( 255391 ) 2025/01/26 04:50:03 0 00 注目を浴びるミニ野菜(左はミニ白菜)
野菜価格の高騰が止まりません。農林水産省の調査で、キャベツだと1キロあたり534円と、平年と比べて3.26倍にもなっています。さらに、白菜も2倍を超え、大根も1.7倍ほどと、調査した全ての野菜が平年より値上がりしています。このような野菜の高騰から比較的価格が安定していたカット野菜も、実質値上げに踏み切る動きが出始めています。こうした中、生産者と消費者にメリットがあるという「ミニ野菜」が注目されているのですが、どのような取り組みなのでしょうか。
東京・練馬区にあるスーパー「アキダイ」。取材した日はレタスは1玉321円、キャベツは1玉378円で販売されていました。アキダイの秋葉弘道社長によれば「キャベツのこの値上がりは歴史的に見て本当にあり得ないような値段」だといいます。
キャベツの価格高騰は、去年夏の猛暑などによる生育の遅れや品質不良で出荷量が減ったことが原因です。こうした中、この店で人気を集めているのがカット野菜の千切りキャベツです。
「いろいろな野菜が高くなったので、売れ行きが半端なくよい」(秋葉社長)
アキダイでは千切りキャベツを1袋138円で販売。野菜が高騰する一方、カット野菜は価格が安定しているため、割安感があり、想定の倍以上売れているといいます。
ただ物価の優等生と呼ばれるカット野菜にも値上げの動きが。カット野菜の製造販売を行う「サラダクラブ」では先週、5品目の内容量を15%から25%ほど減らす実質値上げに踏み切りました。
「主にキャベツの収穫量が減っているとのことですが」(田中瞳キャスター)
「産地の一部は収穫が昨年100としたら、今年は30ぐらいという話もある。物ができない時は市場からの買い付けもある」(「サラダクラブ」の金子俊浩社長)
サラダクラブでは通常、契約農家のキャベツだけで製造していますが、現在は割高でもキャベツを調達しなくてはならないといいます。
サラダクラブではキャベツの逼迫が3月ごろには解消されると想定し、今回の実質値上げを3月上旬までとしていますが、金子社長は「端境期が4月から5月ぐらいにある。その時にまた市場が厳しくなる」と話します。
松村さんは4種類のミニ野菜を生産している。
野菜の価格高騰が続く中、東京・品川にある「旬八青果店 大崎広小路駅前店」で行われていたのが野菜の無料詰め放題です。詰めていたのは、ネギの青い部分。その美味しさを知ってもらおうと、ねぎだく汁も配布。イベントを行ったのは、有機野菜などの通販を手がける「オイシックス・ラ・大地」です。
「農家にとっても今までは全く商品にならなかった部分。青い部分まで商品化されることで農家が収入を保てるメリットがある」(「オイシックス・ラ・大地」の中塚智世さん)
オイシックスは天候不良でも収穫量を増やす取り組みも行っています。群馬県の生産者、松村昭寿さん。収穫量は平年と比べ3割減少し、収入も3割減ったといいます。
「去年の暑さであったり、11月から12月に雨がなかった影響。白菜が開いてしまっている。こういうのは売り物にならない」(松村さん)
その松村さんの助けとなったものが、通常の野菜より小さい「ミニ野菜」です。ミニ野菜は生育期間が短いため、悪天候の影響を受ける可能性が低いといいます。
「ミニ白菜は植えて1カ月ぐらいで早いやつは収穫できる。普通の白菜は早い品種で2カ月ぐらい。かかるやつだと3カ月かかる」(松村さん)
松村さんはオイシックスからの提案で4種類のミニ野菜を生産。ミニ野菜を生産していたおかげで収入の減少を補うことができているといいます。
オイシックスは今後もミニ野菜の品目を増やしていきたいとしています。
「酷暑の影響や台風の大型化、夏から急に冬になるような急激な気候変動のさまざまなリスクに備えて、種苗の開発や商品の開発を進めていきたい」(「オイシックス・ラ・大地」の中塚智世さん)
※ワールドビジネスサテライト
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