( 258669 )  2025/02/01 17:10:24  
00

経済アナリストの森永卓郎さんは、2023年11月にがん宣告を受けた後も、執筆活動や番組出演などの仕事を精力的に続けていた。

がんとの闘いで前向きな気持ちと自分がやりたいことを実行することが免疫力を高める重要性を感じ、好きなものを思う存分食べることや創作活動を通じて免疫力を高める方法を実践していた。

また、健康に気を配りつつも、タバコを止めず自分の選択で命を全うする姿勢を貫いていた。

彼は自分の望む生き方を選ぶことを決意し、自らの人生を大切にする姿勢を示していた。

(要約)

( 258671 )  2025/02/01 17:10:24  
00

森永卓郎さんは余命宣告を受けて生き方をどう変えたのか 

 

 1月28日に亡くなった経済アナリストの森永卓郎さん(享年67)。2023年11月にすい臓がんのステージIVと診断(その後、原発不明がんと診断)され、「余命4か月」を告げられてからも亡くなる直前まで執筆活動や番組出演をはじめ数多くの仕事をこなしてきた。週刊ポスト1月27日発売号では、森永さんの独占手記を6ページにわたって掲載している。がん宣告後の生活について、森永さんは次のように明かしてくれていた。 

 

 がんを宣告された時、頭の大部分を占めたのは獨協大学のゼミ生と完成間近の新著のことだった。特に後者は40年余りの経済研究の集大成かつ戦後史を塗り替えるもので、それまでメディアでタブーとされた内容を命がけで完成させたいと思い、病床で次男が口述筆記して『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』(三五館シンシャ 2024年3月刊)が出来上がった。 

 

 私は医師ではなく、医学的に正しいかどうかわからないが、余命数か月と宣告されてから1年以上も生き抜いた経験から言えば、「前向きな気持ち」で免疫を高めることが、がんとの闘いにおいてはとてつもなく重要ではないかと思う。ある医師は私にこう言った。 

 

「免疫量は健康状態に比例しますが、免疫の3割はどれだけ前向きに生きるかという精神面の要因に左右されるんですよ」 

 

 このために必要不可欠なのは、自分がやりたいことをやって、つらく苦しい治療や生活スタイルを避けることではないか。私の場合は熱心に打ち込める仕事があったことが幸いした。「やりとげるまで死ねない」という強い意志が自分を立ち上がらせてくれた。 

 

 今最も楽しいのは、寓話を創作している時だ。想像の泉が噴出して次々にアイデアが浮かび、徹夜も辞さず書き続けている時の興奮が免疫力を高めていると思えてならない。昨年末に出版された私の寓話集『余命4か月からの寓話』(興陽館)は続編となる2巻と3巻もすでに脱稿している。イソップ物語を超える25巻まで出すことが今の私の目標で、生きるモチベーションになっている。 

 

 

 がんになってから食事や生活習慣について膨大なアドバイスをもらったが、私が決めたのは好きな物を好きなだけ、何も気にせず食べること。やりたい放題で、何も気にせずバットを振り抜くことが大事と考えた。 

 

 特に糖分に関して、がんの好物が糖分なのでお菓子を食べるなと言う人もいたが、自分の最大の課題は体重減少を止めることなので、アイスやケーキを間食でバンバン食べ、一日中、アメを舐めている。オクラやめかぶなどのネバネバ系も健康にいいとされるが嫌いだから口にしない。 

 

 ラーメンやカルビ、豚バラブロックなど脂っこいものも好物で積極的に食べている。量は食べられなくなったものの、一番好きなのは「食べ放題」の店で、スプーン一杯のカレーと焼きそば3本、焼肉2枚とか、いろんなものを少しずつ食べるのが楽しい。そんな食べ方が許されるのは、食べ放題の店だけだろう。 

 

 一方でがんになってから栄養価が高くて効率がいい卵やヨーグルトを毎日食べるようになった。温浴療法も勧められたので、妻と一緒にスーパー銭湯に行って、かけ流しの温泉に入ることも日常のルーティンになった。 

 

 少しは健康に気を遣っているが、タバコはやめていない。今も1日20本以上吸う不健康なライフスタイルである。この先、がんの転移が広がって重篤な状態になったとしても、入院はしないし、延命治療を受けるつもりもない。命があるうちは、つらいことや苦しいことはせず、自分が楽しいと思うことだけを思い切りやりたい。 

 

 ただし、これはあくまで私個人の人生観であり、やりたい放題やった結果、寿命が短くなる可能性もある。それでも、多少命が縮んでも何のストレスや苦痛もなく、残りの人生を過ごすほうがいいというのが私の選択だ。自分の人生だから、最後は自分で選びたい。 

 

「もうすぐ死ぬ」という最強のカードを手にしたのだから、他人にとやかく言われる筋合いはないはずだ。命が尽きるまで誰にも忖度せずフルスピードで走り続けて、運命が尽きた日に、前向きに倒れる。それが今の私が考える、がんとの向き合い方だ。 

 

 * * * 

 現在、マネーポストWEBでは、関連記事《【独占手記・全文公開】森永卓郎氏、がんステージIV「余命4か月」宣告でも精力的に生きられる秘訣 お金、健康、人間関係の整理…常識に囚われない心得を明かす》にて、森永さんの手記を全文公開している。資産整理、治療の様子、気の持ちよう、そして最愛の家族も含めた人間関係についてまで、がん宣告されてから亡くなる直前まで、森永さんがたどりついた考え方を詳細にレポートしている。 

 

※週刊ポスト2025年2月7日号 

 

 

 
 

IMAGE