだから理解に苦しむ。しかもマスコミ相手の懇親会で、直前になって会費のことを言い出すというのもやり方としてひどい。
それに、5000円のコースだってある店なんだから7000円になってしまった言い訳は通用しない。もうめちゃくちゃです。たかが飲み会でこの有様なんだから、この執行部で今後、他党との交渉がまともにできるとは思えない」
吉村知事も実態を把握するために一度、赤坂で「5000円会食」を実践してみてはいかがだろうか。
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週刊現代、小川 匡則
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