( 259894 )  2025/02/04 03:31:05  
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埼玉で起きた陥没事故の復旧作業が難航している中、復旧チームのトップは現場について詳細な情報を提供しました。

現在、穴まで5メートルの距離に近づいた結果、下水道管の破損や雨水管の問題が浮上しています。

復旧のための具体的なシナリオとして、バイパスを作る工事が検討されており、6ヶ月から1年かかる見通しです。

しかし、地面の安定化が難しく、作業の進捗は不透明な状況です。

支援の輪は広がっており、被災地周辺では下水道の使用制限が行われています。

現場から25キロ離れた蓮田市にも影響が及んでおり、市民の生活や飲食店の経営にも影響が出ています。

(要約)

( 259896 )  2025/02/04 03:31:05  
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陥没7日目 救助難航 “復旧チーム”トップが語る 復旧までのシナリオは 

 

 埼玉で起きた陥没事故。あふれる水で救助が難航するなか、番組では実際に現場を視察した復旧を進めるチームのトップに復旧への具体的なシナリオを聞きました。 

 

 県の関係者によると、これは2つ目のスロープを作る工事だと見られています。 

 

 事故から7日目、本格的な救出作業にも入れない現状が続いています。 

 

 崩落現場から泥のような水が噴き出しています。湧き出た水の温度は比較的高く、現場の作業員は「泥のようなにおいがした」と話しているということです。 

 

 次から次へと出てくる課題。 

 

 2日に現場を視察した、復旧工法検討委員会委員長の森田弘昭氏は穴まで5メートルの距離まで近づいたといいます。 

 

森田委員長 

「肉眼で見ることができた。色とかにおい。私は下水だと思っています」 

 

 1日に完成した陥没現場のスロープ。水が湧き出ているのはスロープを作った先端の部分です。 

 

 森田氏は「下水道管の亀裂が広がり水があふれている」と指摘。 

 

森田委員長 

「下水の量をみるとそんなに小さい穴からの量ではない。30センチぐらいの小さな穴ではなく数メートル単位の大きい亀裂」 

 

 下水道管の亀裂を大きくしたのは、上空からも見えた四角い管、八潮市の雨水管や八潮市の用水だといいます。 

 

森田委員長 

「雨水管は2メートル×2メートルほどの箱をつなぎ合わせているだけなので、いよいよ耐えられなくなって下に落ちた。コンクリート下の下水道管を壊したのではないか。下水道管に入り込み流れを邪魔しているかなという状態」 

 

 森田氏によると、雨水管や周りのアスファルトが落下したことで、下水道管が大きく破損。広がった穴の中に雨水管などのがれきがつまったことで、水が地上に出てきてしまっているのではないかとしています。 

 

 現場近くのマンホールでは、水位を下げるため、たまった汚水を吸い出す作業が行われています。穴の中に見えたのは泥水。 

 

作業員 

「朝8時半からたまったらすぐ吸いにいって、たまったら吸いにいってという作業」 

 

 吸い上げた泥水は、中川下水場に運ぶといいます。 

 

 

 事故の余波は八潮市以外の場所にも。現場から直線距離でおよそ25キロ。東北自動車道の蓮田サービスエリアでは。 

 

NEXCO東日本ホームページから 

「蓮田市より下水道の使用制限の依頼がありました。ご利用の際は節水へのご協力をお願いします」 

 

 NEXCO東日本はサービスエリア内での節水や隣の羽生パーキングエリアなどの利用も呼びかけています。 

 

 下水道の使用制限が埼玉県の12の市と町に及ぶ中、支援の輪も広がっていました。 

 

受付スタッフ 

「本日八潮の入浴支援ということで無料で受け付けさせていただきます」 

 

 三郷市の温泉施設。警戒区域に住む人を対象に無料で施設を開放しています。 

 

八潮市民 

「風呂はここにずっと世話になっている。洗濯も2〜3日ためている。ありがたいですよ。企業努力でやっていただいているわけですから。将来はどうなるか分かりませんけどとにかく工事が長引きそう」 

 

「湯けむり横丁」みさと 

森田道夫支配人 

「特に家族での風呂の制限があるということで、家族連れが一番多いかなと承知している。一番の近隣施設の温浴施設として住民に協力できればという形で対応した」 

 

 一方で市民の不安はつきません。陥没現場の近くにある飲食店は紙皿での提供を始めました。 

 

現場近くの飲食店 

シャー ウジャハットアリさん 

「本来はこのプレートで提供。それをこういう紙皿に交換して、洗い物を出さないように」 

 

 予想外の出費に加え、売り上げにも影響が出ているといいます。 

 

シャー ウジャハットアリさん 

「1〜2割売り上げが下がっている感じがする。陥没した場所から近いので近くへ行くと危ないと思う人もいて、茨城や東北からの客もいるが、電話で『そっちは危ないんでしょ』と。風評被害ではないが思う人もいる」 

 

 いつまでこの生活が続くのでしょうか。 

 

森田委員長 

「今の状態って砂浜で穴を掘っているのと同じ。真ん中の土を掘れば両脇から砂が崩れてきますよね。大掛かりな工事になるかと思います」 

 

 復旧工法検討委員会委員長の森田氏が、完全復旧に向けた具体的なシナリオを明かしました。 

 

森田委員長 

「大掛かりな工事になるかと思います」 

 

 現場を視察した、復旧工法検討委員会委員長の森田氏。 

 

森田委員長 

「バイパスを作って水を流して損傷しているところを置き換える」 

 

 森田氏によると、検討されているのは別の場所に穴をあけて、下水のバイパスを作ること。バイパス工事は半年から1年で可能だといいます。 

 

 ただ現場は砂のようにもろく、復旧のカギとなるのは地面の安定化。いつ安定化できるかは見通せないといいます。 

 

森田委員長 

「今の空洞の安定化が確定しないと薬液というか周りの地面を固めたりしてからになると思います。がれきが取れて要救助者の人が見つかれば下水が流れていますので、使用制限は中止しても大丈夫だと思います」 

 

 男性の救助のため、今まであったスロープに加え、3日に新たに2つ目のスロープに着工。 

 

 新しいルートでは、今残っているアスファルトをはがしたうえで、穴を広げて掘り進める方針です。 

 

 2つのルートで作業を進めるということです。 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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