( 255304 )  2025/01/26 03:07:30  
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フジテレビにおける中居正広さんと女性社員の性的加害の問題に関する混乱が続いており、1月27日に再び記者会見が行われることが決定された。

フジテレビの社員説明会での音声録音データが流出し、日枝久相談役の経営陣全員の即時辞任要求など、会社内の不穏な様子が伝えられている。

被害者への謝罪や対応、中居さんの起用に対する疑問などが浮上し、記者会見では真相が明らかにされるかが注目されている。

(要約)

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GettyImages 

 

中居正広さんによるフジテレビ女性社員への性加害問題は、どこまで問題が飛び火するのか。1月27日、フジテレビは再度、記者会見を実施することを決めた。 

 

1月23日に非公開で行われたフジテレビの社員説明会の録音データを入手した「現代ビジネス」は、これをいち早く報じてきた。 

 

そこでポイントとなったのが、日枝久相談役の存在だ。長らくフジテレビの「天皇」と呼ばれてきた日枝氏は、長期政権を築いてきた。だが社員説明会では、「日枝さんも含めて、即時の経営陣総退陣」が社員から迫られ、経営陣もしどろもどろになるありさまだった。 

 

フジテレビの労組は、1月27日の記者会見には日枝氏の出席を求めたが、出席しないことがわかった。また当日は現場からの生放送も禁止など、相変わらずの「制限」も設けている。現代ビジネスに、禁じられていた社員説明会の録音データを提供してくれた関係者のAさんは、 

 

「内向きな姿勢は変わらず、本当に視聴者、スポンサーなどが納得できる会見ができるのか、疑問です」 

 

と話す。はたして27日の会見では、真実が語られるのか? その鍵となる、社員説明会での重要なやりとりを、入手した音声を明らかにしよう。 

 

嘉納修治会長と港浩一社長はどう語ったのか。中居さんの性加害スキャンダルの被害者となった、女性に対する謝罪や対応の詳細についてである。 

 

社員説明会での冒頭、嘉納会長は、 

 

「皆様方にお詫びというか、謝らせてください。一連のこの事案で、大変皆様に不安、いろんなことでご迷惑を、そしてご心配もおかけしました」 

 

と詫びている。しかし、それはあくまでフジテレビの社員や関係者にあてたもので、被害者の女性に向けられたものではなかった。説明会で開始から3時間以上すぎたころ、ある社員がこう発言した。 

 

「あなた方は、社員を守るといいながら守ってないじゃないですか。俺はそれが本当に悔しい。総務の新年の会のときに、専務が『質問ある方いますか?』と言っても誰も質問しようとしませんでした。だってそういう企業風土だから。上の人に文句言ったら飛ばされるから。みんなそう思ってますよ。 

 

そういう風土作ったのはあなたたちですよね。あのとき、勇気ある女性社員が涙を流しながら勇気を振り絞って質問をしたのに、あなた方はそれを遮った。本当にありえない」 

 

 

この社員はこう続けた。 

 

「これは社員に対しての謝罪だと思って受け止めているんですが、まず最初に謝罪をすべきは被害者ではないでしょうか、ということを言いたかったんですよ。この会3時間はやってますけど、(被害者への)謝罪ないっすよね」 

 

続いて、女性の社員も中居さんの性加害スキャンダルを最初に報じた『週刊文春』の記事について、こう述べた。 

 

「先週の文春ですけど、社長から謝罪がなかったことが、すごく読んでて辛かったです。来週の会見では心を込めて彼女に謝ってほしい。それが私の一番の願いです」 

 

というと、さすがに港社長も「そうします」と謝罪をしていなかったことを認めた。 

 

フジテレビは中居さんの性加害スキャンダルを1年半も隠ぺいしていたが、性加害スキャンダル後も、中居さんはフジテレビの番組に出演をし続けた。 

 

スポーツを担当するという社員は、こう語った。 

 

「中居さんの、中居氏の、いや『中居』ですね……中居の継続起用についてお聞きしたい。『だれかtoなかい』については言及されていると思うんですけど、スポーツの番組では、去年、何本も中居くんを起用して、新規の番組を何本も作っています。パリ五輪の7月の特番であったり、大谷選手の9月の特番であったり、はてはワールドシリーズにも起用しています。 

 

どうして、そういったキャスティングに関して、ストップがかからなかったのか。本当にそれは納得できないし、理解ができない。初動に関しては間違っていなかったにもかかわらず、1年半も使い続け、さらに新しい案件にも使い続けた。 

 

作らされましたよね、番組を。何も知らずに中居さんを出迎えてニコニコ打ち合わせをして、『頑張りましょう』と作ってきました。どうしてあの段階で止めてくれなかったのか」 

 

と怒りをぶつけていた。 

 

2023年12月に週刊文春は、吉本興業の松本人志氏の性加害スキャンダルを報じた。この時は、松本氏側の意向もあったが、フジテレビは番組出演を見合わせている。 

 

「松本さんの不祥事があったときに、止めるタイミングがめちゃくちゃあったと思うが、なぜやめなかったんでしょうか」 

 

と質問が出た。すると経営陣からは 

 

「主に改編のタイミングということもあるし、急にやめてもいいんですけども……そこでいろいろ苦慮、難しい判断が何個もありました。 

 

頭の中では(辞めなかった理由は)ありますが、本当にこれ第三者委員会に関わることなんで、これ逃げてるんじゃなくて……しっかり調査してもらって、間違っていたという判断だったら申し訳ないです。この場ではこれ以上はすいません」 

 

と第三者委員会を盾に理由を説明しなかった。 

 

社員が異口同音に語ったのは以下の主張だ。被害者の女性は1年半も隠ぺいし、謝罪もなく、ケアも不十分だった。一方で、中居さんはちやほやともてはやし、何事もなかったように番組に起用し、高額なギャラを払い続けていたではないか……。前出のAさんもこう語る。 

 

「説明会で、経営陣の言い分を聞いていると、被害者の女性はほったらかし、示談したのならそれでいいと考え、フジテレビは中居さんの側をとったという感じに思えてきた」(前出・Aさん) 

 

そう感じた社員は多かったようで、被害者の女性への対応について、説明会ではこう質問した社員がいる。 

 

「不通は、なにかしらこちらが対応策をつくったとき、本人にあてますよね? こういう策でやろうと思うんだけど、あなたの人権を守りたい。中居くんをとりあえず起用しなきゃいけないと思っているけど、これはどう考えますか? どうでしょう? と、(被害女性との)直接の対話っていうのを本当に誰もされてなかったんですか?」 

 

すると嘉納修治会長はこう回答した。 

 

「できてなかったというのは反省すべき点だと思っています。女性本人にどうやったらいいかと聞くのは……。僕も正直いって12月末に(報道が)出てからのことしか知らないんですけど、お医者さんやカウンセラーの先生の意見も聞いてやってたわけで。 

 

(被害者の女性)本人に聞かなくても先生の意見とかね、そういう人を介してでも、彼女の意向をもっと聞いて寄り添ってあげた方が良かったんじゃないかと。だから、いまだにそこのところは、反省すべき点だったと思います」 

 

と非を認めるも、 

 

「彼女じゃなくて、中居くんを取ったっていうことは絶対ありえません」 

 

と反論した。 

 

しかし、経営陣の答えは的を得ないものが大半だった。コンプライアンスの担当を長期間にわたって務めてきたという社員はこう発言している。 

 

「eラーニングによるコンプライアンス研修を、コンプライアンス推進室の人が毎年やってらっしゃいます。2024年の結果として役員の方の受講率が35.3%。社員とスタッフの(受講率の)合計85.6%なんですよ。 

 

役員の対象者は、当時の体制なので今とは対象(となっている人が)違うのですが、17名のうち合格者は6名しかいませんでした。これについては、役員の資質としていかがなものかと私は思っております」 

 

と経営陣、役員の資質に問題があると数字で明かすと拍手があがった。 

 

 

また、会社の現状として、視聴者関連の部署に在籍するという社員はこう発言した。 

 

「(経営陣が)彼女のプライバシーや人権を理由に、最優先にして、(問題を)オープンにしてこなかったっていう期間が1年半あったということなんですが、視聴者センターを担当してるんですけれども、この説明は本当に共感を得てない。この説明に納得している人はほとんどないです。クレームの嵐です。多くのスポンサーさんも、その説明には納得できないと思うんですよ」 

 

この社内説明会は、撮影、録音も禁止されていたが、フジテレビを守りたいのか、以下の発言をした社員もいた。 

 

「この社内説明会の情報が、TBSの報道に載っています。外部に漏えいさせている人がいます。取り上げられ方は、会見がよくなかったという取り上げられ方をしています。 

 

その情報漏えいにして下がるのは、僕の給料と僕のボーナスですよ。今笑った人、本当に許さないですよ。不正競争防止法上の営業秘密漏洩なんで、刑事罰あります。漏えいした人、まじで今日から眠れない日を送ってほしいと思います」 

 

説明会の内容を漏らすなと、まるで「脅し」のような発言をする社員もいる始末だったのだ。だが、この音声データを提供してくれたAさんはこう語る。 

 

「ニュースの記者は、例えば政府や警察、検察から情報を漏えいさせてそれをスクープだ、独自ネタとしてやっているわけです。それが自分の会社のことになると、急に、刑事罰だという。結局、会社や自分の身のことばかり考えているばかりだと思いました」(前出・Aさん) 

 

「天皇」日枝氏不在の1月27日の記者会見で、フジテレビは視聴者やスポンサーを納得させることができるのか。本当に被害者の女性に謝罪をするのであろうか? 

 

【詳報・一問一答】「この場で社長会長が辞任してくれないと月9ドラマが止まる!」悲痛のフジテレビ社員集会の一部始終《緊迫の1・23ドキュメント》につづく 

 

現代ビジネス編集部 

 

 

 
 

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