( 258414 )  2025/02/01 05:42:56  
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フジテレビでは、第三者委員会が設置されて日弁連のガイドラインに基づいて調査を行っている。

調査内容は、中居氏と女性トラブルに関する会社の関与や類似事案の有無など多岐にわたる。

調査方法にはヒアリングが含まれ、関係者への聞き取りが重要であるが、強制力がなかったり、守秘義務があったりと調査にはハードルもある。

経団連の要請に応えるために、CMスポンサー企業も日枝氏の進退に注目し、日枝氏の退任や続投の可能性についても検討されている。

(要約)

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フジテレビ信頼回復へ 第三者委員会聞き取り調査にハードルも 焦点は日枝氏の進退か 

 

 フジテレビの親会社の社外取締役は、経営陣の刷新を巡って新たな提言をしている。日枝久取締役相談役の進退はどうなるのか。まず、第三者委員会の調査がどう行われるのかを見ていく。 

 

 今後の信頼回復のカギを握るとされるのが第三者委員会だ。 

 

 23日に設置された第三者委員会は、日弁連のガイドラインに基づき、利害関係のない委員で構成される。委員長は竹内朗弁護士、委員は五味祐子弁護士、寺田昌弘弁護士となる。この3人を10数人の弁護士がサポートして調査を行うとしていて、3月末をめどに調査報告書を提出する予定だとしている。 

 

 この第三者委員会が実施する調査事項は、「中居氏と女性のトラブルへの会社の関わり」「類似事案の有無」「事案認識後の会社の対応」「会社の内部統制、ガバナンス、人権への取り組み」などだ。 

 

 調査は具体的にどのように進められるのか。そこにはハードルもあるという。 

 

 日弁連の第三者委員会のガイドライン作成にも関わった中央大学法科大学院教授の野村修也弁護士によると、想定される調査方法は、社内資料やデータの分析、関係者へのヒアリング、アンケートの実施とその集計、分析を行う。 

 

 なかでもヒアリングが一番時間がかかり、重要になるという。 

 

 想定されるヒアリング対象者は、港前社長を含むフジテレビ幹部、中居氏出演の番組関係者、タレントと接点が多い社員、中居氏とマネジャー、中居氏とトラブルになっていた女性と関係者などだ。 

 

 なかでもキーパーソンの聞き取りには、一人ではなく複数の委員が一緒に面談を行いニュアンスの違いをすり合わせる必要がある。 

 

 そして、さまざまなハードルも立ちはだかるという。まず、調査には強制力がないという点だ。そして、中居氏と被害女性の間で示談が成立していて、守秘義務があることから、調査に協力してもらうには相手方に対し守秘義務を解除してもらう必要がある。さらに、時間的制約もあり、こうした調査を行ったうえで3月末に調査報告書を提出するのは相当困難ではないかという指摘もある。 

 

 過去に行われた第三者委員会は、使命を果たすことができたのか? 

 

 「第三者委員会報告書格付け委員会」という組織がある。報告書に対する社会的信用を高めることを目的に、日弁連のガイドライン作成に携わった弁護士を中心に組織されている。 

 

 過去に行われた28の報告書を5段階で格付けしている。複数の委員がそれぞれ評価を付けているので、件数の数が多くなっているが、最高評価のA評価はわずか2件のみ。D評価が18件と最も多く、次いで、不合格のF評価が16件ある。 

 

 低評価の理由には、企業トップへの聞き取りが不十分であることや、報告書の評価が企業寄りになっていることなどが指摘された。 

 

 

 フジテレビの経営陣刷新を求める声が高まっている。 

 

 役員の今後の進退について、フジテレビの遠藤龍之介副会長は「嘉納(前会長)と港(前社長)が退任した後の新組織はあくまで暫定的なもの。第三者委員会の報告をめどに、それぞれの役員がそれぞれの責任をとるべきだと思う」と話し3月末に経営体制が代わる可能性を示唆した。 

 

 こうしたなか、経営陣の刷新を求める動きもある。28日に、文化放送の齋藤社長を含む、フジ・メディア・ホールディングス(HD)の社外取締役7人が連名で、フジ・メディアHDとフジテレビの社長宛に提言を公表した。 

 

 4月をめどにスタートする新たな経営陣の人選は極めて重要としたうえで、候補者の面談など、調査を実施するための情報提供を求めるとしていて、新たな経営陣の人選に関わる考えを示している。30日正午から開かれる取締役会で、社外取締役の提言についても話し合うとみられている。 

 

 さらに、社外からも経営刷新を求める声が高まっていて、日枝氏の進退が焦点になっている。 

 

 フジ・メディアHDの株式を1%保有する、イギリスの投資ファンド「ゼナー・アセットマネジメント」は「フジ・メディアHDにおける日枝氏の影響力は不釣り合いであり、これを精査し、見直す必要があると感じざるを得ない」とし、40年以上フジテレビの役員を務めている日枝氏を念頭に、取締役の在任期間などを見直す必要があると指摘している。 

 

 CMを見合わせているスポンサー企業はどう評価しているのか。企業Aは「日枝さんが結局辞めなかったというところで、根本的な解決にはならないのでは、また繰り返すのではという疑問は残っている」としている。また、企業Bは「日枝さん辞めないのは、ちょっとどうかと…。視聴者や世間は納得しないのではないか」といった声も上がっている。 

 

 では、今後、日枝氏にはどのような進退が考えられるのか?  

 

 野村弁護士によると、まず、フジ・メディアHDの場合は日枝氏が自らの判断で辞任するケースがある。自ら辞めない場合は、6月に予定されている定時株主総会に委ねられることになり、任期満了で退任するケースとなる。また、株主総会で再任された場合は続投も考えられるという。そして、法律上株主により解任されるケースもある。株主総会の解任決議で過半数の賛成があれば解任される。この場合、会社法により、株主の提案は総会の8週間前までにしなければならない。 

 

 フジテレビのCM見合わせの動きが止まらないなかで、キリンホールディングスは20日、「すべてのビジネスパートナーに当社の人権方針の理解と遵守を求めている」と、フジテレビへの広告出稿を停止した理由を自社のホームページに掲載した。 

 

 こうした動きの背景にあるのが、「ESG」と呼ばれる「環境」「社会」「ガバナンス」を考慮した投資活動や経営・事業活動を重視する動きだ。 

 

 経団連の十倉雅和会長も28日の会見で「人権問題に敏感で嗅覚を鋭く持つことが要求されていることから、スポンサー企業もCMを控えたと思う」と述べた。 

 

(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年1月30日放送分より) 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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