( 256024 )  2025/01/27 15:19:36  
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国民民主党はなぜ基礎控除178万円を主張しているか、その根拠として毎月の最低必要生活費がどれぐらいかを問題視している。

現状の基礎控除48万円や与党案の58万円では不十分とし、税金が取りすぎと指摘。

給与所得控除や社会保険料の問題も取り上げ、経済を回すためには適切な収入を得ることが重要だと述べられている。

(要約)

( 256026 )  2025/01/27 15:19:36  
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「なぜ国民民主党は178万円にこだわるのか」と聞かれますが、申し上げたいのは「生活のために最低限必要なおカネは、いくらですか」ということです。 

 

現状、基礎控除は48万円、つまり月に4万円です。いくらなんでも安すぎませんか。生活保護でも月におおよそ10万円ほど受け取れるのに、頑張って働いた人が、月収4万円を超えたら税金を取られるというのが、そもそもおかしい。 

 

与党案の「123万円への引き上げ」では基礎控除を58万円に上げるとしていますが、明らかに足りません。生活保護の財源に目くじらを立てる人はいないのですから、「財源はどうするんだ」という批判も的外れです。 

 

与党は「103万円を物価上昇率にあわせて2割上げると、123万円になる」とも主張しますが、これは食料品・生活必需品の物価や、光熱費の上昇率しか考慮していない数字です。 

 

今まで、基礎控除額が低すぎて「税金の取りすぎ」の状態がずっと続いていたのですから、お返しする必要があるでしょう。 

 

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「103万円の壁」は、ボウリングで言えばセンターピンのようなもの。今回、私たちがこれを倒したことで、ほかの「年収の壁」や税金・社会保険料の問題についても見直しの議論が盛り上がったわけです。 

 

もちろん働きすぎはよくないけれど、働きたい人、働ける人が適切な勤務形態で働いて、それに見合う収入を得ることは、経済を回すために必要なことです。 

 

今は税控除に関する議論が中心ですが、もちろん社会保険料の改革や支援策も議論していきます。社会保険料は、納める側にとっては税金のようなものなのに、国は取りやすいからといって、どんどん負担を重くしてきました。 

 

しかも、雇用する企業も半分負担しなければならないので、特に中小零細企業にはすごく重い負担になっている。それがなかなか正規雇用者が増えない一因になっていますから、雇用を安定させるためにも、議論しなければなりません。 

 

日本は、物価上昇を超えて給料が上がっていくか、それともまたデフレに逆戻りするかの瀬戸際にいます。 

 

タイヤをこれまでと逆の方向に回転させるには、大きなパワーが必要です。今年は参院選もありますから、日本経済をデフレから脱却させ、好循環のエンジンを回し始める年にできると信じています。 

 

 

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今回、週刊現代編集部から財務省に文書で質問し、以下の回答を得た。 

 

「103万円の壁」について、現状、政府与党の引き上げ案が123万円にとどまっている理由を改めて教えてください。 

 

いわゆる「103万円の壁」に関しては、所得税の基礎控除の額が定額であることにより、物価が上昇すると実質的な税負担が増えるという課題に対応するため、物価動向を踏まえ、基礎控除の額と給与所得控除の最低保障額を10万円ずつ引き上げることとしております。 

 

この引き上げ幅は、消費者物価指数(総合)が、最後に基礎控除の引き上げが行われた平成7年から令和5年にかけて10%程度上昇し、令和6年も10月までに3%程度上昇しており、今後も一定の上昇が見込まれること、また、生活必需品を多く含む基礎的支出項目の消費者物価が平成7年から令和5年にかけて20%程度上昇していることを踏まえたものです。 

 

国民民主党の言う「178万円」への引き上げが行われる可能性はあるのでしょうか。 

 

ご指摘の点については、政党間で議論される事柄であると承知しており、政府としてコメントすることは差し控えます。 

 

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国民民主党だけでなく、野党には「減税」を訴える政党がありますが、「財源の裏付けが乏しい」ことを指摘する声もあります。財源の問題について、財務省はどのように考えますか。 

 

財務省としては、財政や社会保障が将来にわたって持続可能なものとなるように、恒常的な重要課題については安定財源を確保することが必要であると考えています。 

 

こうした中で、力強く経済再生を進めながら、財政健全化も実現していく「経済再生と財政健全化の両立」を図ることが重要であると考えております。その上で、 

 

・令和7年度予算では、これまでの歳出改革努力を継続する中で、人事院勧告を受けての給与改善や物価動向の反映などを行いつつ、政策的予算を適切に確保した結果、 

 

・過去最高となった税収増を歳出に充ててもなお、赤字公債を含め28.6兆円の新規国債を発行するとしていること、 

 

・13.9兆円の歳出増を伴う大規模な経済対策を実施していること、 

 

・国の債務残高が約1129兆円に上る見込みになっていることを踏まえる必要があると考えております。 

 

「週刊現代」2025年1月25日号より 

 

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