( 258371 ) 2025/02/01 04:49:23 0 00 GettyImages
1月31日、皇位継承のあり方を巡る衆議院の正副議長と与野党との全体会議が行われる。当日、現代ビジネスは出席議員の一人からその内幕の証言を得た。
「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」と題され、衆議院議長公邸で開催され、与野党の幹部が論議を重ねてきたものだ。
皇位継承について、これまで開催された有識者会議での論点は
・皇位継承において、悠仁親王殿下までの流れはゆるがせない。
・女性皇族の婚姻後の身分保持
・皇族数を増やすための養子縁組
の3つとなっている。
有識者会議では、「皇族数確保の必要性」などの立場から、皇室典範特例法案を改正し、女性皇族にも婚姻後、身分を保持して公的活動に参加してもらうという意見が多くを占めていた。一方で、女系天皇につながるおそれがあるとして、皇位継承資格を女性に拡大することへの懸念も語られきた。
だが、自民党幹部のひとりは
「悠仁親王殿下までの皇位継承順位はゆるがせていけないという方向性、養子縁組での皇族数確保は各党ともおおむね、賛意が得られている」
と語る。
1月31日の全体会議での焦点は皇族数確保のため「女性皇族の婚姻後の身分保持」という点だ。とりまとめが難航しかねないという声が上がるなか、有識者会議ではすでに「制度の検討を進めていくべき」としている。
自民党は「皇族数確保のため必要」。立憲民主党は「女性皇族の婚姻後が皇族として残ることには異論なし」という方針だ。
河村たかし氏 (c) 現代ビジネス
共産党は「女性天皇を認めることは日本国憲法に照らしても合理性を持つ。女系天皇も同じ理由で認められるべき」「国民の大多数は女性天皇に賛成」と「女帝」にまで踏み込む。
その中で、対応が注目されているのが昨年10月の衆議院選挙で3議席を獲得した、日本保守党の存在だ。政策のトップに
《日本の国体、伝統文化を守る 皇室典範を改正し、宮家と旧宮家との間の養子縁組を可能にする》を掲げている。
1月31日、全体会議に出席する日本保守党の河村たかし共同代表を直撃するとこう語った。
「悠仁親王殿下までの皇位継承をゆるがさないことと、養子縁組はマルと日本保守党の会派、全員で決めた」
だが、「女性皇族の婚姻後の身分保持」について聞くと
「不同意という意見を今日、述べるつもりだ」
と話した。さらに
「日本では長く、男系男子で皇統を継いできた歴史がある。そこを最優先することが大事だ」
と明言した。
また、女性皇族の婚姻後も皇族という身分を持った場合について、
「これまで論議されてきた、女性宮家の設立や女系天皇までも想定される。どこかの党は、『天皇を男子に限定する合理的な理由はありません、女性天皇の誕生まで検討すべき』と言わんばかりだ。
果ては、皇室は不要だとまで言いたいのか。皇室は国民から敬愛されている。今後もずっと男系男子で続けてもらいたい」
河村氏は一気にそう語った。
皇室の減少はその存続が危ぶまれている。そこで河村氏は旧11宮家の男系男子との養子縁組を進めるように皇室典範の改正が必要だという。
「日本が戦争に敗れて、アメリカ、GHQが日本に乗り込み皇室についてどう対応するかを決めていった。GHQが皇族の縮小化を指示して、旧11宮家は皇族離脱となった
歴史があります。
まずは、旧11宮家との養子縁組ができるように皇室典範を改正して皇族数を増やすことを先にやるべきだ」
河村氏は全体会議にさきがけて、1月23日にも額賀福志郎衆院議長と玄葉光一郎副議長と面会し、意見を聞かれている。河村氏はその時の様子を
「正副議長と各省庁のお偉方がずらりと並んでいらっしゃった。懸案とされる女性皇族が婚姻後、皇族の身分を続けることについて、議長は
『女性が婚姻後も皇族の身分を保持することは承知しましたということでいいですね』
『各派各党も合意している』
と言いました。
『男系の男子を守っていくこと、皇族数が減少している中で女性皇族が婚姻後も、皇族の身分を保持するということは皇室制度を支えることになりませんか』
『悠仁天皇時代は誰が支えるのか』
とも付け足した。副議長はさらに
『認めた方がいい。ほぼすべての政党の考え方です』と押してきた。
要は、うちも含めて与野党すべてで『合意』と言ってほしい、いわゆる全会一致にしたいと私には聞こえました。そこで、『ちょっと待ってちょうよ』と私は述べました。
衆議院の事務局長は、複雑な表情でしたわ」(河村氏)
河村氏は、こう続けた。
「愛子さまにおかれては非常にフレンドリーで人気もあります。立派に皇室の公務をなさっておられる。人間的には、心動かされるところもある。しかし、日本の歴史を踏まえると、やはり男系男子でやっていくべきではないか。11宮家の養子縁組という方策があるのに、それを飛ばしてというのはよくない」
今後、皇室典範改正へどんな論議がなされるのか?
現代ビジネス編集部
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