( 259399 )  2025/02/03 04:50:59  
00

冬のタイヤ選びについて、一部の人はスタッドレスタイヤを必須と考えており、これは積雪地域や高性能タイヤの高価格化などが理由とされる。

一方で、タイヤを交換せずに通年同じタイヤを使うノーマル派もいる。

オールシーズンタイヤ導入を検討する人もおり、積雪や凍結路面に対応する上で選択肢となっている。

タイヤ選びには住んでいる地域やクルマの使用目的が重要であり、自分の生活スタイルやクルマの使用用途に合ったタイヤを選ぶことが重要である。

(要約)

( 259401 )  2025/02/03 04:50:59  
00

 冬になると、住んでいる地域や行動範囲によってはスタッドレスタイヤへの交換が必須となります。 

  

 一方で、積雪や路面凍結が起こる可能性はあるものの、タイヤ交換の予定のないノーマル派もいます。それぞれどういった意見があり、どのような考えなのでしょうか。 

 

スタッドレスタイヤ履き替えの判断どうしてる?[画像:PIXTA・イメージです] 

 

 スタッドレスタイヤは、氷点下でも柔らかさを保つゴムを使用しており、新雪路のほか雪が踏み固められた圧雪路、凍結路面でもグリップを発揮します。 

 

 いっぽう、シーズン外は保管しておく場所が必要であり、都度履き替えると費用も発生します。また、近年はタイヤの値上げや高性能化からスタッドレスタイヤ自体も高額になっているケースもあります。 

 

 日本では早いところで例年12月から初雪が観測され始め、12月中旬頃からは日本海側の多くの地域で降雪の可能性が出てくるため、積雪地では11月の終わりごろなど、早めに冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)への交換を済ませる習慣があります。 

 

 しかし、積雪地でもスタッドレスタイヤへ変えないという人や、関東平野部など、例年積雪するほど雪の降らない地域でスタッドレスタイヤを履く人もいます。 

 

 それぞれどのような理由があるのでしょう。今回、広島県在住の複数の人に状況を聞きました。 

 

 広島県は、市内中心部の繁華街や瀬戸内側の温暖なイメージが強いですが、実は県北部は中国山地の豪雪地帯を含んでおり、国道54号や浜田道は「チェーン規制箇所」として指定されるほど、積雪量の多い地域もあります。 

 

 そのため、同じ広島県内でも積雪地・温暖地・都市部と3面の性質をもっていることから、居住地や行動範囲によって冬のタイヤへの考えも違うなど、それぞれのクルマユーザーが持つタイヤへの考えのサンプルを採取するにはちょうど良い条件なのです。 

 

 毎年必ずスタッドレスタイヤに交換するというAさんは、「スタッドレスタイヤがないと冬場の生活が成り立たない」といいます。 

 

 Aさんの居住地は、丘陵を切り開いた住宅地にあり、移動にはクルマが必須の地域です。 

 

 例年複数回の降雪があり、雪が積もると数日は残ってしまうため、冬は同じ住宅地に住む人のほとんどがスタッドレスタイヤに交換しています。 

 

 また、Aさんは仕事で自分のクルマを使っており、山陰や四国など広域の移動も多いことから、スタッドレスタイヤの購入や交換にかかる費用は必要経費だと捉えているとのこと。 

 

 一方のBさんは、「降雪や凍結する恐れのある日はクルマを使わないと割り切って、一年中ノーマルタイヤ(夏タイヤ)で通すことにしている」と話します。 

 

 Bさんは降雪の多い山陰地方で育ち、実家への帰省にはクルマが必須なことから、最近までスタッドレスタイヤへの交換は当然と考えていました。 

 

 特に冬場の帰省は寒冷な中国山地を越えることになりますが、降雪のない日でも路面の凍結が生じやすく、タイヤ規制により夏タイヤでは通行できない日もめずらしくありません。 

 

 一方で、現在の自宅付近は都市部で降雪がほとんどなく、広島での生活にはスタッドレスタイヤの必要性が低いことに加えて、マンション住まいでタイヤの保管場所が確保できないことがネックだといいます。 

 

 タイヤの購入や交換、保管にかかる費用と、必要性や使用頻度を天秤にかけた結果、今のクルマに買い替えてからは、スタッドレスタイヤへの交換はしていないそうです。 

 

 

 そのBさんに対して新たな提案をするのが、今年から「オールシーズンタイヤ」を導入したCさんです。 

 

タイヤはしっかり判断して積雪に選びましょう[画像はイメージです] 

 

 まず、オールシーズンタイヤとは、その名の通り季節を問わず使用できるタイヤで、シーズンごとのタイヤ交換が不要となる点がメリットです。 

 

 その一方で、凍結路面やウエット性能ではスタッドレスタイヤ、夏タイヤそれぞれの性能とはやや劣るなどの特性もあります。 

 

 このCさんは、Bさんと同様にマンション住まいで、タイヤの保管場所を確保できないといいます。 

 

 しかし、Cさんの自宅は年に何度か積雪する郊外エリアにあり、通勤にも使用していることから夏タイヤのままでは厳しいとのこと。 

 

 そこでディーラーからの提案を受けて、クルマを買い換えたタイミングでオールシーズンタイヤを購入し、すでに履き替え完了しています。 

 

 スタッドレス派のAさんからは、「降雪量の多い日や凍結した日はオールシーズンタイヤでは厳しいのでは?」という意見がありました。 

 

 しかし、オールシーズンタイヤの一部では、降雪路面や雪がシャーベット状になった路面などにも対応しており、高速道路の冬用タイヤ規制時にも通行が可能とされています。 

 

 凍結路面ではノーマルタイヤ程度の性能しかありませんが、近年では凍結路面にも対応したオールシーズンタイヤの開発も進んでいます。 

 

 Cさんの生活圏では過度な凍結は起こりにくいということから、オールシーズンタイヤを選んだといいます。 

 

※ ※ ※ 

 

 これらの意見で共通していることは、「タイヤ保管場所の確保」や「居住地」だけでなく、「クルマを使う目的」「クルマを出す行先」を念頭に置いてタイヤをチョイスしている点です。 

 

 全く雪の降らない地域に住んでいても、たまにウインタースポーツのために冬用タイヤ規制の高速道路に乗ったり、あるいは豪雪の実家に時々帰省する必要があったりするのであれば、スタッドレスタイヤは必須になります。 

 

 いっぽう、豪雪地でも冬場は一切クルマに乗らないと決めているのならば、そのまま夏タイヤでも何ら問題ありません。 

 

 また、効率のよいオールシーズンタイヤを選択するのもひとつの手で、雪がチラついたり、山間部で冷え込みの強い地域を通らないのであれば、ずっとオールシーズンタイヤを履き続けることも有効です。 

 

 冬のタイヤ選びでは、どうしてもスタッドレスタイヤの保管・履き替えの手間や、保管場所の確保といった目先のことを考えてしまう傾向にありますが、むしろ重要度が高いのは冬にクルマをどう使うのかという点です。 

 

 こうした状況を正しく判断してタイヤを履き替えるかどうかを判断することが、もっとも大切なことなのです。 

 

くるまのニュースライター 市川ミナミ 

 

 

 
 

IMAGE