( 264806 ) 2025/02/13 17:46:13 0 00 日本で車を駐車する場合「バック駐車」が当たり前です。しかし欧米では「前向き駐車」が主流となっています。
果たしてなぜ日本では欧米とは逆のバック駐車が広く普及したのでしょうか。
日本では当たり前の「バック駐車」実は欧米では違う!?[イメージ画像:PIXTA]
駐車は、クルマを利用する際には避けては通れない行動です。
しかし、その方法や考え方には国や地域によってさまざまな違いがあります。
特に、日本と欧米では駐車の向きに関する考え方が異なり、それぞれの文化や生活様式が反映されています。
では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
まず、欧米諸国における駐車の方式を見ると、いわゆる前向き駐車が主流となっています。
前向き駐車のメリットは、クルマを駐車する際の運転操作が比較的簡単であることです。
ただし、出庫時には後方の安全確認が必須となるなど、入庫時と比べて負担が大きいというデメリットもあります。
一方、日本ではバック駐車が主流となっています。
バック駐車は出庫時の運転操作が最低限で済むものの、入庫時には一定の技術が求められます。
こうした違いが生まれる背景には、欧米諸国と日本では人口密度が大きく異なることが挙げられます。
たとえば、アメリカの人口密度は1平方キロメートルあたり33.6人であるのに対し、日本は1平方キロメートルあたり338人とおよそ10倍です。
人口密度が高くなると、おのずとクルマも密集しやすくなります。そうなると、駐車場においても、両隣にクルマがいる状態で駐車せざるを得ないケースも増えることになります。
その際、クルマの構造上内輪差が生じないバック駐車は、駐車に必要なスペースを最小化することができます。簡単に言えば、バック駐車のほうが駐車しやすいというわけです。
一方、日本よりも駐車スペースに余裕のある欧米では、必ずしも両隣のクルマを意識する必要がありません。
また、買い物などの際には、ラゲッジルームに大きな荷物を載せることも多いことから、前向き駐車のほうが合理的であると考えられているようです。
日本と欧米では、駐車場そのものの構造についても大きな違いが見られます。
日本では、土地の利用効率を重視した駐車場設計がおこなわれており、土地が特に高価である都市部を中心に、多層式駐車場(タワーパーキング)や多段式駐車場が広く普及しています。
また、さまざまな形態の時間貸し駐車場(コインパーキング)が見られるのも日本の大きな特徴のひとつです。
機械式立体駐車場も日本の狭い土地を有効利用した一例です[イメージ画像:PIXTA]
もちろん、日本の人口密度の高さがその根底にあることは言うまでもありません。
しかし、欧米では路上駐車が一般的である国や地域もめずらしくなく、駐車に対して費用が発生するという意識がないユーザーも少なくありません。
そうした背景もあって、欧米では日本のような多層式駐車場や時間貸し駐車場を見かけることがほとんどありません。
一方、香港やマカオ、シンガポールなど、日本の都市部と同じかそれ以上に人口密度が高い国や地域では、日本のものと近い多層式駐車場や時間貸し駐車場を見ることができます。
これらの国や地域ではバック駐車が多く見られるなど、駐車に関する文化も日本と似通っています。
このように、駐車文化はその国や地域の特色が表れる部分であり、そのなかでも人口密度との相関が強いと言えそうです。
※ ※ ※
多層式駐車場をはじめとする機械式駐車場技術は、日本が世界をリードしている分野であり、現在では官民連携での海外展開が進められています。
日本式の機械式駐車場が世界各地で普及すれば、それと同時にバック駐車という文化も輸出されることになるかもしれません。
Peacock Blue K.K.
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