( 257691 ) 2025/01/30 18:08:29 0 00 「路上喫煙全面禁止」と書かれた広告
大阪市では27日から市内全域で路上喫煙が禁止になりました。3カ月後に迫る「大阪・関西万博」などを受け、国際的な観光都市を目指すための措置ですが、今その最大の障壁となっているのが「喫煙所」の数です。どう克服すればよいのでしょうか?
27日、午前9時。大阪市内の路上に作業員が張りつけていたのは「路上喫煙全面禁止」と書かれた広告です。27日から施行された大阪市内全域を対象とする路上喫煙禁止を改めて周知します。市内では早速、指導員が巡回する姿もありました。
大阪市内ではこれまで、梅田や難波など繁華街の一部エリアでのみ路上喫煙を禁止していましたが、今回市内全ての路上や広場、公園などで禁止に。紙タバコに加え、加熱式たばこも規制対象となり、違反した場合は過料1000円が徴収されます。
全国でも最も厳しいレベルの禁煙措置となります。大阪市内の喫煙所では、喫煙者があふれる姿も見られました。さらに市内の公園では、近くに喫煙所があるにもかかわらず、外でたばこを吸う人も。
喫煙者からは「大阪市内全域でしたよね。(禁煙は)いいと思います。ただ問題なのは、吸える場所。分かりやすい場所にいっぱい欲しい」「今は喫茶店でもどこも吸えない。喫煙所を増やしてほしいが、難しいのかも」との声が上がります。
27日の時点で、市内には313カ所の喫煙所が設置されていて、大阪市は万博開幕までにさらに増やしたいとしています。ただ、大阪市内の喫煙推定人口は63万人。喫煙所の数が足りないのが現状だといいます。
「THE TOBACCO」に置かれたデジタルサイネージ
こうした喫煙所不足を新たな手法で解決しようとする動きが広がっています。 東京・有楽町駅の高架下にある喫煙所「THE TOBACCO 2:50.76」。同店は午前8時から午後9時まで無料で開放。都内の一等地に無料で喫煙所を開放できる理由はなんでしょうか。
「われわれの大きな収益源となっているのが、デジタルサイネージ広告。主にビジネスマンが視聴することが多いので、30〜50代の男性にアプローチしたい企業に広告を出してもらっている」(The TOBACCOを運営する「コソド」の山下悟郎CEO)
喫煙時間は1回およそ5分で1日複数回に及びます。この時間にデジタルサイネージによるターゲットを絞った広告が効果的だといいます。また、企業からの依頼で、THE TOBACCOの喫煙所には、消臭スプレーなどの試供品を置いたり、アンケートの実施も行っています。 結果をフィードバックすることでも収益を上げているのです。
さらに、秋葉原にあるThe TOBACCOの店舗は、商業施設の中にあります。商業施設内に喫煙所を作ることで、意外な効果が生まれているといいます。
「商業施設に対するメリットは人流をつくることができるのが一番大きい。秋葉原の店舗だと1日大体1300人ぐらいが利用している」(「コソド」の山下悟郎CEO)
普段施設を利用しない人も喫煙所を目指して客が入ってくるため、ついで買いなどの影響が他の店にあるといいます。
現在、The TOBACCOの店舗は全国で122店舗。1年後には、300店舗まで拡大したいといいます。
「今だとインバウンド客もたくさん来て、外で吸う文化圏の人が多い中で受け皿になる場所がない。われわれが出店することで観光客にも認知してもらい、国内でマナー良く観光してもらえば」(「コソド」の山下悟郎CEO)
※ワールドビジネスサテライト
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