( 265729 ) 2025/02/15 16:40:51 1 00 NHKの女性アナウンサーについて、30代前半の中川安奈など若手世代のアナウンサーが担当番組から外れる異変が起きていることが報じられた。 |
( 265731 ) 2025/02/15 16:40:51 0 00 NHKが発表した、4月からの担当番組表に異変? 写真は退局報道が出た中川安奈アナウンサー(画像:本人の公式Instagramより)
公共放送であり、民放のアナウンサーとはまた違った魅力や実力が求められるNHKの女性アナウンサー。その中で、知名度や人気の点でいえば、現在のNHKでその筆頭に上がるのは、桑子真帆や和久田麻由子だろう。
彼女たちは2010年と2011年に入局した1歳違いで、ともに30代後半。20代後半から東京で知名度を上げ、30代前半には現在につながる盤石な人気を確立していたことを考えると、NHKはポスト桑子&和久田になりうる30代前半のアナウンサーの育成が急務といえるが、ここにきて暗雲が立ち込めている。
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■NHKが発表した「担当番組表」に異変
まず、30代前半のアナウンサーで知名度としてはこの2人に次ぐといってもいい、中川安奈に退局報道が出た。
2016年に入局し、「NHKの峰不二子」の異名を持つ中川が大きく知名度を上げたのは、Instagramの使い方の巧みさであったり、出演時の衣装が“裸に見える”といった類いのネット報道だったりもするので、“NHKの王道”とは言いがたいかもしれない。
ただそれでも、約40年の歴史をもつ『サンデースポーツ』のキャスターやオリンピックの中継など、スポーツの中核を担ったうえで、衣装にまで注目を集めるアナウンサーは同局では稀な存在で、退局が確定であれば、NHKへの影響は少なくないだろう。
そして、2月12日にNHKから発表された4月からの「主な番組キャスター 一覧」の担当番組表を見ると、中川安奈だけではなく、彼女と同期入局の女性アナウンサー4人全員が、“最前線”とは言いがたい場所にいることがわかる。
そもそもの話になるが、NHKでは入局すると、最初は地方局の配属になり、その後2〜3局まわってから東京にやってくるのが慣例だ。東京に来るのが早いほど、期待値が高いと言われている。
2016年入局組(1993〜1994年生まれ)の女性アナウンサーは、前述の中川安奈、佐藤あゆみ、川﨑理加、浅野里香と4人いるが、全員が20代後半の時点で東京に来ていた“期待の代”である。
まず、報道通りというべきか、中川安奈の担当番組はゼロ。これで退局報道の現実味がかなり強くなったといっていいだろう。
■新春の目玉番組を担当した佐藤あゆみも…
さらに、退局の報道などは出ていなかった佐藤あゆみも、担当番組はゼロだった。
佐藤は、東京に来て早々に『おはよう日本』を担当。そのルックスが“NHKの有村架純”ともいわれて話題に。新春の『新春生放送! 東西笑いの殿堂』の進行を担当した際には、爆笑問題・太田光の下ネタ発言も感じよくスルーするなど、バラエティ対応能力の高いアナウンサーだ。
さらに、NHKスペシャル『安倍元首相 銃撃事件の衝撃』ではナレーションを担当し、落ち着いた声で番組に説得力を与えるなど、硬軟自在に変化できる実力を持つ。
今年の正月は『東西〜』に加えて、3年連続出演となった『新春! ニッポンふるさとリレー』など長時間の生放送を2本担当と、制作現場の信頼がないと担当できなさそうな番組を任されていた。
直近の充実した活躍を見ると、退局は予想しづらかったが、4月からの担当番組が1本もないとなると、その線は濃厚だ。
また、川﨑理加も担当番組はゼロ。しかし彼女の場合は、現在、国際放送局に所属しているので、今回発表された担当番組表に名前がなくても不自然ではない。2024年はニューヨークからニュースを読んでいる姿が、ときどき散見されたようだが、今年度も日本国内向けの放送で見られる機会はなさそうである。
『ブラタモリ』6代目アシスタントとして知名度を高めた浅野里香は、2024年に結婚&産休報道が出た。仕事を調整していたのか、徐々に露出が抑えられてきた。
4月からは『土スタ』『きょうの料理』など、比較的目立つ番組を担当しているが、和久田麻由子や寺門亜衣子が産休復帰した際には、いきなり帯番組を与えられて華々しい復帰をしていたことを考えると、いささか地味な印象は拭えない。
4人それぞれ事情は違えど、30代前半で、今後を担う期待の女性アナウンサーたちが「最前線に立っているとは言いがたい」という異常事態が、今回の発表から読み取れるのである。
なぜこのようなことが起きているのだろうか。
■仕事が“平等に”振り分けられている
今回の発表をさらに読み解くと、そもそも今のNHKは桑子真帆や和久田麻由子のような、突出した人材を育てようとしていないのではないか、という意図を感じる。
中川が担当していたスポーツ番組や、佐藤が担当していたエンターテインメント番組は、2人の後任的な立ち位置のアナウンサーに引き継がれるのではなく、多くのアナウンサーに“平等に”振り分けられているように見える。
例えば、中川安奈は『サンデースポーツ』に加え、『あさイチ』や『ひむバス!』など、出演するアナウンサー自身にも人気が集まりそうな番組を兼務していた。だが、中川のあとに『サンデースポーツ』を担当する宮本真智は『あさイチ』に名前はなく、宮本をポスト中川にしようという意向は感じられない。
全般的に、誰かに仕事が偏ったり、目立つ仕事を与えたりせずに、できる限りいろいろな人に仕事を広く与えようとしている印象なのだ。
決められた原稿を読むニュース番組だけでは、なかなかお茶の間からの支持が得られにくいことを考えると、スポーツやエンターテインメント番組を担当したほうが、人気の芽は出やすい。
中川・佐藤の2人は人気・実力の芽が出始めていたのに、その芽を育てる場がないだけではなく、誰か後進を2人のように育てよう、という気配もない。若手のアナウンサーが、何か自分の得意な分野を深く探求し、伸ばせるような配置になっていないのである。
そもそも論になってしまうが、今のNHKのアナウンス室には、誰かを突出したエースにしようという感覚自体がないのかもしれない。
■スペシャリストではなくジェネラリスト傾向?
彼女たちからだいぶ上の世代になってしまうが、つい先日、豊原謙二郎アナウンサーにも退局報道が出た。51歳の豊原は、中川安奈とともに『サンデースポーツ』を担当。ラグビーのワールドカップや、東京五輪の開会式の中継を担当するなど、スポーツ・実況のエキスパートである。
豊原は、昨年、名古屋に異動になったことで、報道番組の進行を担当。サンケイスポーツの報道によれば、スポーツの現場になかなか出られないことが退局理由の1つだという。
50代で、スポーツ実況というその道のエキスパートになった人でさえも、その専門分野を活かす機会を減らされるという、一般企業からすると首を傾げたくなるような配置転換が行われていたのである。
20代のまだ何が得意分野かわからない若手に、さまざまな種類の仕事を体験させて、自分の適性を見つけてもらおうというのであれば、理解はできる。だが50代になり、その道のスペシャリストと呼べる場所に達した人に対し、ジェネラリストのように育てようとするのは、人材育成の環境としては、充実したものだとは言いがたい。
そう考えると、自分の得意分野を見つけ、スペシャリストとしての芽を出し始めた30代の中川と佐藤の2人が、これからというタイミングでNHKという場を出ようとしているように見えるのも、納得がいく。
やっと出た芽を育てようとしてくれる土壌がなければ、他の場所を見つけようとするのも当然のことである。
奇しくも、以前『あさイチ』のメイン司会を務めていた近江友里恵も、2人と同じ、9年間勤めたタイミングでNHKを辞めている。現在はフリーアナウンサーとして活躍する神田愛花もNHKにいたのは9年間だ。
9年という時間を、十分長いと感じる人もいるかもしれないが、おそらくそれは“民放基準”だろう。
民放では、フジテレビの「◯◯パン」シリーズなど、女性アナウンサーは新卒入社とともに自分の冠番組が与えられてスタートダッシュとなることまである。「30歳限界説」といった時代錯誤なことがいまだ言われるような世界だ。
結婚や出産といったタイミングで独立してフリーになる“女子アナ”のイメージは、あくまで民放の東京キー局の状況が作り上げたものである。
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