石破茂首相は、コメや野菜の価格高騰に対処するため、物価高対策の加速を指示した。

生活必需品の値上がりが家計を圧迫しているため、低所得者向けの給付金支給や生活支援を迅速化するよう自治体に促している。

政府は2024年度補正予算に重点支援地方交付金を計上し、低所得世帯向け給付金や光熱費支援などに活用する予定だが、一部の自治体は給付金の開始を遅らせている状況もある。

また、政府は政府備蓄米の運用指針を見直し、流通の円滑化にも活用する方針だ。

（要約）

　コメや野菜の価格高騰を受け、石破茂首相が物価高対策の加速を指示することが3日、関係者の話で分かった。 

　生活必需品の値上がりが家計を圧迫し続けており、低所得者向け給付金の支給や生活者支援の迅速化を自治体などに促すのが狙い。4日の閣議後、関係閣僚に指示する。 

　政府は2024年度補正予算に約1兆1000億円規模の「重点支援地方交付金」を計上。1世帯当たり3万円（子どもの人数に応じて加算）の低所得世帯向け給付金とともに、物価高対策として光熱費支援などの財源として活用することを推奨している。 

　しかし、給付金に関しては、今年3月までに給付開始を予定している自治体は全体の約7割にとどまり、残りの3割は開始が未定となっている。交付金に基づく生活者や事業者向け支援策の実施計画を提出していない市区町村も目立つ。 

　このほか、先に運用指針を見直した政府備蓄米についても、不作時だけでなく、流通の円滑化に向けて活用するよう指示する方針だ。