( 261794 )  2025/02/07 18:19:54  
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野田佳彦代表が財務省との関係が深い理由は、元財務大臣として財政政策を学び、消費税増税を推進した経験があるためです。

野田氏は財務省幹部から多くの教えを受け、信頼関係が築かれている。

その結果、野田氏は減税反対の姿勢を持っており、立憲民主党としては異例のスタンスを示していると報じられています。

財務省に対しては、野田氏が「財務省の走狗(エージェント)」になっているとの疑惑も取りざたされています。

(要約)

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野田佳彦代表と財務省の関係が深いのはなぜか(勝栄二郎氏=左と新川浩嗣氏。時事通信フォト) 

 

 来年度予算で国民民主党が求める減税政策がどこまで採用されるかに注目が集まっているが、それに後ろ向きなのは自民党だけではなかった。自民に対抗するはずの野党第一党・立憲民主党の野田佳彦代表が“減税反対”の姿勢を明確にすると、そこにアプローチを仕掛けているのが、“減税つぶし”を画策する財務省だという。そして、野田氏が財務省の走狗〈エージェント〉になっているとの疑惑が浮上しているのだ。 

 

「使い勝手佳彦さん」──元財務官僚の高橋洋一・嘉悦大学教授によると、財務省内では立憲民主党・野田代表のことをそう呼んでいるという。 

 

「野田さんは財政の素人だったから、財務大臣や総理時代に増大する社会保障費の財源として消費税増税が必要といった考え方を財務官僚から刷り込まれ、今や本人の信念になっている。財務官僚にすればことさらレクチャーしなくても自分たちと同じ考えで動いてくれる使い勝手のいい政治家なわけです」 

 

 野田氏の政治キャリアを見ると、財務省との関係が深い理由がわかる。 

 

 最初に政府の役職に就いたのは鳩山内閣の財務副大臣、次の菅直人内閣で財務大臣に昇格すると、翌年(2011年)に首相に就任した。 

 

「国対族だった野田さんは、行政経験が財務省の副大臣と大臣しかない。他の役所を知らないわけです。しかも、財務大臣を1年やっただけの野田さんを総理に押し上げたバックに財務省がいた。当時から野田さんは財務官僚をとても信頼し、頼ってきた」(立憲民主党ベテラン議員) 

 

 当時の財務事務次官が“ミスター消費税”と呼ばれた勝栄二郎氏だ。野田氏は財政政策について勝氏ら幹部のいわば“教え”を受けてきたのだ。 

 

 その“教育の成果”は消費税増税だけではない。 

 

 財務大臣時代に東日本大震災が発生すると、野田氏は「なるべく国債には手を出さない」として震災復興財源は財政悪化を招く国債発行ではなく増税路線を取り、首相になると復興財源確保法を成立させて所得税・住民税・法人税に上乗せする復興増税を行なった。 

 

 

 それだけに財務官僚との人脈は豊富だ。 

 

「当時苦労を共にした勝さんをはじめ、野田さんが総理時代に秘書課長だった茶谷栄治・前次官や財務大臣時代に税制二課長だった新川浩嗣・現次官、秘書課課長補佐だった吉野維一郎・主計局次長とは気心の知れた仲です。その部下の財務官僚たちも〝野田さんの恩に報いなければ”と、電話一本で野田さんのためなら何でもやるという姿勢です」(前出・財務省担当記者) 

 

 経産官僚出身で立憲民主党の元代表代行、「ゼロの会」会長の江田憲司も、財務省は政界工作で人脈をフルに利用すると語る。 

 

「財務省の組織力の強さは、親類、人脈など政治家の係累を全部把握するんです。そういうリストがあって、この官僚はかつて野田さんの秘書官室にいたとか、係累の官僚を動かしたうえで、担当部局の課長や局長がその議員を訪ねれば、事はスムーズに進む。 

 

 議員会館で会う場合は表向き、『予算についてのご説明です』と言って訪ねるが、ひと通り話が終わると、『ところでこの案件はどうお考えですか』と根回しするやり方です。財務省は水面下で、消費増税路線のために、自民と野田執行部をくっつけようとしているでしょうね」  

 

 関連記事《立憲民主党・野田佳彦代表が掲げる「ベーシックサービス」は消費税の大幅引き上げの口実か 「財務省のエージェント疑惑」に野田氏本人が回答を寄せる》では、野田氏本人が“財務省のエージェント疑惑”について、文章で回答を寄せている。 

 

※週刊ポスト2025年2月14・21日号 

 

 

 
 

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