( 263766 ) 2025/02/11 17:11:49 0 00 「ガソリン」が急に高くなって困る!「本当だったら25円安いはず」と聞きましたが、なぜ安くなっていないのでしょうか? 暫定税率の「ガソリン価格」への影響を解説
2024年12月、ガソリンの値上げがニュースになりました。1リットルあたり5円値段が上がり、月に100リットル消費する場合だと、単純計算で500円の負担増となるため、普段から車を利用する人にとっては痛い出費となったのではないでしょうか。
ところで、「ガソリンは本当だったら25円安いはず」と聞いたことはありませんか? これは、ガソリン価格に関わる「トリガー条項」や「暫定税率」というものに関連していますが、よく知らないという人も多いと思います。
本記事では、ガソリンが「本当は25円安い」と言われる真相や、ガソリン税の暫定税率がガソリン価格にどう影響しているのかを分かりやすく解説します。また、ガソリン価格が安くならない理由についても詳しく説明します。
「本当はガソリンが25円安いはず」と言われる背景には、トリガー条項の存在があります。トリガー条項とは、ガソリン価格が一定以上に高騰した場合、暫定税率を一時的に停止する仕組みです。
具体的には、レギュラーガソリン価格が全国平均で1リットル160円を3ヶ月連続で上回ると、上乗せされている税率分の25.1円が免除される仕組みになっています。
しかし、2011年の東日本大震災以降、この条項は復興財源の確保を理由に凍結されたままとなっているのです。そのため、ガソリン価格が高騰していてもトリガー条項が発動されることはなく、価格が下がらない状況が続いています。
2025年1月時点でのレギュラーガソリンの価格は3ヶ月連続で160円を超えているため、本来であればトリガー条項が発動されるはずです。そのため、冒頭の「本当はガソリンが25円安いはず」というのは、事実であると言えるでしょう。
ガソリン価格に含まれる税金、すなわちガソリン税は「揮発油税」と「地方揮発油税」を合わせた総称で、現在は1リットルあたり合計53.8円が課されています。このうち25.1円が本則税率に上乗せされている部分で、暫定税率と呼ばれるものです。
さらに、この税金部分にも消費税がかかっていることから、いわゆる「二重課税」となっていることも、問題視されています。
例えば、レギュラーガソリンが1リットル180円の場合のガソリン税と消費税を計算すると、次のようになります。
・本則税率 28.7円 ・上乗せ分 25.1円 ・税金部分への消費税(10%) 5.38円 ・合計税金額 59.18円
つまり、1リットル180円のうち約59円が税金にあたり、ガソリン価格全体の約33%を占めています。
そもそもガソリン税は道路整備のための特定財源として導入されました。その後、1974年に財源不足を理由に暫定税率の上乗せが始まったのです。当時は一時的な措置として説明されていたはずの上乗せですが、現在も続いています。
しかし、2024年12月、自民党・公明党・国民民主党が協議し、この暫定税率を廃止することで合意しました。これが実現すれば、トリガー条項の発動にかかわらず、ガソリン価格は1リットルあたり約25円安くなる可能性があります。
ただし、廃止する見込みではありますが、具体的な実施時期や方法はまだ決まっていないのが実状です。
「ガソリンは本来であれば25円安いはず」という話は、トリガー条項や暫定税率に基づくものです。しかし、トリガー条項は凍結されたままで発動されることがないままガソリン価格は上昇を続けており、2025年1月にもさらに5円値上げされました。
一方で、暫定税率は廃止される方向であるものの、実施時期についてはまだ分からない状況です。ガソリン価格は、日々の生活や物流に直結する問題のため、今後の動向に注目したいものです。
出典 国土交通省 3.道路特定財源制度について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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