( 262544 )  2025/02/09 05:38:20  
00

アクロスソリューションは人材派遣事業を行っていたが、2024年11月21日に破産手続き開始決定を受けた。

会社設立から販売員派遣を手がけ、毎期黒字を計上していたが、急変した情勢により突然営業停止。

代表不在のまま準自己破産を申請し、労働債権者を含む約1017人の債権者に対して約18億2044万円の負債を抱えた。

資金繰りの厳しさやコンプライアンス問題が浮上し、売上の9割が携帯ショップへの派遣だったが、業界の減少や給料支払いサイトの長期化も影響した可能性がある。

(要約)

( 262546 )  2025/02/09 05:38:20  
00

イメージ 

 

1000人近くのスタッフを抱えて人材派遣を手がけていたアクロスソリューションが、2024年11月21日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。 

 

同社は06年(平18)6月に設立。札幌から高松に9の支社・営業所、沖縄に子会社を設置し、全国の携帯ショップや家電量販店向けにスマホ・携帯電話などの販売員派遣を手がけていた。24年3月期の年収入は約38億6700万円、毎期黒字計上と公表していた。 

 

情勢が急変したのは同年11月の頭。突然、同社と連絡が取れなくなったため、本社を訪問すると「社長が会社の決済に必要なもの全てを持って音信不通」になっており、「実質的な営業は10月末で停止」していた(従業員)。その後、年金事務所などから売掛金などの差し押さえを受け、事業継続が困難となったため、代表不在のまま取締役が準自己破産を申請。負債は債権者約1017人に対し約18億2044万円となり、そのうち労働債権者は約904人となった。 

 

裁判資料によれば「営業利益は黒字であったものの、従来より資金繰りは厳しい状況」であり、社会保険や税金の支払いにも遅れがあったという。正確な資金繰り悪化の背景は調査が待たれるが、売り上げの水増しがあったとみられるほか、事業停止後に同社の預金口座から関係会社などに不正な出金が判明するなど、コンプライアンス(法令順守)問題が背景にあった可能性が高い。 

 

同社の売り上げの9割が携帯ショップや家電量販店の販売員向けの派遣であったが、携帯ショップの店舗数は近年減少しているほか、競争の激しい業界だ。派遣先によっては給料の支払いサイトが長期化する案件もあり、サイトが長くなるとその間の補填が必要であったため、継続的な資金調達が必要だったとみられる。実際、金融債権者9人に対し、10億5400万円の負債を抱えるなど、負債の約半分が金融債権者に対するものだった。 

 

 

 
 

IMAGE