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JR長野駅前で1月22日に3人を死傷させた事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された矢口雄資容疑者(46)の中学、高校時代を知る人々は、矢口容疑者が凶行を犯した人物だとは信じられないと述べている。

地元社会部記者によると、事件現場では血溜まりが残り、市内の会社では対応に追われた。

逮捕には多くの捜査員が携わり、矢口容疑者は素直に捜査に応じていたという。

矢口容疑者は学生時代は明るく、社会人としても順調に働いていたが、なぜ凶行に走ったのかは未だ不明。

捜査は進行中である。

(要約)

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矢口雄資容疑者(46) 🄫共同通信 

 

「高校での勉強の出来も、クラス内の立場も『中の上』くらい。社交的で温厚なクラスメイトでした。今回の事件を起こした人物だとは、今でも信じられません」 

 

  

 

 JR長野駅前で1月22日午後8時ごろ、3人を死傷させた事件。殺人未遂の疑いで逮捕された矢口雄資(ゆうすけ)容疑者(46)の中学、高校時代を知る人物は、現実を受け止めきれない――といった様子で淡々と記者に語ったのだった。 

 

 地元社会部記者の解説。 

 

「長野駅前の“善光寺口”付近にあるバス乗り場で22日午後8時ごろ、男女3人が刃物で次々に襲われ、死傷する通り魔事件が発生。襲われた人のうち、市内に住む丸山浩由(ひろよし)さん(49)が胸などを刺され、死亡しました。普段は家路につく人々や観光客で賑わうエリアですが、規制線が張られた駅ビルの入り口には血溜まりも残っており、騒然とした雰囲気でした」 

 

 発生から数日、長野市内の会社では社員のタクシー移動を推奨したり、地元の小学校では見守りを強化したりするなど対応に追われた。発生から約83時間での逮捕だったが、逮捕後の会見では県警幹部が捜査員の苦労について言及する場面もあったという。 

 

「県警は約220人態勢で捜査本部を設置。逮捕後の会見では、県警幹部が駅周辺の防犯カメラ映像を繋ぎ合わせて逃走経路などを調べる『リレー捜査』が重要な役割を果たしたと強調しました。不眠不休で防犯カメラ映像を見続けた捜査員もいたようです。 

 

 逮捕は26日午前7時13分。長野県警の特殊捜査班NSITが中心となって対応しました。長野市内にある容疑者の自宅に突入した際にはチェーンソーや強い光を放つ閃光弾も使用したそうです。容疑者は連行される際、暴れたり取り乱したりはせず、捜査員に対して素直に応じていたと聞いています」(同前) 

 

 市民の日常を襲った凶行に対し、執念の捜査が実った格好だが、逮捕された矢口容疑者はどのような人物なのか。冒頭の中学、高校時代の同級生が証言する。 

 

「学生時代は明るい性格で、人当たりがいい印象。中学時代はバスケットボール部に入っていました。勉強も学年の『中の上』から『上の下』で、全体的にソツがない人でした。何か気に入らないことがあると癇癪を起こしたり、誰かを傷つけたりとか、そういう話とは無縁でしたね」 

 

 矢口の生家の近くに住む人物は、矢口が育った家庭環境についてこう説明する。 

 

「(矢口が)小学校に上がる前だったかな。お母さんが乳ガンで亡くなってしまった。55歳くらいでした。兄弟は3人いましたが、お父さんが男手1つで子どもたちを育てていた。お父さんは市内で時計屋を営んでいます。婿入りして店を引き継いでいるから、80年以上続く、かなりの老舗。再婚もしないで頑張っていたんですけど、なんでこうなっちゃったんだろうね……」 

 

 前出の同級生は、社会人になった20代の矢口にも邂逅しているという。最後に会った日を振り返り、嘆息する。 

 

「(会った時は)普通でしたよ。病んだり、何か変わったな、と思うことはありませんでした。IT系の会社に入って、仕事を頑張っていると言っていましたね。その後、30代、40代に何か大きな挫折や、転落を味わってしまったのでしょうか……」 

 

 前出の社会部記者が続ける。 

 

「矢口は取り調べに対して黙秘を貫いていますが、殺人を含む余罪の立件に向けて捜査本部は丁寧に裏取りを進めています」 

 

 そつなく、楽しげな学生時代を過ごし、会社員としても精力的に働いていたことが窺える矢口。なぜこのような凶行に走ってしまったのか。県警の“執念の捜査”はまだ続きそうだ。 

 

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