トランプ米大統領は、前政権がプラスチックごみを減らすために導入した紙製ストローの導入を阻止する大統領令に署名する方針を示し、「プラスチックへの回帰」を宣言した。

一方、バイデン前政権は2035年までに使い捨てプラスチックの段階的廃止を計画していた。

トランプ氏の新たな大統領令が他の使い捨てプラスチックにも適用されるかは明らかでない。

（要約）

トランプ米大統領＝ワシントンで2025年2月4日、AP 

　トランプ米大統領は7日、バイデン前政権がプラスチックごみ対策として推進した紙製ストローの導入を阻止する大統領令に署名する方針を明らかにし、「プラスチックへの回帰」を宣言した。「機能しない紙製ストローを求めるバイデン（前）政権のばかげた動きを終わらせる大統領令に来週署名する」と自身のソーシャルメディアに投稿した。 

　バイデン前政権は、プラごみによる環境汚染を喫緊の課題と位置づけ、連邦政府機関での使い捨てプラスチックの使用や購入を2035年までに段階的に廃止する方針を定めていた。トランプ氏の新たな大統領令が、ストロー以外の使い捨てプラスチックも対象とするかは不明だ。 

　22年3月に採択された国連環境総会の決議では、世界で深刻化するプラごみ汚染に対処するため、拘束力のある国際条約を策定する方針が盛り込まれた。24年末を期限と定めていた政府間交渉は難航し、トランプ政権の発足で議論の行方は不透明感が増している。【ニューヨーク八田浩輔】