( 263304 )  2025/02/10 17:45:11  
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トラックが馬や精密機械を運んでいると事故を起こすと高額な請求が来るという話は何度か聞いたことがあるが、実際にそうかどうか調べてみたところ、競走馬や馬運車に被害を与えても最高で1億円程度であり、運送会社や運転者に30億円以上の支払いを命じられた事例と比べると驚くほどではない。

競走馬は「物」として扱われるため、対物賠償保険でカバーできる可能性があり、無制限で契約していれば経済的な心配は少ない。

しかし、あおり運転など故意による事故では保険金が支払われないため、安全運転が最も重要であり、任意保険も対人無制限、対物無制限で加入しておく必要がある。

高級輸入車や危険物を運ぶトラックには距離を置くこと、そしてどんな車に対しても十分な車間距離を保つことが、安全運転の鉄則である。

(要約)

( 263306 )  2025/02/10 17:45:11  
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昔から「馬、精密機械を運んでいるトラックと事故を起こすと高額な請求が来る」といわれている。 

 

「馬、精密機械を運んでいるトラックと事故を起こすと、桁違いに高額な賠償金を請求されて人生が詰む」……といった話を聞いたことがないだろうか? 

 

 事故を起こして被害を与えた場合、賠償金を請求されるのは当然だが、競走馬を運んでいるトラックにぶつけると、「人生が終わる」ほどの請求がくるのか調べてみた。 

 

 まずトラックの価格。 

 

 競走馬輸送の専用車両のことを「馬運車(ばうんしゃ)」という。馬運車は基本的に受注生産のワンオフなのでカタログ価格は出ていないが、1台5000万~6000万円が相場らしい。 

 

 続いて競走馬。JRAのHPによると、もっとも多く取引される1歳市場の平均価格は1236万円。最高価格は3億3000万円(令和3年度 サラブレッド1歳市場成績)。 

 

 過去には6億円の価格がついた競走馬もいたそうだが、仮に馬1頭(1236万円)と馬運車一台に被害を与えたとしても、被害額は7236万円と1億円にも届かない。 

 

 2008年8月に首都高速道路でタンクローリーが横転、炎上した事故で、運送会社と運転者に32億8900万円の支払いを命じた裁判に比べれば、驚くほどではない⁉ 

 

 ただ問題があるとすれば、競走馬の補償に対物保険が使えるかという点だ。 

 

 法律上、競走馬は犬や猫などのペットと同じく、『物』として扱われるので、通常通り、対物賠償保険で損害をカバーできるはずだ。 

 

 つまり「対物賠償保険」を「無制限」で契約していれば、経済的な心配はカバーできると思って間違いない。 

 

 余談だが、今年1月にF1ドライバーのランド・ノリスが所有するフェラーリF40がモナコ郊外で事故を起こしたシーンがSNSで拡散されたが(運転していたのはノリス本人ではなかった)、F40の現在の価格は250万ドル(約3億9000万円)なので、F40におかまを掘るより、馬運車+競走馬にぶつかってしまったほうが、被害額は少なく済む可能性はある(当然事故が起きてはいけないが)。 

 

 もっとも、あおり運転など「故意による事故」に該当すると判断されると、保険金が支払われなくなるので、そのときは保険に加入していてもしていなくても、そのドライバーは人生が詰むかもしれない……。 

 

 いずれにせよ、相手がどんなクルマであったとしても、事故を起こさないことが一番肝心で、安全運転が最優先。そして任意保険も対人無制限、対物無制限に加入しておくことがマスト。 

 

 そのうえで、馬運車や危険物、楽器美術品運搬中のトラックには距離を置く。また、MRIなどの医療機器の運搬車や、エアサス搭載と記載されているトラックにも近付かないのがベスト。 

 

 高級輸入車や初心者マーク、高齢者マーク、挙動不審なクルマにも近づきたくないし……。そう考えると、どんなクルマに対しても十分な車間距離を維持しておくことが、安全運転の鉄則だ。 

 

藤田竜太 

 

 

 
 

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