( 266204 )  2025/02/16 16:44:08  
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昨年末から進められていた日産自動車とホンダの「経営統合」が撤回されたことで、日産は800億円の赤字に転落する見通しと発表した。

これに対し、元会長であるカルロス・ゴーン氏はインタビューで、日産の危機を「1999年以前の姿に戻ってしまった」と評価し、リーダーシップの不足や経営問題を指摘した。

ゴーン氏は困難な状況でも再生の道はあると述べ、新たなリバイバルプランの必要性を訴えた。

(要約)

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取材に応じたカルロス・ゴーン元会長 

 

 日産自動車とホンダは昨年末から協議を進めてきた「経営統合」について2月13日、正式に撤回を決定した。ホンダからの「子会社化」に提案に対し、日産側が反発して破談に至ったとされるが、業績が悪化する日産の危機は続くことになる。そうしたなか、かつて日産の業績をV字回復させ、その後に会社を追われたカルロス・ゴーン元会長が本誌・週刊ポストのインタビューに応じた。 

 

 日産は経営統合の破談が正式決定した13日、今期の連結純損益が800億円の赤字に転落する見通しと発表。ホンダとの統合が撤回されたことにより、経営の立て直しに向けて苦しい状況が続くことになる。 

 

 そうした日産の危機を、ゴーン氏はどう見ているのか。明日2月17日発売の週刊ポストでは、独占インタビューを掲載している。ゴーン氏は現在の日産について「1999年以前の姿に戻ってしまった」と評した。 

 

 日産の経営立て直しのため、ゴーン氏が仏ルノーから送り込まれたのが1999年のことだ。当時、日産の純損益は6844億円の赤字(2000年3月期)に陥っていた。ゴーン氏は再建計画「日産リバイバルプラン」を掲げ、2001年3月期には純損益が3311億円の黒字に。V字回復を達成し、以後も長きにわたり日産の経営を率いた。 

 

 しかし、2018年に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で逮捕・起訴される。さらに、翌2019年には保釈中に中東・レバノンに密出国。日本中に衝撃が走る“逃亡劇”だった。今もレバノンで暮らすゴーン氏。リモート形式で行なわれたインタビューで、密出国が日本で厳しく批判されていることを問うと、「私は自分の逃亡を後悔していない」と応じた。そして、自らが去った後の日産経営陣を厳しく批判した。 

 

「私が18年間、チームと共にやってきた仕事はすべてムダになった。日産の時価総額は私の頃に比べて数百億ドル下がり、約100億ドル(約1兆5500億円)になった。大金を失った責任は重い。彼らは任務を遂行せず、日産の従業員を失敗させ、日産の株主を失敗させ、そして日本を失敗させた」 

 

“コストカッター”の異名を取ったゴーン氏だが、「現在の日産にあるのはコスト削減の問題だけではない。むしろ“リーダーシップ”の問題だ」「ビジョンがなく、財務をはじめ経営問題を抱えている」と指摘した。 

 

 ただ、それでも再生の道はあるという。ゴーン氏はこうも語った。 

 

「人間が作り出した問題を、人間が解決できないことはない。1999年に私が日本を訪れた時、多くの人は私に『日産は絶望的だ』と言ったが、私はそうは思わなかった」 

 

 では、ゴーン氏であれば今の日産をどう立て直すのか――マネーポストWEBでは、ゴーン氏の独占インタビューを全文先行公開している(2月16日付)。関連記事の《【全文公開】カルロス・ゴーン氏独占インタビュー「日産とホンダの破談の原因」「海外逃亡への批判」「新・日産リバイバルプラン」「現経営陣への最後通告」…すべて語った》では、ホンダとの経営統合が破断した理由、日産の抱える課題、触手を伸ばしてきた台湾電機大手・鴻海精密工業の狙い、そして再生のための「新・リバイバルプラン」まで、ゴーン氏が自身の考えを詳らかにしている。 

 

 

 
 

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