( 255901 ) 2025/01/27 05:18:48 0 00 玉木雄一郎衆議院議員
2024年は「SNS選挙元年」と称したくなるほど、選挙におけるSNS活用が勝敗を大きく左右した。
なかでも注目されたのが石丸伸二氏だ。石丸氏は新党「再生の道」を立ち上げ、6月の都議選に候補者を擁立する予定であることを表明している。
同じくSNSを巧みに活用して党勢を拡大してきた国民民主党の玉木雄一郎氏に、石丸氏の印象や都議選について聞いた。玉木雄一郎氏独占インタビュー全6回の第3回。
ーー昨年の東京都知事選で注目を集めた石丸伸二さんについては、どのようにお考えですか?
石丸さんとは対談させていただいたこともありますが、非常にしっかりとした政治家だと思います。「アンシャン・レジーム(古い体制)」とも言える既存の因習的な制度を打ち壊し、新しい日本を作ろうとする姿勢には共感しています。停滞して動きが見られなくなっている日本社会を活性化しようという彼の取り組みは、私たち国民民主党の理念とも一致しています。
今年は「巳年」ですね。長い間、日本の経済や社会は停滞し、まるで冬眠しているような状態でした。しかし、今ようやく春が訪れ、動き始めています。日本経済はバブル崩壊以降、「もう成長しない」とか「少子高齢化だから仕方がない」といった考えが刷り込まれ、思考停止に陥っていました。しかし今、その土の中から抜け出し、新しい世界を作ろうという動きが社会全体で求められています。
石丸さんも、私たち国民民主党も、そのような社会の期待に応えるメッセージを発信し続けています。SNSなどを活用して、若い人々や現役世代を中心にその思いを伝えられたことが、大きな成果につながったのだと思います。
ーー石丸さんが新党を立ち上げ、都議選に挑戦すると伺っていますが、この動きについてはどのように見ていますか?
石丸さんの挑戦は、非常に意欲的でチャレンジングな取り組みだと思います。彼の新党が掲げる理念や政策の一部には、国民民主党の支持者と重なる部分も多く見受けられるため、その影響を実感しています。
実際、都知事選の際には、国民民主党の支持者のうち約4割が石丸さんに投票したという出口調査の結果が示されています。このことからも、彼が有権者に与える影響力の大きさを感じざるを得ません。そのため、今回の都議選がどのような結果を生むのか、私たちも強い関心を持って注視しています。
一方で、私たち国民民主党としても、都議選での議席獲得を目指して取り組んでいます。特に、複数の当選者が出る選挙区を重点的に狙い、戦略的に候補者を擁立しています。
ただし、少数当選の選挙区では、競争が激しくなるため、厳しい局面も予想されます。それでも、都議会での発言力や影響力を高めることを目指し、しっかりと地元有権者の声を聞きながら努力を重ねていく所存です。
ーー石丸さんの動きについて、「怖さ」を感じる部分はありますか?
それは確かにあります。都知事選で蓮舫さんを抑えて2位になったというインパクトは非常に大きく、その影響は今も残っていると思います。
一方で、自民党や立憲民主党が「103万円の壁」の引き上げに反発している姿を見ると、どちらの政党も古い政治の枠組みに縛られているように感じます。私たちの主張に対しても、「財源はどうするのか」といった批判を受けることがありますが、過去30年間の政策を振り返ると、結局は「税を取れるところから取る」というやり方ばかりでした。
では、その集めた税金は何に使われているのかと考えると、効果は出ず、少子化も止まらず、経済の活性化も実現できていません。それにもかかわらず、税負担だけが増え続けているという現状に、多くの国民が限界を感じ始めているのではないでしょうか。
だからこそ、今年も「新しいことに挑戦する政治」が多くの期待を集めると思います。その挑戦を通じて、これまでの枠組みを乗り越えるような変化を起こす必要があると考えています。
ーー前回の衆院選で立憲民主党が議席を伸ばしたことについてですが、それは国民が既存の政治に対して「ノー」を突きつけた結果だと考えています。立憲民主党への「イエス」ではなく、むしろ既存政治へのアンチテーゼという見方もできるのではないでしょうか。
その点は確かにあると思います。立憲民主党は議席数を増やしたものの、比例票は7万票程度しか増えておらず、ほとんど横ばいの状態でした。このことからも、国民が既存の政治勢力に対してアンチテーゼを求めているという印象を受けます。
今回当選した新人議員を含めてお伝えしているのは、国民民主党が2020年に結党し、今年で5年目を迎える中で、常に自らをアップデートし続ける必要があるということです。政治に向き合う姿勢として、私たち自身も「古くなっていく」という危機感を常に持ちながら、政策や考え方、さらには党としての存在そのものを絶えず刷新していかなければならないと考えています。
フレッシュな民意に応え続ける努力を怠ってはならないと思っています。国民の期待に応え、変化する社会の中で存在感を発揮するために、私たちはこれからも前進を続けていきます。
玉木雄一郎
|
![]() |