( 255879 )  2025/01/27 04:56:11  
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和食の代表格である煮物を作る人が減っている現代の生活事情について、都内に住むTさんやMさん、埼玉県在住のIさんのエピソードを通して紹介されている。

忙しい生活や少量の調理難易度、家族構成の変化などが煮物食べなくなる理由として挙げられている。

(要約)

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そういえば最近、煮物を作って食べてない(イメージ) 

 

 和食の定番メニュー・煮物。長い歴史を持ち、多くの人たちに愛されてきた料理で、“おふくろの味”の代表格に挙げる人もいるだろう。一方で、自炊している人の中でも「最近煮物は食べていないな」という人も多いのではないか。なぜ煮物を作らなくなったのか、食べなくなったのかを聞くと、現代に生きる人たちの生活事情が見えてきた。 

 

 東京都で一人暮らしをしているTさん(30代男性)はコンサルティング会社に勤めていて、忙しい日々を送っている。時間があれば自炊もするが、「煮物」は作ったことがない。「問題は、時々しか使わない調味料が必要なこと」だという。 

 

「実家では親が肉じゃがやひじき煮なんかを作っていましたが、一人暮らしになると、自分ではそういう煮物は作りませんね。家に帰るのは毎日21時くらいで、ただでさえ料理を作るのは面倒なのに、煮物は時間がかかる。そのうえ、調味料の問題があります。酒やみりんなんかを買うと、絶対余らせてしまう」 

 

 とはいえ、本来は料理好きというTさん。何年か前に豚の角煮を作ろうと思い立ち、実行したことがあるが、それ以来多忙を極めたこともあり、作っていない。 

 

「そういえば冷蔵庫に、その時買った料理酒が残っているような気がします(苦笑)。煮物に必要な調味料って、毎日がっつり料理をする人じゃないと全部使い切れない。それはそれでなんだかもったいなくて、塩とこしょう、醤油以外の調味料が必要な料理は作らなくなりました」(Tさん) 

 

 野菜の価格を気にする東京都在住のMさん(30代女性)も「煮物は作らない」。少量が作りづらいことを指摘する。 

 

「煮物って、作ろうとすれば基本的に大量にできてしまって、一人で一日では食べ切れない。私は会社帰りに同僚や友人とご飯を食べて帰ることもよくあり、そうなると作り置きが無駄になりがち。かといって何日も同じ煮物を食べるのは飽きるので、作りません」 

 

 そんなMさんが最近ハマっているのは、「コンビニの少量パックの煮物」だという。 

 

「コンビニのパック惣菜で、一人用の肉じゃがや筑前煮なんかがあるんです。レンジであたためるだけですぐ食べられて、便利ですよ。メインは自分でつくるという時の副菜としても重宝しています。煮物は買うのがいちばんです」(Mさん) 

 

 

 埼玉県在住のIさん(40代女性)は子供が2人いる4人家族。「野菜がメインの煮物は、子供たちのメインディッシュになりづらい」と語る。 

 

「いわゆるおふくろの味の煮物って、ご飯、みそ汁、そして主菜があったうえで、副菜としてあるもののイメージです。そういう煮物って、家族何人か分の料理をつくる前提で、かつ調理に時間をかけられた時代だからこそ定番化した料理なんじゃないかな」 

 

「煮物自体は嫌いではない」というIさんが、煮物を食べるシーンは「小料理屋さんか、惣菜」だという。 

 

「本当は時間をかけて、煮物をゆっくり作る生活に憧れます。一時、圧力鍋や保温調理鍋など、時短につながる調理器具を買って煮物を作るのもいいなと思ったことはあるのですが、狭いキッチンに大きな調理器具を増やしたくないのも現実で……。」(Iさん) 

 

 かつて煮物といえば家庭の味だったが、いまや買うもの、外で食べるものになってきているのか……。“煮物離れ”が進む現状は日本人のライフタイルの変化を映し出しているようだ。 

 

 

 
 

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